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Raphaの現状と未来

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たぶん高級ウェアブランド(?)のRapha。でも、昨今はわりと同じような価格帯のブランドが欧米に増えとるから、かつてほど「特別に高い」という感じもしなくなってるブヒね。


でもま、高いのは高いけど。ただの布だぜ!




現在のRaphaのオーナーは、ずいぶん前に記事にしたとおり、小売の帝王ウォルマートの創業者を祖父とする、その孫たちSteuart WaltonとTom Waltonの2人。自転車大好き兄弟。


そんなRaphaの財政事情は、公的な書類によると、去年の「2018年1月」までの半年間においては、総売上高£42.2百万(約61億円)で、£20.2百万(約30億円)の損失。なお税処理前で。





いったいRaphaはどうなっているのか?どうなっていくのか?Raphaの創業者にしてCEOのSimon Mottramが語る。


情報源:Evening Standard, “Business interview: Rapha’s Simon Mottram — the cycling fan whose passion persuaded Brits to change gear”




(1) ウォルマート兄弟と創業者Simon Mottramの支配権





現在のRaphaの支配権の90%はRZCという投資会社が持ってる。これは、上述ウォルマート兄弟が経営する会社やから、実質的には同兄弟がRaphaの90%を支配してると言っていいやろ。


一方で現CEOにして創業者のSimon Mottramは5%だけ。あとはその他の人間がちょっとだけ保有。


まぁもともとMottramは昔から大株主という地位にはこだわりなかったようやから、Raphaを大きくするための資金調達には積極的で、自身の利益にはあんまりこだわりないんかもね。Raphaという会社が成功さえすればいいと考えるタイプなのかもね。


Mottramは、RZCによるRapha買収は、長期的な支援と成長を見え据えてのものと語る。強力なサポートを得た、みたいな趣旨のことを言ってる。





(2) Raphaの現状と未来





さて、Raphaは、上述のように2018年1月までの半年間で、同期間における総売上(総資産じゃなくて、総売上ね)の約半分にもなる損失を計上したわけやけど、それについてMottramはこう言う。


“There are two stories here. One that’s wrong and one that’s right. It’s very easy,”



訳「Raphaの現状についての見方は2つあるんよ。せやけど1つは間違ってて、もう1つは正しい。簡単なことや」


その2つが 具体的に何かは語ってないからわからんけど、ようするに1つは「今のRaphaはアカン、経営がなってへん!」という何も知らない世間の一般大衆が好みそうなものと、もう1つはそれと逆の、「実は多額の損失も、一時的な経営戦略上のものでしかないよ」という経営者側の反論みたいなもんやろね。


なお、その大きな損失の7割ぐらいは大量の在庫に起因するもの。具体的には、会計帳簿上の、在庫についての評価額の適正化によるもの。


なので今回限りの損失と述べてる。




Mottramはこう続ける。


“We’re not making lots of profit, I can tell you that, but that’s not what we need to do for the next three years. That’s the decision we’ve taken. If you want to get back in control of pricing, you don’t do that by growing 40%. We’ve had to consciously take a step back in terms of growth and drive more of that into full-price sales so the profit margin gets protected, but at a low level.”



訳「今のRaphaはさほど利益を生みだせてない、それは確かや。でも、それは今後の3年間の目標じゃないんよ。それは目標にせーへんと決めたんよ。もし、商品価格をコントロールしたいなら、年40%もの成長率っては無理よ。Raphaとしては、意識的に成長率を犠牲にして、正規価格での販売へと舵を切ったんよ。それで、利幅が確保できる。まぁまだたいしたことないけどな」


極論すれば、もし企業をどんどん成長させることだけが目的なら、安売りすればええ。そうすれば短期的な拡大は容易。


しかし、それと長期的な企業の生存可能性や利益の創出に直接つながるかといえば、そうでもないのが難しいところ。


歴史的にみても、短期間で成長した企業が、ちょっと世間が変化するとすぐに潰れるというのは至極普通に繰り返されてる事実でもある。


もちろん、ユニクロとか、スペインのZARAとか、スウェーデンのH&Mとか、安さで世界に君臨しとるブランドも多数あるわけやけど。でも、結局それらも安さだけで勝負しとるわけやないしね。あくまで価格とのバランスと、その他の総合力で勝負しとるわけで。


大切なのは世間の時流がちょっと変化したぐらいでは、倒れない企業づくり。あくまでRaphaとしては長期的な生存戦略をとるということやね。





また、現状では売上の3分の2以上が、公式サイトの通販によるものらしい。せやから世界22箇所にある実店舗クラブハウスでの売上は微々たるもの。


でもだからといってクラブハウスを潰すとかじゃなくて、CEOのMottramは今後は、WEB通販とクラブハウスとをもっとよりよく統合・融合させたいと考えてる。


“If 70%-plus [of sales are full-price] that’s incredibly good and we’d like to get as close to that as we can,”



訳「もし製品の7割強が正規価格で売れたら、めっちゃすばらしいことやし、できるかぎりそういう感じにしたいんよ。」


“We’re not there [yet]. We are significantly better than we were last year.”



訳「まだ全然そんな状態にできてへんけどね。でもまぁ去年よりはだいぶうまいこといってるよ」


というわけで、やはりシャネルやグッチなどのファッション界のスーパースターみたいに、「セールはしない。定価販売で余裕で勝負できるだけのブランド力」を経営の柱にしたいようやね。


もちろんセール品も用意するけど、あくまでそれは少数派にしたい。7割強は定価のままで売りたい。そしてセールをすると、通常販売の廉価帯の製品群との衝突が起こるから、その点の調整をどうするかもいろいろ考えながら試行錯誤していく。


それこそ、セール品については、Wiggleなどの大手海外通販サイトにがんがん商品を流せばええ。そして商品価格は海外通販サイト自身が決めるようにする。そうすれば、取引先が増えて、しかも価格競争によってユーザーは安く製品をゲットできる。


この試行錯誤の実験の一環が、Wiggleでの販売


実は、WiggleにRapha製品が並んでいるのは実はそういう戦略なんやね。実験の一環というわけやね。


でも狙った効果でーへんかったら、やめるかもね。数年間は様子見るみたいな契約かも?どうやろ?そのへんはなんも書かれてないからわからん。


記事にはっきり書いてあるわけやないんやけど、今後のRaphaの戦略を予想すれば、セール品については自社販売だけにこだわらずに海外通販サイトや他社と積極的に協調、一方で製品群の大多数は定価販売にこだわり、自社とクラブハウスで独占的に販売。こんな戦略になるんやろかね。


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piginwired
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