モレマ「フルームのツール優勝は無理」

土曜日のツール・ド・ラン（Tour de l’Ain）の第2ステージは、チームIneos対チームJumbo-Vismaのガチンコチーム力対決となった。見ていた人はおそらくかなり興奮したであろう。なにせ、今年のツール・ド・フランスを完全に予言するようなレースとなっていたから。

Jumbo-Vismaの監督は、「今年のツールはJumbo-Visma対チームIneosと世間は思ってるやろうが、それだけじゃないで。他チームも優勝争いに絡んでくるで」と述べるが、それでもやはり両チームのチーム力が他チームより頭1つ抜きんでているのは確か。誰もがやはり、「J vs I」を期待し、予想している。

Jumbo-Vismaは、ログリッチ（Primož Roglič）、デュムラン（大）（Tom Dumoulin）、クライスヴァイク（Steven Kruijswijk）のトリプルエース体制を、そしてIneosは、フルーム（Chris Froome）、ベルナル（Egan Bernal）、G（Geraint Thomas）のトリプルエース体制。またアシスト陣も、Jumbo-Vismaにはジョージ・ベネット（George Bennett）、Ineosにはカストロビエホ（Jonathan Castroviejo）などがいる。

さて、そんな両チームの山岳殴り合い決戦となった第2ステージだったが、その殴り合いに第三勢力として参加していたのがTrek-Segafredoのエース、バウク・モレマ（Bauke Mollema）。最後の最後でクリートが緩んでしまい、まともにペダリングできなかったのが残念だったが、それでも好調さと強さを十分にアピールしていた。

そのモレマは、クリス・フルームについて「今年のツールでフルームは勝てない」という発言をしている。

情報源：Mollema: I don’t count Chris Froome as a Tour de France favourite anymore

なぜモレマがこんな発言をしたのかというと、それは両チームの殴り合いの途中でクリス・フルームが脱落していったから。これまでのフルームならば絶対に落ちないであろう展開の途中で1人落ちていった。

モレマはそのフルームの姿を見て、いつものフルームには程遠いレベルだと感じたもよう。去年のクリテリウム・ドーフィネ中の大怪我から回復してはいるが、ツールで総合優勝争いをできるだけのレベルにはたどり着けていないと判断。

情報源記事で、モレマは実際に次のように言う。

“I don’t actually count Froome anymore,”

訳「もう今年のツール・ド・フランスの優勝候補としてフルームを数に入れていない」

“You can see that he is not at the level where you will just win the Tour, I think.”

訳「見たらわかるやろ。今のフルームはツールに勝てるレベルじゃない。ワシはそう思う。」

おそらくこの日のレースを見ていた人もほとんどがそう思ったのではないだろうか。まだツールまで2週間ほどあるとはいえ、その間に劇的なパフォーマンスの改善があり得るのか？また、ツールで実際に走っていると途中でコンディションがベストになるというのも多く、それを計画的に実行するチームIneos（チームSky）ではあるが、実際にそれが上手くいくかどうかはやはり未知数であり、賭けである。

まだまだ調整という考えなのか、それとも今の全力がこうなのか、たまたまその日がバッドデイだったのか･･･今年のフルームは何かがおかしい？

なお第3ステージでは、ゴールまで残り10㎞あたりからの登りで、フルームが先頭で集団を牽引し、その後輪にベルナルがつけていた。ハイスピードで数キロほどベルナルをアシストし続けていたフルームは途中で任務終了。

その映像だけ見てると調子はそんなに悪くなさそうだが･･･やはりまだ何か足りない状態なのだろうか。