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ロードレースが他のスポーツと異なる点というのは非常に多い。その中でも最も特徴的なものの1つは、200人近くの選手がいっせいに集団(プロトン:peleton)を形成し走り続けることであろう。
もちろんそれはロードレースにおいて最大の敵、空気抵抗と戦うための知恵であるが、それでは集団のどこが一番空気抵抗が少なく、楽なのであろうか?
情報源:These are the best (and most surprising) places to get a draft in a bike race
情報源記事では、アイントホーフェン工科大学とルーベン・カトリック大学の専門家Bert Blocken博士が、流体力学などを応用しロードレースにおける空気抵抗について研究した結果と、その博士の見解が紹介されている。
解析データの画像などは下のリンクで見てもらいたい。
→解析画像など:URBAN PHYSICS, WIND ENGINEERING& SPORTS AERODYNAMICS
解析画像では、風速と圧力係数という2つのデータごとに画像が掲載されているが、ともに画像中の空気の流れが「青色」の部分が「一番楽ちん」な位置、「赤色」の部分が「一番しんどい」位置となっている。
だいたいはみんなの予想通りとなっているはず。集団の中央かつ後方のほうが「楽」である。レースに出ているガチ勢も実感とほぼ一致しているデータなのではないだろうか。
集団の一番楽なところにいれば、先頭から85%も空気抵抗が減り、先頭で走る選手らのパワーのたった5%程度の出力で走り続けることが可能。
もちろん集団でなくとも、モトバイクやチームカーなどが前にいれば同様に空気抵抗低減の恩恵を得られる。
カメラモトが目の前にいれば75%も空気抵抗が減る。そらたとえ一瞬でも利用しますわ。
Momentos del ciclismo @ozo_karlis dura caída de @alafpolak @alafpolak1. Sad #RVV20 #RVV pic.twitter.com/pgW9yVqR7m
— CICLISMO🚴♂️ (@CICLISMO_Report) October 29, 2020
また、博士が言うには、「モトバイクやチームカーなどから50m離れていても、空抵抗を軽減できる効果がある」とのこと。もちろんすぐ後方で走る場合ほどの効果はないが、それでも効果が無いよりはずっとマシなレベルの効果があると言う。
これまでは選手が、モトバイクやチームカーの「後ろで」走っていた場合の話だったが、博士は次に驚くべき研究結果を述べる。
それは、モトバイクやチームカーの「前で」走っていても選手は空気抵抗が軽減される恩恵を受けるというものである。ファッ!?
たとえばモトバイクが選手の後ろを走っている場合、1m後方ならば選手は空気抵抗が3.8%減る。2m後方ならば1.7%減る。では10m後方では?ゼロではなく、0.1%の軽減効果があると述べる。
これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれだろうが、レースの勝負所で必死に死力を尽くしている最中ならば、その0.1%がゴールでの1秒、あるいは1cmの差につながるかもしれない。トップアスリートほど無視できない効果なのではないか?
そしてモトバイクではなく、もっと大きなもの、たとえばチームカーが後方を走っている場合はモトバイクに比べて2倍の効果があるとされる。ならば、チームカーが後方1mにいれば7.6%の空気抵抗の減少、2m後方ならば3.4%の減少、10mならば0.2%の減少という効果になる。