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UCIによってルール違反とされるかどうか、その限界を見極めようとする挑戦が、通称「UCIチャレンジ(東芝的な意味で))」である。通称と書いたが、もちろん勝手に名付けただけだ。
そんなUCIチャレンジに今回挑戦しているのが、英国人選手のDan Bigham。次のツイッターを見て欲しい。
Like for narrower ❤️
— Jacob Tipper ️ (@JacobTipper) April 19, 2021
RT to ban Dan 🚫 pic.twitter.com/4G72Xn25Te
どこがUCIチャレンジなのか?そう、ハンドルである。肉体の対してハンドルが狭すぎる。とんでもない狭小幅だ。
このハンドルを使用しているのは、英国人選手のDan Bigham。英国トラック選手権チャンピオンとトラック競技の世界選手権優勝との輝かしい経歴を持っている。現在は、コンチネンタルチームのRibble Weldtite Pro Cyclingでロードレースにも参戦している。
また本人は技術者でもある。Watt Shopという企業でも働いている。そして上ツイッターのハンドルは、実は彼とWatt Shopが開発中のハンドルの試作版だ。
もともとはコロナ禍のロックダウン中に始めたプロジェクトの1つで、「狭小ハンドルとその形状がどれだけ空気抵抗を減らせるか」という研究のために作ったらしい。
そのハンドルの幅は上部で27cm。フレア形状で広がっている下部でも33cmらしい。
ではこのハンドルで一体どれだけのエアロ効果が得られるのか?
それについては選手の体の形状、ライディングポジションなどなど各種の変数によって左右されて一概には言えないとしつつ、1つの参考値とし、0.004~0.008 m² CdAという範囲で空気抵抗が減ると述べる。CdAとは、Cd(空気抵抗係数)×A(前方投影面積)というものだ。
たとえば、0.004m² CdAの場合ならば時速45kmで走る場合5ワットの節約になることを意味する。それは1kmあたり0.5秒速くなるということでもある。
UCIは4/1から導入した新ルールで危険なライディングポジションのスーパータックやいわゆるTTポジションを禁止した。
しかし彼は、この狭小ハンドルはそのようなUCIの新ルールにも抵触しないと主張する。というのも、このハンドルでも操作性の安定感や安全性は普通のハンドルとほとんど変わらないらしい。
ところで、「!?」となる新ハンドルの話題といえばかつて「【合法?違法?】超エアロな次世代ハンドル「Speeco Aero Breakaway Bar 」が爆誕」という記事で、Speeco Aero Breakaway Barというハンドルを紹介したのを覚えているだろうか。下のインスタを見て欲しい。
このSpeecoのハンドルは今まさにUCIからの承認を待っている最中らしい。ひょっとしたらそのUCIの判断が、この狭小ハンドルの未来にも影響を及ぼすかもしれない。
さてこの狭小ハンドルだが、どうやら今年度中には正式に製品としてリリースする方針のようだ。