アルペシン・フェニックスが今年1回もレースに出られなかったジュリアン・ヴェルモートと契約を延長
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今年一度もレースを走れていなかった選手がいる。アルペシン・フェニックスのジュリアン・ヴェルモート(Julien Vermote)。しかしアルペシン・フェニックスはそんな彼との契約を延長したことを発表。チームのツイッターをどうぞ。
📢 @julienvermote has signed a 1-year contract extension, after what’s been the hardest year in his career.
— Alpecin-Fenix Cycling Team (@AlpecinFenix) December 7, 2021
Vermote had to postpone his debut a few times due to COVID-19 & toxoplasmosis. “I’m grateful to the team for believing in me.”
📲 Read his story: https://t.co/3Q541iyc8t pic.twitter.com/RbqBgkHCxO
ジュリアン・ヴェルモートは現在32歳のベルギー人だが、アルペシン・フェニックスと契約したのは今年の「3月」だ。厳密には3/31から同チームの所属となった。
2020年はCofidisにいたのだが契約の更新はかなわず、移籍先を探すことになった。だが2021年度のシーズンが始まってもなお新チームが見つからいままでずっと宙ぶらりんの状態だった。そこに救いの手を差し伸べたがアルペシン・フェニックスというわけだ。それが今年の3月。
だがそんな喜びもつかの間、次の悲劇が彼を襲った。3月にイタリアで一人でトレーニングキャンプをやり終えた直後に新コロナ感染が判明。さらにその後の血液検査によってトキソプラズマ症という原虫感染症に感染していることもわかったのだ。(参考:人と動物の共通感染症ガイダンス「トキソプラズマ症」)
このトキソプラズマ症については、
生肉や十分加熱しない肉を好んで食べるフランス人は80%以上の感染率
人と動物の共通感染症ガイダンス「トキソプラズマ症」
潜先天性トキソプラズマ症: 重篤な全身症状,精神症状が見られ,重症例の死亡率は約12%である.また回復後,脈絡網膜炎,知的機能障害などが高い確率で起きる.
人と動物の共通感染症ガイダンス「トキソプラズマ症」
後天性トキソプラズマ症:初感染の成人では,発熱や一時的なリンパ腺腫が見られることもあるが,ほとんどの場合無症状である.しかし,免疫不全症の人に感染が起きると.感染時に血虫症になりやすく,頭痛,急性発作,意識障害,知的機能障害,片側麻痺,神経病的欠損,昏睡,脳膿瘍など重篤な症状が認められる.
といった感染病らしい。
トレーニングできないほどの体調の悪化が続き、レースは当然できず時間だけが過ぎ去っていった。そんな日々について本人はとても精神的にきつく、移籍先を探し続けていた期間よりもつらかったと述べている。
そんな彼にとって今回の契約延長はほんとうにありがたいものだと感謝を口にする。
さて問題の体調だが、どうやらこれから始まるチームキャンプには参加できるまでに回復しているらしい。そして来年度へのモチベーションを高くしている。不遇の一年を乗り越えた強さを必ず来年は見られるはずだ。走れる喜びを全身で表現する、そんな活躍を期待したい。