ゲラント・トーマスがアダム・イエーツを称賛する理由
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今年のツール・ド・フランスの意外なことといえば、おそらくイネオスのベテランエース、ゲラント・トーマス(Geraint Thomas)が思ってた以上に健闘しているということだろう。なにせ総合2位のタデイ・ポガチャル(Tadej Pogačar)に次いで3位。しかもポガチャルとの差は少しだ。
近年のグランツールではゲラント・トーマス(以下、G)といえば「落車グセ」という呪いのようなものかかっているイメージが強かったのだが、今年はこのままいけば最後までしっかりと走りきれそうだ。しかも現時点で総合3位ということで、パリでの表彰台が見えつつある。
さらにGの年齢、プロトン全体のレベル向上、若手の台頭などを考えれば正直個人的予想を超えた好走ぶりと言わざるをえない。
そんなGの好走を支えているのが、同じく総合6位につけるチームメイトのアダム・イエーツ(Adam Yates)だ。
情報源:Geraint Thomas praises contract-hunting Adam Yates for Tour de France sacrifice
昨日の第16ステージでも終盤のポガチャルのアタックによって、Gは差をつけられてしまった場面があったが、そこでもアダム・イエーツがアシストとしてGをサポート。結果としてGはポガチャルとヴィンゲゴーに遅れることなくゴールすることに成功している。
そんなイエーツのGへの献身ぶりをGは次のように称賛する。
“He’s out of contract this year and that can always play a different part when it comes to committing to a teammate but he was really committed to me and he was really strong with his pace. That allowed me to close the gap at the top.”
訳「アダム・イエーツとイネオスとの契約は今年までやけど、そういう契約の最終年度は所属チームとの関係ってそれまでとは違った感じになることがあるわけ。でも彼は今日もしっかりとチームのために働いてくれて、力強く自分を助けてくれたわけ。だからポガチャルらとのギャップを埋めることができたんよ」
実際これまでアダム・イエーツについては複数のチームが関心を示し、その中にはイネオスの前に所属していたバイクエクスチェンジも含まれていると言われていた。
しかし最近の情報ではイネオス残留が濃厚との報道も。
今大会のイエーツの献身的な働きも、チームとの契約を更新することを前提としたものかもしれない。チームにとって自分の価値を示すことで契約の内容・条件をより良くするということも考えられる。
Gの表彰台獲得のための最も重要な鍵は実はアダム・イエーツなのかもしれない。
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