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今年の世界選手権男子エリートで独走勝利を果たし新世界王者に輝いたのはベルギーの22歳、レムコ・エヴェネプール(Remco Evenepoel)だった。
そんなレムコの独走はもちろん本人の圧倒的な力が成し遂げたものだが、間接的な要因としてはレース無線が使えない世界選独自のルールもあったとように思われる。
実際、タデイ・ポガチャル(Tadej Pogačar)やマイケル・マシューズ(Michael Matthews)らメインプロトンにいた選手らはみんな「自分がいったい何位争いをしているのか、誰が先行しているのかが全くわかっていなかった。それを知ったのはゴールした後」といった感想を漏らしていた。
プロトンに重要なタイム差を知らせたり、逃げ集団の情報を知らせたりするのはオートバイに載っている専属スタッフだが、UCIはそのスタッフに経験不足があったことを含めて、今回の世界選でのプロトンとのコミュニケーションについて拙い点があったと認める。
情報源:UCI admits time gap communication failings at World Championships
この情報源記事でのインタビューによると、UCI側は表示されたタイムなどの情報そのものに間違いはなかったが、その知らせる方法には拙い部分があったこと、他にも手段を用意すべきだったと考えているようだ。
UCIスポーツディレクターのペーター・ファン・デン・アベーレ(Peter van den Abeele)は、プロトンにタイム差などを知らせるべきスタッフについては今後の世界選では、ツール・ド・フランスなどのグランツールやロンド・ファン・フランデレン・ファンなどの大レースで、そうしたプロトンとのコミュニケーションの経験豊富な人材をオートバイに乗るスタッフとして雇いたいと述べる。
またレース無線の代わりに、たとえばフィードゾーンなどに大型電子掲示板を設置して、レース情報を伝えるなど、レース無線の代替手段を他にも用意するなども検討しているようだ。
ただレース無線そのものを禁止するという方針は維持する。
UCIは2011年に全てのロードレースでレース無線禁止を導入しようとしたが、選手らの強固な反対により失敗。妥協策として世界選とオリンピックだけで禁止という現在の方針となった。
そして無線禁止ということについては、昨年の東京五輪女子ロードレースを思い出す。