今夜の2023ブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージはとんでもないコースの山岳ステージだが、そのレース展開もとんでもないことになった。レムコ・エヴェネプール(Remco Evenepoel)がまだレースの半分も終わっていない時点ですでに失速したのだ。そしてそのライバルの脱落を受けてユンボ・ヴィズマがこの1日をやりたい放題に支配した。
目次
第13ステージのコース
いつもようにこちらのコース紹介記事でどうぞ。
3級→超級オービスク→1級スパンデル→超級ツールマレー!
感想・ハイライト
まだ90kmあるのにレムコが失速!
超級オービスク
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) September 8, 2023
遅れたアルメイダグループの中にレムコ・エヴェネプール(SOQ)の姿も…!
Cycle*2023 ブエルタ・ア・エスパーニャ 第13ステージ
【フォルミガル 〜 コル・デュ・ツールマレー】134.7km
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最初の超級オービスクでなんとレムコ・エヴェネプール(Remco Evenepoel)が失速。スーダル・クイックステップ(SoudalーQuickStep)が総出で周囲を固めてサポートするがユンボ・ヴィズマがペースアップしたメイン集団からどんどん遅れていく。
1級スパンデル
このあとメイン集団は1級山岳のスパンデルでかなり絞られたり、ミケル・ランダ(Mikel Landa)がアタックしてそれにヨナス・ヴィンゲゴー(Jonas Vingegaard)が反応するなど多少の動きが見られたが、レムコが遅れたことは情報としてユンボ・ヴィズマは知っているはずなのに、ユンボはペースアップはせずにむしろいったんペースダウン。
そして後方に遅れていた選手が必死のパッチでその集団においつき、超級ツールマレーに向けて25名弱の先頭集団ができあがる。ただ、UAEのジョアン・アルメイダ(João Almeida)は2分以上(アユソーとソレルは先頭集団)、そしてレムコにいたっては7分以上遅れている。
今日でレムコのブエルタは終わりなのか!
超級ツールマレーでユンボやりたい放題!
ユンボはウィルコ・ケルデルマン(Wilco Kelderman)が長く先頭を牽引していたがそれも終わると、残り8kmでついにツールの王、ヨナス・ヴィンゲゴー(Jonas Vingegaard)が決定的なアタックを決める。

このヴィンゲゴーの動きにセップ・クス(Sepp Kuss)とプリモシュ・ログリッチ(Primož Roglič)は動かず後方待機。これはステージ優勝をヴィンゲゴーに取らせて、かつ総合順位もジャンプアップさせる作戦か?

このあとしばらくしてモビスターのエースのエンリク・マス(Enric Mas)が後方から抜け出そうとするが、セップ・クスがこれをチェック。しかしログリッチは動かず。そして再びクスとログッチらは1つになるが、ヴィンゲゴーはそのまま快走を続けてステージ優勝は間違いない感じ。
ユンボ・ヴィスマの攻撃の多彩さが光ります
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クスとログリッチはついていくだけで有利な展開、明日以降に備えられます
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それにしてもユンボのこれは一体どういう作戦なのか?ひたすらログリッチを温存する作戦なのか?そうだとすればやはりログリッチが本命エース?ユンボはチーム内でこの3人の複雑な方程式をどのように組み立てているのだろう。
そして残り1kmになると今度はセップ・クスが鋭いアタックを決めてヴィンゲゴーを追いかける。

これはおそらくステージ2位を取る動き。ライバルチームのエースらを引き離せるし、ボーナスタイムも得られる。この時点ではログリッチは動かなかったが、少ししてすぐにログリッチも加速する波状攻撃となるが、そのログリッチの動きには他の選手も反応する。
そして最終的にゴールシーンは次のようになった。
ラスト8kmでアタックしたヴィンゲゴーが区間優勝🥇
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総合タイムを稼ぐため抜け出したクスが区間2位🥈
最後まで温存したログリッチが区間3位🥉
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結局激坂のスプリントが得意なラグリッチが他の選手をつきはなして、ヴィンゲゴー、クスに続いて3位ゴール。ユンボの完勝という結果となった。もうやりたい放題である。
(‘A`)「アカン、強すぎる」
こんなユンボの強さとレムコの脱落を見てしまうと、もう今年のブエルタも実質今日で表彰台のメンツが決まってしまったような感じすら覚えてしまう。もちろん次の第14ステージもかなりの難易度の山岳ステージだが、このユンボの3名がそこで失速するイメージが湧かないんだが・・・
もちろん不運な落車やファッ◯ンス◯ムが起こる可能性もあるが、逆にいえばそうした不幸以外はもうユンボを止められそうにない。
あとは結局「ユンボのエースは誰なんだ問題」だけが未解決で残るが、個人的にはセップ・クスがこのまま調子良く走ればユンボとしてはクスに優勝させるだろうと予想している。どうだろう?
レース全体のハイライト動画
結果
ステージトップ10
1 | Jonas Vingegaard | Jumbo-Visma | 1位との差 |
2 | Sepp Kuss | Jumbo-Visma | 0:30 |
3 | Primož Roglič | Jumbo-Visma | 0:33 |
4 | Juan Ayuso | UAE Team Emirates | 0:38 |
5 | Cian Uijtdebroeks | BORA – hansgrohe | ,, |
6 | Enric Mas | Movistar Team | 0:40 |
7 | Mikel Landa | Bahrain – Victorious | 1:15 |
8 | Aleksandr Vlasov | BORA – hansgrohe | 2:12 |
9 | Steff Cras | TotalEnergies | 2:32 |
10 | Marc Soler | UAE Team Emirates | 3:08 |
総合トップ10
1 | Sepp Kuss | Jumbo-Visma | 1位との差 |
2 | Primož Roglič | Jumbo-Visma | 1:37 |
3 | Jonas Vingegaard | Jumbo-Visma | 1:44 |
4 | Juan Ayuso | UAE Team Emirates | 2:37 |
5 | Enric Mas | Movistar Team | 3:06 |
6 | Marc Soler | UAE Team Emirates | 3:10 |
7 | Mikel Landa | Bahrain – Victorious | 4:12 |
8 | Aleksandr Vlasov | BORA – hansgrohe | 5:02 |
9 | Cian Uijtdebroeks | BORA – hansgrohe | 5:30 |
10 | João Almeida | UAE Team Emirates | 8:39 |
各賞ジャージ
マイヨ・ロホ(総合首位) | Sepp Kuss | Jumbo-Visma |
マイヨ・ベルデ(ポイント賞) | Kaden Groves | Alpecin-Deceuninck |
マイヨ・ルナレス・アスーレス(山岳賞) | Jonas Vingegaard | Jumbo-Visma |
マイヨ・ブランコ(新人賞) | Juan Ayuso | UAE-TeamEmirates |
ルフェーブル「何やっとんじゃレムコー!!」(総合争い脱落的な意味で)
アタッカー&クライマー達「何やっとんじゃレムコー!!」(まともに逃してもらえない展開になって)
スプリンター達「何やっとんじゃレムコー!!」(高速な展開になったせいで制限時間が短くなって)
(´;ω;`)レムコがわるいよーレムコがー
マリア・ローザとマイヨ・ジョーヌのお礼にマイヨ・ロホをプレゼントって、何ですかこの神々の遊びは
ほんとにもう完勝というしかないブヒね。
かつてツール最強を誇った全盛期のチームSkyでさえも結局はツールに最適化できただけで他のグランツールあるいはクラシックは全然だっただけに、
このユンボのチームとしての強さはほんと特別と考えられるブヒね。
仮にこのままクスがブエルタを穫れば、来年はクスがジロ総合優勝を狙いそうだけど、でもそうなるとツールでヴィンゲゴーのアシストができないので無理かな?
Skyのフルーム全盛時代は、2017年にツール・ド・フランスとブエルタ、2018年にジロの優勝をさらったので、他のグランツールが全然ということはなかったと思いますが、フルームしかエースがいなかったので、今のユンボのほうが強いのは確かですね。
もちろん、Skyも他のチームならエース級のアシストをずらりと揃えてはいたのですが。
フルームも一人で1シーズン3つのグランツールを勝つのは無理と言っていたような覚えがあります。
あ、たしかにフルームはそうだったブヒね。すっかり忘れていたブヒ。
そしてSkyと今のユンボの決定的な違いはやはりワウト・ファン・アールト(Wout van Aert)の存在ブヒね。
まさに年中すべてのレースで勝てる真の最強チームになっているブヒね。
グランツールのステージで1.2.3フィニッシュって初めて見ました。
えっ?総合も独占!?ここまで強かったとは…。
ほんとこのステージはすごかったブヒね。ユンボファンはもちろんそうでなくても「うああああ」という声が最後に出たと思うブヒ。
このままユンボは最終日表彰台も1,2,3とやってしまうのか・・・