Wiggleが正式に再生手続の管理命令下へ移行したことを発表

ここ数日世界を駆け巡った大ニュースといえば、「Wiggleに破産の可能性。親会社シグマスポーツの危機に巻き込まれる」だ。その話題の中心であったWiggleから正式にアドミニストレーションという法的手続きに入ったことが発表された。次の公式ページを見てほしい。

Wiggle公式：Wiggle, in administration – Information

英国のアドミニストレーション（会社管理手続）は、債権者などへの支払いが不能またはかなり困難な状態にある企業を救済する手続きだ。

日本の法律でも破産法と民事再生法（会社更生法は最近あまり使われない）というように別個の法律がある。法的にいえば会社財産を清算して会社を解散・消滅させる破産と、事業を継続させることで債権者への支払いを可能にする（債権者は債権の回収を大部分諦めることとなることが普通）再生は法制度・手続としては別だ。

しかし実は日本の法律（法学）は、破産手続と事業継続を目指す再生手続をひっくるめて倒産手続、あるいは倒産法というジャンルとして扱うことになっている。そのため法的には事業継続の場合も倒産手続に入ると言う。この点、世間では倒産＝破産・清算という感じだが、ちょっと世間で使う言葉とはズレがある。

そして今回のアドミニストレーションは事業を継続させることを最優先とする手続だ。そのためすぐに破産・倒産というわけではない。あくまで事業の継続が第一に講じられ、それが客観的・現実的に無理だとなった場合に次に別の救済策が講じられる。それでもダメな場合に最終的に会社が清算・解散という流れとなる。記事タイトルで破産・倒産という言葉を使わず再生という言葉を使ったのはそういう観点からだ。

よってWiggleはまず事業の継続を目指す方向となる。そのためにアドミニストレーター（管理人）が任命されている。基本的にはこの管理人が会社の代わりに様々な権限を有することとなり、会社が管理人の承諾を得ずに行った行為は無効などとなる。

実際に上の公式発表でも、Wiggleはこれまでどおりに事業を行うことが明記されている。受けた注文は全てこれまでの取引と変わることなく普通に処理され、発送されると書かれている。