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2024ツール・ド・フランス第19ステージのヨナス・ヴィンゲゴー

ゲームオーバー・・・2024 ツール・ド・フランス第19ステージのレビュー、結果、ハイライト動画

ついにゲームオーバーか。2024ツール・ド・フランス第19ステージの結果とハイライト動画

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ついに2024 ツール・ド・フランスの最難関ステージ(クイーンステージ)、そして天王山となる第19ステージ。アルプスの超級山岳が2つ、それから1級山岳を登っての有名なスキーリゾート地ISOLA2000にゴールする。

第19ステージのコース

いつものようにこちらでコースのチェックと優勝予想をどうぞ。

感想・ハイライト

ヴィズマが全てを賭けて逃げに2名!

ヴィズマはヨナス・ヴィンゲゴーの総合逆転優勝のために今日に全てを賭けてきたのだと思う。逃げに2名を送り込んだからだ。マッテオ・ヨルゲンソンとウィルコ・ケルデルマンだ。

これはステージ優勝というよりは、おそらくヨナス・ヴィンゲゴーのためのいわゆる「前待ち」作戦の布石だろう。もしヴィンゲゴーがダメだった場合はそのままステージ優勝狙いに切り替えるという狙いもあったのかもしれない。

これをやるとヴィンゲゴーのための途中のアシストが2名減るわけだが、そのリスクも顧みずヴィズマは今日に全てを賭けたと言えるのではないか。

カラパスと山岳賞

まず最初の超級山岳のCol de Varsをカラパスが先頭通過で20ポイントを獲得し、これで合計57ポイント。この時点でポガチャルとの差が20ポイント差に。

そして山岳ポイントが倍になる次の超級Cime de la Bonette。

これもカラパスが予定どおりに1位通過で40ポイント獲得。これで合計97ポイント。ここで山岳賞首位だったポガチャルの77ポイントを抜きさりトップに躍り出る。あとはステージ優勝も叶えられれば、さらに山岳ポイントを稼ぎ、ポガチャルとの差を広げられる。

ISOLA 2000

逃げはマッテオ・ヨルゲンソン、ウィルコ・ケルデルマン、リチャル・カラパス、そしてサイモン・イエーツ。このうちカラパスとイエーツは前日もステージ優勝争いをタイマンで繰り広げていた。その第18ステージではサイモンはカラパスにしてやられたわけだが、今日はサイモンのリベンジなるか?

と思っていたら、なんとここでヨルゲンソンがアタック。

これはヴィズマがヨルゲンソンでステージ優勝を、ケルデルマンでヴィンゲゴーのアシストを、という作戦だろうか。それとも最初からヴィンゲゴーの調子が悪いということだったのだろうか。

最後の希望を砕く男

UAEの山岳トレイン、アダム・イエーツとジョアン・アルメイダが逃げとの差をつめていき、残り9kmでヨルゲンソンと差が3分以内。

そして残り8.7kmとなったところでポガチャルが攻撃に出た。

🐷「アカン・・・強すぎる」

今年何度このセリフをつぶやいたのかわからないぐらい、もはやポガチャルの独壇場である。今シーズンはポガチャルのためのシーズンとなるのか。

レムコとヴィンゲゴーを突き放したポガチャルはその勢いのまま、異次元の速さで1級山岳を登っていく。そこからステージ優勝を狙う山岳ロングスプリントか!?ヨルゲンソンとの差は最初は3分近くあったはずだが、見る見るうちにタイム差が縮小していく・・・

🐷「こんなん絶対おかしいわ」

2024ツール・ド・フランス第19ステージ

そんなポガチャルの最初の犠牲となったのはリチャル・カラパス。

2024ツール・ド・フランス第19ステージ

続いて、カラパスから先行していたサイモン・イエーツが2番目の犠牲者に。

🐷「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」

そしてヨルゲンソンもついにポガチャルの餌食となってしまう。

ヨルゲンソン「ヴィンゲゴーを待っていたらポガチャルが来たでござる」

ポガチャルはチーム・ヴィズマ・リースアバイクの作戦を全て粉砕。ステージ優勝もかっさらい、ヴィンゲゴーの逆転優勝という願いも粉砕。

まさに悪魔的な強さである。大悪魔ポガチャル。もしかして次の第20ステージも悪魔的な走りをするつもりだろうか?

ここ2年はヴィンゲゴーに優勝を奪われていたポガチャルだが、昨年は怪我で準備不足だったのはほぼ確実だろう。そして一昨年もひょっとしたらある意味で準備不足だったのかもしれない。本気でツール総合優勝に向けた準備はしていなかったのかも。ある意味舐めプだったのかもしれない。

しかし今年のポガチャルは総合優勝を狙うエースらしい準備をしっかりとしてきた。これが本気のポガチャルの強さなのか。

今大会の第11ステージでヴィンゲゴーがステージ優勝したとき、海外メディアでは「ヴィンゲゴーはこれからどんどん調子があがっていくが、ポガチャルは今まで以上に調子があがることはないだろう」という考えもあり、ポガチャルは不利になるのではないかも言われていたが、現実にはポガチャルにはさらに上があったわけだ。フリーザかよ。

ゴール後のヴィンゲゴー

レムコとともにゴールした直後にヴィンゲゴーは奥さんに抱かれる。今日で三連覇の夢が実質的に絶望的になったことの悲しみ、そしてこの日の自分の走りについて様々な感情が溢れて出たのだろう。こんなヴィンゲゴーの姿を見るのは初めてではないだろうか。

そして今日気なったのは、これまでならポガチャルのアタックに真っ先に反応してついていっていたヴィンゲゴーが、この日は瞬間的な反応ができずレムコといっしょに走ることを選んだ(選ばざるを得なかった?)ことだ。

ヴィンゲゴーのこれまでとは異なるその動きを考えると、やはりもうヴィンゲゴーは体が限界なのかもしれない。もしかしたらヴィズマはそんなヴィンゲゴーの状態をスタート前から把握していたのかも。だからこそヴィズマはヨルゲンソンとケルデルマンを使った大胆な作戦に出たのか?起死回生を狙ったというよりはもはや捨て身の作戦だったのかもしれない。

ヴィンゲゴーは大怪我からツールに間に合い、そして大会中に本人は最高の状態に戻ったと言っていたわけだが、それでも3週間のグランツールでは自分の体がいつどうなるかはわからないとよく言われる。それはこういうことだったのか。

第11ステージの前後でベストコンディションになったがゆえに、逆に肉体に負担・疲労が蓄積されていっていたのかも。調子良く走っていたと思ったら実は知らず知らずのうちに・・・みたいな。昨年と同じくしっかりツールの準備ができていれば、そんなことはなかったかもしれない。これがグランツールの難しさであり怖さなのか。ヴィンゲゴーやポガチャルですら少し準備が足りないだけで暗い穴にハマってしまう。それがグランツール。

レース全体のハイライト動画

結果

ステージトップ10

1Tadej Pogačar UAE Team Emirates1位との差
2Matteo Jorgenson Team Visma | Lease a Bike0:21
3Simon Yates Team Jayco AlUla0:40
4Richard Carapaz EF Education – EasyPost1:11
5Remco Evenepoel Soudal Quick-Step1:42
6Jonas Vingegaard Team Visma | Lease a Bike,,
7João Almeida UAE Team Emirates2:00
8Mikel Landa Soudal Quick-Step,,
9Wilco Kelderman Team Visma | Lease a Bike2:52
10Derek Gee Israel – Premier Tech3:27

総合トップ10

1Tadej Pogačar UAE Team Emirates1位との差
2Jonas Vingegaard Team Visma | Lease a Bike5:03
3Remco Evenepoel Soudal Quick-Step7:01
4João Almeida UAE Team Emirates15:07
5Mikel Landa Soudal Quick-Step15:34
6Carlos Rodríguez INEOS Grenadiers17:36
7Adam Yates UAE Team Emirates19:18
8Derek Gee Israel – Premier Tech21:52
9Matteo Jorgenson Team Visma | Lease a Bike22:43
10Giulio Ciccone Lidl – Trek22:46

各賞1位

総合1位Tadej Pogačar(UAE-TeamEmirates)
ポイント賞1位Biniam Girmay Hail(Intermarché-Wanty)
山岳賞1位Richard Carapaz(EF Education-EasyPost)
新人賞1位Remco Evenepoel(SoudalーQuickStep)
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6 Comments

  1. ポガチャル「完☆全☆勝☆利」
    ヴィンゲゴー&ヨルゲンソン「参りました(白旗)」

    カラパス「今日も逃げなアカン……。」

    クス「やっぱ俺いないと駄目だったか………。」

    • 今年はヴィズマが全然というのもあるけど、ポガチャル自身が冬季のトレーニングをこれまでとは違うものにしたり、のんびり調整したりしたのがうまい具合にハマったのもあるブヒね。

  2. しかしまぁポガちゃんの走りは嘆息しか出てきませんね。
    昨年に比べ腰回り・太ももがひと回り大きくなったように見えるんですが、瞬間的なパワーに持続力が加わった印象です。
    ヴィンゲゴーは3週目に入って体力が枯渇してきたかのようです。
    レース途中から(あるいはスタート前からか?)総合2位死守に切り替えた感じですね。

    • もともとヴィンゲゴーのほうが体重軽いわけだけど、ポガチャルは第17ステージあたりの山岳でヴィンゲゴーより30W高い数値で走ってたりというのもあったようで、ひょっとしたら昨年より平均パワーを増強することに成功してたのかも。

      ヴィンゲゴーはベストコンディションに戻ったのは間違いないと思うけど、それをずっとキープするための準備?がやはり足りなかったようブヒね。

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