ワウトがポガチャルを撃墜！2025ツール閉幕！2025ツール・ド・フランス第21ステージはワウト・ファン・アールトがステージ優勝。Vismaが最後にポガチャルに一矢報いる

終わってみれば2025ツール・ド・フランスもタデイ・ポガチャルの完勝だった。しかもステージ4勝、ステージ2位4回、ステージ3位1回という結果も出して、全21ステージ中9ステージでトップ3に入った。

ポガチャルはこれで4度目のツール・ド・フランス総合優勝となり、記録上はクリス・フルームに並んだ。来年のツールで仮に5度目の総合優勝となれば、エディ・メルクスらの「5勝クラブ」に入ることとなる。もちろん再来年は史上最多記録更新の期待がかかる。

さてツール最終日は毎年恒例のパレードランから祝賀ムードでスタートだ。だがしかしコースは毎年恒例のシャンゼリゼのコースではなく、パリ五輪で使われたモンマルトルの丘を3回登る特別なコースとなっている。

そんな第21ステージの結果とハイライトを。

第21ステージのコース

レース展開ハイライトとレビュー

1回目のモンマルトルでプロトンが分断！

パリのシャンゼリゼに到着したプロトンはいよいよ本日のステージ優勝争いが本格化。モンマルトルの丘を3回登るわけだが、まずはその1回目に向けて、残り40数キロからプロトンが高速化。

Tudor Pro Cycling Teamがトレインを組み集団先頭へ、そしてモンマルトルに突入。まるで世界選手権かオリンピックかと思わせるような大観衆がつめかけた登りで大きな動きが出た。

Tudorトレインからモンマルトルでジュリアン・アラフィリップがアタック！これについていくのはLottoのエース、アルノー・デ・リー。その後からタデイ・ポガチャルも追いかけてくる。だがリポヴィッツやヴィンゲゴーは後方の集団だ。ポガチャルは今日もステージ優勝する気満々か。

この動きでプロトンが分断される。ピュアスプリンターはカーデン・グローブスが先頭集団か。ジョナタン・ミランは追走集団。

この日の厄介なところは石畳のシャンゼリゼは雨だということだ。濡れた石畳は滑りやすくなっており、危険度が高い。細心のコーナリングが必要となる。

2回目のモンマルトルでポガチャルがアタック！

モンマルトルも石畳の登りのため、まるでその場面だけを見ればポガチャル、アラフィリプ、ワウト・ファン・アールトたちもいるためロンド・ファン・フランデレンのように見える。もちろんロンドの激坂のほどのきつさはないのだが。

そして2回目のモンマルトルはVismaのヴィクトール・カンペナールツが先頭。その背中にはマッテオ・ジョーゲンソン、さらに後方にはワウト・ファン・アールトも。Vismaが3人を先頭集団に入れている。

ポガチャルがアタック！

このポガチャルのアタックで先頭集団も崩壊。ポガチャルについていけたのはダヴィデ・バッレリーニ、ワウト・ファン・アールト、マテイ・モホリッチ、マッテオ・トレンティン、マッテオ・ジョーゲンソン。

その後方25秒差で、パレパントル兄弟、ビニアム・ギルマイ、アルノー・デ・リー、ケヴィン・ヴォークラン、ジュリアン・アラフィリップ、ヤスペル・ストゥイヴェン、カーデン・グローブスなど20名ほどの集団。

最後のモンマルトルでワウトがポガチャルを撃墜！

最後のモンマルトルにはポガチャル先頭で突入。ここからポガチャルがガンガン踏んでいく、やはり本気でステージ優勝を狙うつもりだ。

だが登りの終盤で、それまでポガチャルの背後にいたワウト・ファン・アールトが一気に加速！あのポガチャルを登りでひきちぎる！

斜度がロンド・ファン・フランデレンほどではないとはいえ、そしてずっと山岳でヴィンゲゴーとやりあってきたポガチャルだったとしても、ワウトのここまでの強さは今大会初めてかもしれない。ポガチャルは残り40kmから自分で動きすぎたというのもあるか。

ポガチャルは彼以外の総合上位勢は雨ということもあってか誰も逃げに乗ろうとせず、しかも総合優勝が決まっているにもかかわらずアタックをかけて逃げ、まるで世界選手権やモニュメントのように勝利を狙いにいったという、まさにポガチャルでしかできないありえないレースを見せてくれた。

雨に濡れた石畳となったため、ワウトを追う集団も無理にはコーナーを攻めたりはできなかったのもありワウトはこのまま独走でゴール。Vismaが最終日にようやくタデイ・ポガチャルに一矢報いる結果となった。

レース全体のハイライト動画

結果

ステージトップ10

1	Wout van Aert	Team Visma | Lease a Bike	1位との差
2	Davide Ballerini	XDS Astana Team	0:19
3	Matej Mohorič	Bahrain – Victorious	,,
4	Tadej Pogačar	UAE Team Emirates – XRG	,,
5	Matteo Jorgenson	Team Visma | Lease a Bike	0:26
6	Matteo Trentin	Tudor Pro Cycling Team	0:38
7	Arnaud De Lie	Lotto	1:14
8	Kévin Vauquelin	Arkéa – B&B Hotels	,,
9	Mike Teunissen	XDS Astana Team	,,
10	Dylan Teuns	Cofidis	,,

最終総合トップ10

1	Pogačar Tadej	UAE Team Emirates – XRG	1位との差
2	Jonas Vingegaard	Team Visma | Lease a Bike	4:24
3	Florian Lipowitz	Red Bull – BORA – hansgrohe	11:00
4	Oscar Onley	Team Picnic PostNL	12:12
5	Felix Gall	Decathlon AG2R La Mondiale Team	17:12
6	Tobias Halland Johannessen	Uno-X Mobility	20:14
7	Kévin Vauquelin	Arkéa – B&B Hotels	22:35
8	Primož Roglič	Red Bull – BORA – hansgrohe	25:30
9	Ben Healy	EF Education – EasyPost	28:02
10	Jordan Jegat	Team TotalEnergies	32:42

最終各賞1位

総合1位	Tadej Pogačar（UAE Team Emirates – XRG）
ポイント賞1位	Jonathan Milan（Lidl-Trek）
山岳賞1位	Tadej Pogačar（UAE Team Emirates – XRG）
新人賞1位	Florian Lipowitz（Red Bull – BORA – hansgrohe）