
ENVEからポガチャルのホイール「SES 6.7 PRO」が登場。フックありで、より高圧に対応
ENVE SES 6.7 PRO発表。UCI新規則対応の59/65mmフックドリム、価格は
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ENVEがロードレース用新型ディープカーボンホイール「SES 6.7 PRO」を発表した。
フロント59mm、リア65mmという前後異形のリムを採用し、2026年から適用された最新のUCIのルールに対応。28mmタイヤを基準に空力性能を最適化し、新型INNERDRIVE PROハブとセラミックベアリングを組み合わせる。
公称重量はバルブとリムテープを含めて1,495g。日本での価格は前後セットで¥710,600 (税込)となる。
このホイールはみんなが知っているように、すでに今シーズンにタデイ・ポガチャルも使っているもので、チームとして10勝を超えるワールドツアー勝利を記録している。
まずその新型ホイールのスペックを紹介する。
SES 6.7 PROのスペック
ENVE日本公式サイト:SES6.7 PROに記載されているスペックの一部を紹介すると次のようになる。
| 項目 | フロント | リア |
|---|---|---|
| リムハイト | 59mm | 65mm |
| リム内幅 | 22.5mm | 22.5mm |
| ビード | フックあり | フックあり |
| リム重量 | 462g | 478g |
| ホイール重量 | 690g | 805g |
| ホール数 | 24H | 24H |
| ハブ | ENVE INNERDRIVE PRO | ENVE INNERDRIVE PRO |
| ハブ規格 | 12 × 100mm | 12 × 142mm |
| スポーク | Alpina Ultralite OH TCX | Alpina Ultralite OH TCX |
| スポーク長 | 268mm DS / 266mm NDS | 259mm DS / 262mm NDS |
| ニップル | Alpina Alloy Internal Nylock | Alpina Alloy Internal Nylock |
| チューブレスバルブ長 | 80mm | 85mm |
| ホイールセット重量 | 1,495g ±3%(テープ・バルブ込み) |
| 空力最適化タイヤ幅 | 28mm(ENVE SES Road 27c) |
| 最大空気圧 | 100psi / 7bar |
| 対応フリーハブ | Shimano HG / SRAM XDR / Campagnolo N3W |
| 価格 | ¥710,600 (税込) |
2026年のUCI新規則に合わせて設計を刷新、UAE Team Emirates – XRGも開発に協力
SES 6.7 PROが開発された直接的なきっかけは2026年から施行されたUCIのリムハイトに関する新規則だ。そしてその開発にはUAE Team Emirates – XRGも協力した。
ENVEは従来のSES 6.7を部分的に変更するのではなく、フロントとリアのリム形状を最初から設計し直した。従来モデルのリムハイトはフロント60mm、リア66mmだったが、新型では59mmと65mmへ変更されている。
わずか1mmの違いに見えるものの、単にリムを低くしただけではない。CFD解析、風洞実験、フレーム装着状態での試験、屋外走行を組み合わせ、新しい規則の範囲内で空力性能を再構築したホイールとなる。
ENVEは空力専門家のサイモン・スマートと2009年から共同開発を続けており、SESシリーズでは前後のホイールを別々に設計する手法を採用している。
前輪59mm、後輪65mmとした理由は?
SES 6.7 PROでは、フロントとリアに異なるリム形状とハイトが与えられている。
前輪は横風を受けた際のハンドリングや操舵安定性に与える影響が大きい。このためフロントを59mmに抑え、空力性能と扱いやすさのバランスを図った。
一方、リアは横風によるハンドリングへの影響が比較的小さいため65mmまで深くすることで空気抵抗の低減を狙う。
前後を同じ形状にするのではなく、それぞれの役割に合わせて最適化するのがENVEの考え方でもあり、近年のロードバイクホイールの技術トレンドの1つと言える。
28mmタイヤを基準に空力性能を追求
リム内幅は22.5mmで空力設計の基準となるタイヤ幅は28mm。
近年は23~25mmの内幅を採用するワイドリムも増えているが、ENVEはタイヤのボリュームを最大化するよりタイヤとリムの空力的なつながりを優先した。
ENVEが時速55kmで実施した試験では、実測27.1mmのタイヤを装着した場合の平均空気抵抗は75.3Wだった。実測29.4mmでは75.7W、32.3mmでは78.1W、35.1mmでは87.6Wまで増加したという。
この結果からも、SES 6.7 PROは幅広タイヤを装着するオールロード用ホイールではなく、28mm前後のロードタイヤで高速走行することに焦点を当てた製品といえる。
ただし上のデータはENVEによる自社試験の数値であり、異なるタイヤ、フレーム、走行条件で同じ結果になるとは限らない。
ENVEのリムにフック構造が復活
SES 6.7 PROの重要な変更点が、タイヤビードを保持するフックを備えた「フックドリム」の採用だ。
SES 4.5などのフックレスモデルとは異なり、SES 6.7 PROは従来型のビードフックを備える。
ただしクリンチャータイヤ全般に対応するわけではなく、使用できるのはチューブレス対応タイヤのみとなる。
フックを設けた最大の利点は、許容空気圧を高められることだ。SES 4.5の最大空気圧が72.5psi/5barであるのに対し、SES 6.7 PROは100psi/7barまで対応する。
28mmタイヤで100psiを必要とするライダーは多くないが、体重、路面状況、タイヤによって空気圧を広く設定できる。また、ロード用フックレスリムで続いているタイヤ互換性への懸念を軽減する狙いもある。
INNERDRIVE PROハブで60g軽量化
ハブには、新開発のENVE INNERDRIVE PROを採用する。
従来のPremium INNERDRIVEハブと比較して60g軽く、ハブシェルだけでなく、ラチェット径や駆動機構の構造も見直された。
40枚歯のPROラチェットと新しい低荷重スプリングによって、確実なかみ合わせを維持しながら回転抵抗の低減を図っている。
ベアリングにはグレード5のセラミックボール、硬化ステンレス製レース、ポリアミド製ケージを組み合わせたENVE PRO Ceramic Bearingsを搭載。その外側には防水・防塵性を考慮した低接触シール、内側には抵抗を抑える非接触シールを採用。
セラミックベアリングには、メーカーによる5年間の保証が付属する。
ENVEの試験ではUCI適合スポークホイール最速
ENVEはSES 6.7 PROを同社史上最速のUCI規則適合ホイールと位置付けている。
ENVE Meleeに装着して時速48kmで実施した比較試験では、旧型SES 6.7、Roval Rapide CLX II、Vision Metron 60 SL、Bontrager Aeolus RSL 51、Zipp 454などを上回り、通常のスポークホイールでは最も低い空気抵抗を記録したとアピールする。
今回の新しいSES 6.7 PROはSES 6.7よりリムが1mm低いにもかかわらず空力性能では上回った。リムハイトの深さだけでなく、断面形状とタイヤとの組み合わせが重要であることを示す結果だ。
比較テストでSES 6.7 PROより速かったのは、SES 100 PROフロントホイールとリアディスクホイールの組み合わせだけだった。ただし、これらはタイムトライアルに近い特殊な構成であり、通常のロードレース用ホイールとは用途が異なる。














