Enveから新システム「INNERDRIVE™ System 」を使った新型ハブが登場
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昨年はタデイ・ポガチャル(Tadej Pogačar)擁するチームUAEにホイールなどを提供していたEnve。いうまでもなく高性能・高級カーボンホイールブランドとして人気のブランドだ。
そして今年からはピーター・サガン(Peter Sagan)がいなくなったProTeamのトタルエネルジーズにバイク本体を提供し、プロレース界での存在感をより大きなものにしようと目論む。
そんなEnveから新しい技術「INNERDRIVE™ System(インナードライブ・システム)」を使った新型のハブが発表された。
情報源:New Enve Straight Pull Hubs Drop Weight, Add Massive Innerdrive Ratchets
Enve INNERDRIVE™ Systemとは?
Enve公式サイト:ENVE INNERDRIVE SYSTEM
この新システム「INNERDRIVE™ System」を導入した新型ハブは実は昨年までチームUAEの選手によってワールドツアーレースでずっとテストされていたようだ。そこで完成度などが証明され、一般向け市場にも正式デビューとなった。
これまでのEnveのプレミアム・ハブシリーズはMavic ID360を使い、そしてラチェットの内部構造そのものはDT SWISSとほぼ同じようなものだった(最近DT SWISSのその特許が切れた?)。そうした既存のプレミアム・ハブも耐久性・信頼性ともに高く、そしてメンテナンスもしやすいものだったようだ。
一方で今回の新技術のINNERDRIVE™ SystemはEnveがその内部で独自に開発によるも。これまでのシステムとの違いは次の画像(上公式サイトから)を見てほしい。
既存のものとはかなり構造が変わっていることがわかる。ベアリングなどを1つのシェル内にまとめる構造といる。
これはPerfect Preload™(パーフェイクと・プリロード)と呼ばれる設計で、工場出荷時点ですでにハブの調整が最適化されている状態にすることが可能となるらしい。また、ベアリングの駆動効率の向上、ベアリングやハブ全体の寿命の長期化といった効果もある。
さらに上画像の「Wave」というワッシャー?のようなものが、ハブ全体の一体感を強め、ハブの「遊び」を減少させるよう働くため、ハブ全体としても駆動ロスが少なくなる。
加えて、このような構造にしたことでスプロケカセットなどを外したときも部品がなくなりにくくなるというメンテナンス時の作業効率アップも図られている。
ラチェットの詳しい構造などは公式サイトを見てほしい。
その他の情報
- 最大3.6度のかみ合わせ角度
- これまでのJ-bend型スポークではなく、Premium Straight Pull(プレミアム・ストレート・プル)スポークを採用
- 既存のハブよりも60gの軽量化。前後ペアで316g。
- Mavic ID360を使っていた既存のハブと比べて、剛性も8~10%向上
- Shimano HG、SRAM XDR、Campagnolo N3W、Shimano Microsplineで使用可能
- すでにEnveの全SESシリーズやGシリーズのホイールに搭載ずみ(価格は変わらない)
ライセンス販売も
またEnveはこのINNERDRIVE™ Systemをライセンスとして販売するようで、他のブランドのホイールでもEnveにライセンス料を払えばこの新技術を使ったホイールを販売できるようだ。