Raphaが陥った罠:B2BからB2Cへのビジネスモデルの転換とセール依存

情報源:Rapha boss explains how brand is reducing reliance on discounts

ロードバイクウェア業界に革命を起こした英国ブランドRapha。しかし、先月 企業の会計情報を管理する英国の政府機関から公開された資料によると、2019年1月27日までの2018年度会計は、£3040万(約43億円)の営業損失となった。

なお営業損失は、会計学上は本業における損失であって、本業以外の部分(投資とか不動産とか)で稼いでいれば、営業損失がどうであろうと最終的に赤字になるとは限らない。

しかし、その企業の本質たる本業がアカンわけやから、営業損失が大きな企業の経営陣はその本業を立て直すか、本業そのものを捨てる(撤退する)かの判断をせなあかん。

同時に投資家(株主)にとってもその企業の本業の将来性を判断するための重要な指標となる。会社の四季報ではまず営業損益に注目しなければならない。


なぜRaphaはセールに依存するようになってしまったのか?




2つの罠!B2Cビジネスへの傾倒とブランドの急成長



Raphaは創設当初から自社WEBサイトでの直販を行ってきた。だが同時に各国の契約ショップにもウェアを卸していた。前者のように消費者を直接相手にするのが、Business to Consumer。通称B2C。一方、後者のように企業を相手にするのが、Business to Business。通称B2B。Raphaはこれらの両方を創設時からやってきたわけ。

しかし現在では、同社の本業は基本的に97%(CEO談)はB2Cが締めている。

いわばB2BからB2Cへと一気に傾倒していった、ビジネスモデルをB2Cへ転換させたといえる。だが、この転換に大きな罠があった。

B2Bにおいては、基本的にセールをするかどうかは卸先の小売店が決めることであって、乱暴にいうと、Raphaとすればその小売店に売れればそれでいいわけ。小売店に商品を売ったら、はいおしまい。あとは知らんというわけ。乱暴にいえばね。

実際は小売現場との信頼関係の醸成も重要やし、販売データで将来の売れ筋とかも予想せなアカンからデータも欲しいし、現場の声も欲しいから、二人三脚やけどね。

小売店側がどんなに損しようが在庫を積み上げようが知ったこっちゃない。

つまり小売の現場での在庫の管理、売上予測、セールの企画などの手間を省ける。しかし、B2Cではそれらを全て自分たちの責任で扱わなくてはならない。

このビジネスモデルの転換と同時にもう1つの罠がRaphaを襲った。それはブランドの急成長。やはり大きな転機はチームSkyへのウェア供給やと思う。一気に同社の知名度とブランド力が世間に広まったはず。

それによって売上がどんどん伸びていった。大きな成長率を見せた。だがこれが罠やった。

商売してる人はわかると思うけど、今年2倍売れたからといって、来年2倍売れるとは限らへんわけやね。来年はしょせん来年。今年は今年。それはそれ、これはこれ。売上予測の難しさよ。

今年2倍売れたからといって来年に向けて2倍生産すると、どうなるか?まず売れないわけ。そして在庫だけが増える。

セール依存へ



そうして売上予測がハズれて在庫の山が積みあがる。また消費者の選択肢を増やして魅力的にするために、同じ商品でも色違いやサイズ違い、さらには様々なバリエーションの商品数も増やした。

しかし、だからといって売上が倍になるわけじゃない。作ったら作った分だけ売れるのはあくまで一瞬だけ。タピオカと同じ。そろそろタピオカも終了か?来年もタピオカドリンクショップが今の場所にあるかな?

そんな在庫の山を捌くためにセールを乱発。在庫を保管するための倉庫代なり、人員の確保とか在庫持ってるだけで恒常的にかかるコストもあるからね。

在庫の税金の処理はどうなるんやったっけ。英国の会計の準則がわからんけど、一般論として在庫もっててええことはないからね。

ようするに、企業としての急成長と売上予測が上手く両立できていなかったわけやね。もともとが小規模な企業から始まってるわけやから、いきなりの成長になにもかもが追いついていなかったのが実情やったようやね。自転車操業とは違うけど、ひたすらペダルを回し続けてた感じのもよう。その分析もロクにせずに。

そしてセールに依存するようになっていった。

そして改革へ・・・



例年より短縮された2019年度のブラックフライデー



セールを乱発すれば、消費者としては「通常価格で買うのはアホらし。どうせすぐセールになるんやろ」となってしまう。企業も客もセール慣れ・セール中毒になってしまう。

それはブランドイメージを損なうし、健全な営業とはいえへん。そこでこれまでも書いてきたように、ウォルマートの孫たちの資金も経て、ブランド戦略や販売の改革に乗り出し、今はその途上にある。しかし、CEO曰く、「ええ感じに進んでる」とのこと。

その1つの具体的な証拠が今年、この前までやってたRaphaのブラックフライデーセール。実は、例年よりもその期間が短かった。それも上述のようなセール依存から脱却するため。



一時的に売上は落ちるやろうけど、健全にブランドを育てていくためには長期的な視野のほうを重視しようというわけやね。

こんな内容・趣旨のことが情報源には書いてある。

Wiggleでクリスマスセールが開催中。追加で10%OFFになる割引クーポンコード「JPWINTER10」も登場。

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