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この日曜日に開催されるシーズン最強?最凶?のロードレース、地獄のパリ〜ルーベ。だが、今年はその「凶度」が例年より低くなるかもしれない。主催者側であるASOが、アランベール/アーレンベルグ(Arenberg)での落車リスクを減らそうと考えているらしいのだ。決定した。
情報源:Riders ask for Paris-Roubaix chicanes to slow sprint into Forest of Arenberg
毎年、パリ〜ルーベの象徴ともいえる前半の最難関(星5つ)石畳がアランベール/アーレンベルグ。最凶の区間ではあり、昨年はそこで落車やトラブルが続発して大混乱となった。しかし実際には特に大きな混乱もなく通り抜ける年もわりと多いし、また、前半で登場するのでそこでのトラブルが致命的な遅れになることはいうほど多くない。もちろんトラブルの程度や運にもよるが。
だがそれでも最高の凶悪度を誇るだけに、落車した場合のリスクはかなり大きい。そしてプロトンはその凶悪区間をより低リスクな位置、すなわち先頭付近でクリアしようとしてプロトンのポジション争いが同区間を前に本格化する。そしてプロトン全体がハイスピードでアランベール/アーレンベルグに突入することになる。それがまた落車のリスクを増やすことにもつながっている。
ところがフランスのL’Equipe紙によると、プロ選手組合CPA(Cyclistes Professionnels Associés:会長アダム・ハンセン)が、レースディレクターに対してアランベールに突入する前にプロトンの速度を減少させるような措置を講じてほしいと要請したようだ。
主催者のASO側はそのためのアイデアの1つとして、同区間前のシケインを増やすことを検討しているもよう決定したもよう。なるほど、コーナーが増えればプロトンの速度を落とすことが可能だろう。例年プロトンは時速60キロほどでアランベールにつっこむわけだが、それを時速30〜35kmにさせたいようだ。
ただ速度が遅くなればすぐに安全というわけではなく、石畳は高速で駆け抜けるほうが実は走りやすいらしく、低速だと逆に石畳を走るのが難しくなる。単純に速度を落とせばリスクや難易度が下がるといえば現実にはそれほど単純な話ではないだろう。
なお、パリ〜ルーベの平均時速は近年著しい上昇を続けているらしい。過去6年間で3回も平均時速を更新している。ちなみに昨年の2023パリ〜ルーベの平均時速は46.84キロ。2022年度の平均時速を1km以上も上回った。その要因の1つはやはり機材の進歩といえるだろう。特にタイヤなどの性能とエアロ性能の向上だろう。
【追記】実際にどんなルートでどんな感じでアランベール/アーレンベルグに進入するかは次の動画を見て欲しい。
Chicane just before the start of Trouee d'Arenberg 🪨 sector. #ParisRoubaixpic.twitter.com/IIerqrGhnc
— ammattipyöräily (@ammattipyoraily) April 3, 2024