レビュー
Rapha








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奇跡の神回!2025ジロ・デ・イタリア第20ステージは、サイモン・イエーツが劇的な大逆転でマリア・ローザを奪取。ステージ優勝は30km独走のクリス・ハーパー。
2025ジロ・デ・イタリアはついに実質的に総合優勝が確定する第20ステージ。だがその第20ステージは歴史に、そして記憶に残る伝説的な大逆転劇となった。こんな結末を誰が予想したか。
まさに大興奮と胸熱のリベンジとなった奇跡の神回。そんな第20ステージのレビュー、結果、ハイライト動画を。
目次
このコースプロフィールと当たらない優勝予想は「今夜の2025ジロ第20ステージのコースプレビューと優勝予想」で。

やはりこの日も連日の大人数の逃げが形成。そしてプロトンは8分差を容認してレースが進む。
前半はまだみんなリラックスムード。


そんなプロトンを前半から積極的に管理したのが、総合2位のリチャル・カラパスを擁するEF Education-EasyPost。

1つの注目点はEF Education-EasyPostは逃げに誰ものせていないこと。つまり前待ち作戦はとらなかった。このことからチーム全戦力を最初から最後までリチャル・カラパスのために使い切るという考えが見て取れる。気合の入り方が違う。
特に序盤はTTスペシャリストで第14ステージで優勝もしたカスパー・アスグリーンが中心となりプロトンを牽引する。
だがそのチームEFが2級山岳を登り得た終えたの下りであわや大惨事という危機的状況に陥った。


なんと下りで先頭を走るカスパー・アスグリーンのコーナー進入速度が速すぎて、それにつられたEFの選手がそろって曲がりきれずにコースアウト。あわや大落車で谷底転落も?という危機一髪となった。
幸いにも誰も落車することもなく、すぐにそろってレースに復帰した。
🫨 Admins pulling up to San Siro to watch the #UCLfinal tonight #GirodItalia pic.twitter.com/P3Xe8VpTQ3
— Giro d'Italia (@giroditalia) May 31, 2025

そしてフィネストレに突入するとすぐにEF Education-EasyPostが攻撃をスタート!全てのアシストが代わる代わるペースをあげてUAE&デル・トロやライバルたちを攻撃。

そしてミッケル・フレーリク・ホノレからリチャル・カラパスが発射!
このカラパスの早すぎる?仕掛けに一瞬デル・トロの反応が遅れ差が開く。しかしデル・トロは冷静にすぐにその差をつめる。
この二人に置いてけぼりになった総合3位のサイモン・イエーツだが、なんと後方から追い上げこの2名に合流。そしてサイモンが合流してすぐに断続的にアタック!
1回、2回、3回のアタックはどれも成功せず。しかし、4回目のアタックでついに抜け出すことに成功!


総合4位のデレク・ジーもあがってきて、サイモンに逆転することを目指す。

ついに総合勢もフィネストレ峠の真の姿、グラベル区間に突入!
そしてこの時点でサイモン・イエーツがバーチャルでリチャル・カラパスを逆転、さらにデル・トロとの差が12秒!
サイモンが先行するワウト・ファン・アールトに合流できればとてつもない強力なアシストを得ることになる。だがなかなか合流できない。しかしその間にもデル・トロらのグループとの差が少しずつ開いていき、

ついにサイモンがバーチャルで総合首位に!
🐷「デル・トロはこの状況わかってるよな?チーム無線壊れてたりしないよな?もうデル・トロが引いたほうがいいんじゃないか?」

また今年もパイナップル・シェフキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

ついにワウト・ファン・アールトキタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!
疲労困憊のデル・トロ&カラパス、しかしサイモンは余力を残したワウトという強力な最終兵器をゲット。この差は決定的なポイントとなる。2022年ツール・ド・フランスでヨナス・ヴィンゲゴーがワウト・ファン・アールトの引きでタデイ・ポガチャルに引導を渡したのを想起させる!
一方でステージ優勝争いはクリス・ハーパーがフィネストレで飛び出し、追いすがるArkéa–B&B Hotelsのアレッサンドロ・ヴェッレを途中でひきはがしてから、順調に独走を続け、残り9kmで次のような差となる。

そしてデル・トロとカラパスだが、追走の途中でデル・トロが何かをカラパスに提案していたようだが、カラパスは首を横に振ったような仕草をしたように見えた。一体何を話したのだろう?
30kmほどを単独で逃げ続けたクリス・ハーパーが独走でステージ優勝。その優勝シーンがこちら。
マリア・ローザ争いは、ワウト・ファン・アールトという強力なトレインを手にしたサイモン・イエーツがそのワウトの牽引でどんどん追走のデル・トロ&カラパスとの差を広げる。フィネストレ峠の山頂では1分40秒ほどの差だったものが、5分近くの差にまで拡大する。

この表情は作戦が完璧にハマり勝利を確信した笑みか、それとも苦悶の表情か・・・

そして全力でサイモンをアシストしたワウトが仕事を終了。まさに期待どおりの活躍だった。ツール・ド・フランスでもヨナス・ヴィンゲゴーをこの調子でアシストし、タデイ・ポガチャルを苦しめることになるだろう。
そしてここからサイモン・イエーツはフィニッシュまでしっかりと走りきり、マリア・ローザ奪取を確信。


サイモン・イエーツといえば満を持して出場した2018年ジロ・デ・イタリアで、序盤から中盤まで後付的な最強のクライミング能力を見せつけ、誰もがそのときサイモンが最強だと言っていた。
だがしかしその第19ステージでついに体に限界がきた。そのときまでの彼からは想像できなほどの弱々しい走りで、なんとトップから38分以上の遅れでフィニッシュし、マリア・ローザを失うこととなった。
その第19ステージの中盤にも今回のフィネストレ峠が登場、その途中から80km独走をなしとげステージ優勝したのがあのクリス・フルームだった。そしてフルームがそのまま2018ジロ・デ・イタリアで総合優勝となった。
その2018ジロでのサイモン・イエーツの敗北は大会序盤から飛ばしすぎたこと。体力のマネージメントに失敗したと言える。
そんな苦い記憶と経験を経て、今年32歳で念願のジロ・デ・イタリアの実質的な総合優勝を決めたわけで、7年前のリベンジをチームも変わりながらようやく果たしたことになる。人生ほんとわからないものだ。
2018年のフィネストレ峠ではフルームが伝説となった独走勝利、そして今回はサイモン・イエーツがこれまたグランツールの歴史に残る伝説的な大逆転を達成した。
思えば今大会はサイモンは最初からあまり目立たず、積極的にステージ優勝を狙う姿勢は見せなかったと思う。どちらかというと終始防御的に、できる限りダメージを少なくするような走りを徹底していたのではないか。そうして体力の消耗を抑え続けた。それが最後の最後のこの大逆転への伏線だったと言える。7年前の宿題をついにやり遂げた。
そんな過去があったからからこそフィニッシュでは感極まるものがあったのだろう。
そしてなにより最後までそんなサイモン・イエーツを信じてワウト・ファン・アールトを逃げに乗せ続けたTeam Visma | Lease a Bikeにも脱帽。
| 1 | Chris Harper | Team Jayco AlUla | 1位との差 |
| 2 | Alessandro Verre | Arkéa – B&B Hotels | 1:49 |
| 3 | Simon Yates | Team Visma | Lease a Bike | 1:57 |
| 4 | Gianmarco Garofoli | Soudal Quick-Step | 3:52 |
| 5 | Rémy Rochas | Groupama – FDJ | 3:57 |
| 6 | Martin Marcellusi | VF Group – Bardiani CSF – Faizanè | 4:31 |
| 7 | Carlos Verona | Lidl – Trek | ,, |
| 8 | Max Poole | Team Picnic PostNL | 6:45 |
| 9 | Isaac del Toro | UAE Team Emirates – XRG | 7:10 |
| 10 | Giulio Pellizzari | Red Bull – BORA – hansgrohe | ,, |
| 1 | Simon Yates | Team Visma | Lease a Bike | 1位との差 |
| 2 | Isaac del Toro | UAE Team Emirates – XRG | 3:56 |
| 3 | Richard Carapaz | EF Education – EasyPost | 4:43 |
| 4 | Derek Gee | Israel – Premier Tech | 6:23 |
| 5 | Damiano Caruso | Bahrain – Victorious | 7:32 |
| 6 | Giulio Pellizzari | Red Bull – BORA – hansgrohe | 9:28 |
| 7 | Egan Bernal | INEOS Grenadiers | 12:42 |
| 8 | Einer Rubio | Movistar Team | 13:05 |
| 9 | Brandon Mcnulty | UAE Team Emirates – XRG | 13:36 |
| 10 | Michael Storer | Tudor Pro Cycling Team | 14:27 |
| 総合1位 | Simon Yates(Team Visma | Lease a Bike) |
|---|---|
| ポイント賞1位 | Mads Pedersen(Lidl – Trek ) |
| 山岳賞1位 | Lorenzo Fortunato(XDS Astana Team ) |
| 新人賞1位 | Isaac Del Toro(UAE Team Emirates – XRG) |
EFファンなのでカラパスのひと踏ん張りに期待したのですが、今日はイェーツの日でしたね。総合エースかくあるべしの底力でした。デルトロはポガチャルの例に倣って捲土重来を期待したいです。
しかしEFはUAEやヴィズマの1/3位しか予算がないはずですが、グランツールで総合争いに食い込んでくるのでスポンサーには有り難いですねえ。
カラパスはちょっと動きすぎたかもしれないブヒね。でもだからこそデル・トロを疲弊させることにも成功したわけで。
カラパスはレース後に「デル・トロは(俺じゃなくて)ジロに負けた」とか言ってたみたい。
どういう意味かはわからないけど。
たしかにチーム予算からするとEF Education-EasyPostの戦いぶりは見事だったブヒね。それもカラパスという曲者の実力者がいたからこそとはいえ、チームとして上手く一丸となれていた証拠。運営が上手いのだろうと思うブヒね。
この数年見ても相当の神回。。。。
ほんと昨年とは全く別の意味ですごい大会になったブヒね。
これはずっと語り継がれること間違いなし。