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8/1からSRAMの一部ギア比が使用禁止となるレースあり。UCIによる最大ギア比制限のテストで禁止されるギア比とは?

8月1日から始まるギア比制限テストで、対象レースではSRAMの一部のギア比が使用禁止に。

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近年のロードレースでは56T以上の大きなフロントギアを使うことが普通に見られるようになっている。また2024年のUAEツアーではトビアス・フォスが68Tという巨大フロントギアを使っていたこともあった。

アメリカ vs 68T!2024UAEツアー第2ステージの結果とハイライト動画

そんな中、UCIは選手の安全向上プロジェクトSafeRの一環として上がり続けるプロトンの走行速度が落車の原因なのかどうかを分析するため、最大ギア比を制限するテストを8月1日から一部のレースで実行することになっている。

これは先日UCIによって2026 UCI ワールドツアーカレンダーが発表されたときに、それに合わせて同時に発表されていたことだ。

今回はそのギア比制限の中身を、つまりどのギア比がダメなのかを紹介する。

情報源:August UCI gear limit trial will ban pro SRAM setups

UCIによるギア比制限テストの具体的な内容

導入日とテスト対象のレースは?

テストは8月1日から始まる。そして上述のようにあくまでギア比制限制限は一部のレースでテストされるだけだが、そのレースがどれなのかはまだわからない。UCI Implementation of “Maximum Gearing” Test Protocolによると、対象レース選考基準は次のようになっている。

The SafeR Commission will recommend the application of the Test Protocol on selected events. The
UCI will then confirm the application of the Test Protocol on one-day races or stage races after
consultation with the race organiser, considering:

  • The profile of the stages and the format of the event (cf. Appendix 1);
  • The level of the teams;
  • The number of riders in the race and the number of riders per team

コースプロフィール、参加するチームのレベル、参加選手人数や1チームあたりの選手数といった3つの要素を考慮にいれつつ総合的に判断されることとなる。

許される最大ギア比は?

テストレースにおいて許される最大ギア比について、UCI Implementation of “Maximum Gearing” Test Protocolドキュメントでは次のように記載されている。

Limiting the maximum gear ratio of the chainring and cassette to a distance covered per pedal
revolution of 10.46 meters or an equivalent of 54 x 11

訳「最大ギア比は、ペダルを1回回転させて進む距離が10.46m、または、54×11相等のものまで」

これらが許される最大ギア比となる。同ドキュメントではこの画像のようにタイヤ幅ごとに、ペダル1回展で進む距離として許される最大距離について計算上の具体的な数値の表が載っている。

  • 30Cなら54×11で10.52m
  • 28Cなら54×11で10.46m
  • 25Cなら54×11で10.36m

となっている。これらが許される最大ギア比となる。

SRAMの50×10、54×10などが禁止対象に

以上のような基準に従うと、単純計算で54×11のギア比である約4.909以上のものはテスト対象のレースでは使えなくなる。

Shimano DURA-ACEの場合は公式構成ではフロントが54Tまで、リアは11Tまでしかないのでほぼ影響を受けないでそのままテストレースでも使える。

一方で最も影響を受けるのがSRAMだろう。SRAMを使うプロ選手はスプロケカセットに最小10Tをいれ、フロントギアが50Tや54Tなどで使うことが多いからだ。ギア比はそれぞれ5.0、5.4になり、4.9を超えてしまう。

SRAMを使うワールドチームはVisma-Lease a Bike、Lidl-Trek、Movistar、そしてRed Bull-Bora-Hansgroheの4つがあり影響度は大きい。もちろん他のProTeamなども同じだ。それのチームはフロントギアを50Tより小さいものにするか、10Tを使えなくなるようセッティングするかなどの対策が必要となる(レース前にUCIによって点検される?)。

またCampagnoloが少し前に発表した最新の2×13速となったSuper Record 13を使う場合も影響を受ける。その最新コンポではフロントギアに55/39Tという構成があり、リアに最小10Tが展開されているからだ。最大5.5のギア比となる。ただしCampagnoloを使うのはワールドチームでもCofidisだけなので、プロトンにおける影響度は相対的に小さい。

こうしたテスト対象レースではSRAMを使うチームは、これまでのセッティングとは異なる状態で走らざるを得ないため、普段Shimanoを使うチームに比べてなんらかの不利を抱えることになるかもしれない。それを覚悟の上で走りることになるか。


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piginwired
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