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Rapha






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SRAMがギア比制限問題でUCIに勝利。ベルギー当局がUCIに暫定的ではあるが中止命令を下す。
レースでの安全性を目的としてプロトンが使う最大ギア比を制限しようとしたUCIに対して、SRAMがUCIを訴え法律闘争に持ち込んでいたが、ひとまずSRAMの勝利となった。
情報源:SRAM Secures Win Against UCI
UCIはロードレースでの行き過ぎた高速化による危険性を懸念し、安全性向上策の一環として最大ギア比の制限(54 × 11以上のギア比はアウト)を導入しようとしていた。関連記事として次の過去記事も読んでもらいたい。
特に今シーズン最後のワールドツアーであるツアー・オブ・グワンシー(Tour of Guangxi)で導入する予定であり、SRAMとしても即座にその中止・差止めを求めたいという切迫したものがあった。
このUCIの動きに対して三大コンポメーカーで唯一不利益を被るSRAMが猛反発。UCIをベルギーの競争当局(BCA:Belgian Competition Authority)に提訴していた。
そして昨日ベルギー当局BCAの裁定が下り、SRAMの主張をある程度認め、暫定的な措置としてUCIに対して最大ギア比制限の導入をやめるよう命じた。
具体的には次のような内容となる。
この裁定に不服のUCIの異議を申し立てた。そのプレスリリースがこちら。
UCI公式:The UCI challenges the decision to prevent the safety test planned for the Tour of Guangxi
ここでUCIは、ツール・オブ・グワンシーで最大ギア比制限は行わないこと、そしてギア比制限導入のためのテストプロトコルを現時点から中断することを明らかにした。
しかし同時に、
intervention of a competition authority on a subject desired by all stakeholders of cycling
訳「今回ベルギー当局が介入した事項だが、それを必要としたのは自転車界の全ての利害関係者だ」
🐷「全て・・・そこにSRAMさんは入っているのですか?」
このように「intervention(介入)」という言葉を使い、そしてUCIのプレスリリースの題名でも「prevent(妨げる)」という言葉を使っており、UCIのベルギー当局に強い不快感・不満を持っていると推察される。
この裁定を受けてSRAMが発表した声明がこちら。
この投稿と情報源記事においてSRAMのCEOは、今回のBCAの裁定を歓迎し肯定的に捉える。同時にSRAMとしては暫定的な措置を超えて、今後もUCIのこのような規制が導入されることがないよう求め、それを認める判決を望む。また、市場での不公正な競争となるような動きに対しては今後も争っていくとの立場を明らかにする。
SRAMとしてはとにかく透明で公平な議論・手続きを望み、そしてイノベーションと安全性は矛盾するものではないという考えだ。
上述のように今回のベルギー当局の命令はあくまで暫定的なものであり、その効力が切れれば、UCIは再び同種のギア比制限導入が可能となる。ただそうなればまたSRAMもなんらかの対応をするだろう。
仮にUCIが勝ったとすれば、安全性確保を金科玉条として掲げUCIはさらに調子にのってギア比制限に限らず、余計な規制を繰り出すことも考えられる。そうすれば各メーカーの技術革新や市場での営業活動に大きな影響が出る可能性があり、今回はUCIの方針に賛成したメーカーたちも後々後悔することになるのではないか?
そもそも高速化が危険というならば、ギア比ではなく「速度」を制限すべきなのではないか?速度をいくつかの帯域に分割し、各速度域ごとの危険性のデータに基づいて議論すべきで、その結果、時速何キロ以上は危険だから禁止という議論が本来の在り方では?
でもそんなことを議論すれば、ゴール前スプリントはどうなる?下りはどうなる?強い追い風のときはどうなる?となってしまい収集がつかなくなるのは火を見るより明らか。そこで安易にギア比制限という議論に飛びついたのではないだろうか。
スイスに本部のあるUCIが中国で行うレースの運営に
ベルギーの規制当局がどんな権限で介入するのか全くの謎。
ベルギー国内のレースに限って介入するならわかるけど。
まさにその疑問はみんないだいていると思うブヒ。そこでChatGPTに聞いてみたブヒ。
根拠となる法律は、ベルギー競争法とEU競争法の2つで、前者の法律では、たとえ企業や団体の本部がベルギー国外でも、その行為がベルギー国内の市場で競争を制限する効果を生じる場合にベルギーの競争当局はその行為を取り締まることができるのが原則とされているようブヒ。
そしてこれと同じ原則を後者の法律もとっているようブヒ。