レビュー



Rapha











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危機に瀕するロードレースのビジネスモデル
これまでもずっとロードレースのビジネスモデルは危機的状況にあると言われ続けてきた。そう言われ出して一体何年たっただろうか。根本的要因とはやはりロードレースの特殊性でもあるが、第1にスポンサーに依存しすぎであること、第2にレース会場にいけば観客は無料でライブ観戦できること、そして第3に放映権料からプロチームが利益を得られないことだろう。
このロードレースのビジネスモデルについてDecathlon AG2R La Mondialeの元マネージャーや、Jayco-AlUlaの監督がメディアの企画でトークを繰り広げた。そこでも上述の要因について同じような指摘がなされた。
彼らはロードレースの人気は以前よりも増しているのに、ロードレースというスポーツが放映権料からチームが収入を得られない唯一のスポーツであり続けるのは矛盾していると主張する。その矛盾の例として、視聴者数は伸びているのに、解散したりするチームがあるという現実を挙げる。
またJayco-AlUlaの監督は、チーム予算が少ないチーム群と巨額予算のスーパーチーム群との差が年々広がっており、いろんなレースのリザルトがかなりアンバランスなものとになっていると主張。
しかもそうした小規模チームが生き残れるかどうかは、選手個々人のパフォーマンスの差によるものではなく、チームの雰囲気だったりスポンサーの考えだったりに左右されるものだと言う。
UCIは収益を下流へと配分することもしているが、彼らからすればそれもアマチュアクラブに対してメリットがある程度で、ワールドチームレベルではさほど効果があるわけではないと明らかにする。
加えて、チケット制の導入や年俸制限についてもなかなか実現が困難な様子だ。チケット制にしてもそれが上手く運用できるのか、その運用にまた大きなコストがかかるのではないかなどの問題がある。年俸制限についてもUAEのような国家がスポンサーの場合にどうやって実効的な形でそれを実現するのかといった問題を挙げる。
様々な改善策を話し合った彼らだが結局妙案はなく、ワールドツアーというシステムがその価値を上手く利用できなければ結局今のままの矛盾を抱えたままプロチームは生きていくしかないとの結論に至る。ロードレースのビジネスモデルは危機を孕んだままで2026年を迎える。