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エリトリア代表に罰金2000スイスフラン。世界選手権でユニフォーム不統一とビザ問題
先日開催された2026年世界選手権で、エリトリア代表がビザとユニフォームをめぐる二重の問題に直面した。一体エリトリア代表チームに何が起こっていたのか?
男子エリートロードレースを欠場したのは、アマヌエル・ゲブレイグザビエル(Amanuel Ghebreigzabhier)とナトナエル・テスファツィオン(Natnael Tesfatsion)だ。
エリトリア代表の中心選手ビニアム・ギルマイによると、両者はビザを取得できず開催国カナダへ入国できなかったようだ。
アマヌエル・ゲブレイグザビエルは公式スタートリストに名前が残りながらDNSとなっており、直前まで出場の可能性が模索されていたとみられる。一方、ナトナエル・テスファツィオンはスタートリストにも掲載されなかった。
ビザが発給されなかった具体的な理由は明らかになっていない。エリトリア代表や同国自転車競技連盟、UCIからも詳細な説明は示されていない。
なお同様の選手不足は男子U23ロードレースでも起きていた。
当初エリトリア代表として発表された3選手のうち、実際に出走したのはナホム・エフリエムだけだった。ミルキアス・マエケレはDNSだった。一方ヤフィエト・ムルゲタも欠場したが、こちらは理由は不明。ビザの問題だったのかわからない。
アフリカの選手にとって国際大会に出場する際のビザ取得は以前から大きな障壁となっている。エリトリア代表は2023年に英国で開催された世界選手権でも同様の問題に直面し、ギルマイらが出場できなかった。
エリトリア代表チームは男子エリートロードレース後にさらなる問題に襲われた。
UCIはギルマイとヘノック・ムルブランに対し、「同一チームの選手が異なるウェアを着用した」として、それぞれ500スイスフランの罰金を科した。さらにチームディレクターのサムソン・ゲブレイエススにも1000スイスフランが科され、代表チームの罰金総額は2000スイスフラン(約38万円)となった。
適用されたのはUCI規則2.12.007条3.9項で、チーム内でジャージ、ショーツ、レインジャケットなどを統一するよう定めている。ただし、UCIの公式文書には違反の対象となったウェアが具体的に記載されていない。
そこで次の画像を見て欲しい。
#Montréal2026 🌈 / Jackpot pour l'UCI :
— Renaud Breban (@RenaudB31) September 28, 2026
Kits dépareillés, facture salée. Aux Mondiaux, 🇪🇷 Biniam Girmay et 🇪🇷 Henok Mulueberhan prennent 500 CHF, le directeur érythréen 1000. 🇧🇪 Remco Evenepoel n’échappe pas : 500 CHF pour un jet hors zone. https://t.co/V5uDhAobcw
ムルブランはジャージとショーツの双方にナショナルカラーを採用していたものの、袖の配色はギルマイと異なっている。ギルマイの袖が青を基調としていたのに対し、ムルブランは赤と緑が目立つデザインだった。
ギルマイは上半身にエリトリア国旗のカラー、下半身に黒を採用したVerge製スキンスーツを使用してたもよう。肩周辺には所属チームNSN Cycling Teamのロゴも。

一方、メルハウィ・クドゥスには罰金が科されていない。ただしクドゥスも、レース前の選手紹介と本番で異なる組み合わせのウェアを着用していたことが確認されているもよう。
もう一つの可能性として指摘されているのが、スタート時に着用していた所属チームのジレや長袖ウェアだ。

ギルマイはNSN Cycling Team、ムルブランはXDS Astanaのジレを着用し、そのままレース序盤を走っていた。ただしクドゥスも、所属するBurgos Burpellet BHの黒い長袖ウェアを着ていたにもかかわらず処分されていない。
UCI規則はジャージやショーツ、レインジャケットには言及している一方、袖のないジレの扱いには解釈の余地がある。
このため、罰金がナショナルウェアのデザイン差によるものなのか、それとも所属チームの防寒着によるものなのかは断定できないと思われる。
ベルギーなど予算規模の大きい代表チームは、ジャージだけでなくジレやレインウェアまで統一された専用品を用意できる。
一方、資金や供給体制が限られる国などは、あらゆる天候に対応する代表ウェアを全選手分そろえることが難しい。その結果、選手は普段所属するプロチームの防寒着に頼らざるを得ず、それがUCI規則への抵触につながる可能性がある。
今回の一件は単なるUCIルール違反だけでなく、各国代表が置かれている経済的・制度的格差も浮き彫りにしたと言えるだろう。
エリトリア代表にとって今回の世界選手権は、レースが始まる前からビザ問題で戦力を削られ、レース後にはウェア規定による高額な罰金を受ける厳しい大会となってしまった。