ポガチャルが語るツールの後遺症・反動

タデイ・ポガチャルが明かすツール・ド・フランス後の「反動」――「現実に戻るには最低1週間必要」

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タデイ・ポガチャルは今年の2026ツール・ド・フランスで最大のライバルだったヨナス・ヴィンゲゴーの落車リタイアがあったものの、圧倒的な力で総合優勝を果たし、見事にツール歴代最多総合優勝記録となる5勝目を達成した。いわゆる「5勝クラブ」に入会したことになる。

仮に来年も総合優勝すれば、歴代の最多記録を塗り替え、エディ・メルクスらのレジェンドをおさえ単独トップに躍り出ることになる。

ツール後は地元のスロベニアに戻り、自身が主催するクリテリウム大会、ヒルクライム大会などのイベントに参加し、「いつ休んでるんだ?ツールを3週間走って疲れてないのか?」と思わせるような多忙ぶりだ。

だがしかし、そんな陽キャの権化のようなタデイ・ポガチャルもどうやら人の子だったようで、ツール・ド・フランスによる疲労の影響、いわば後遺症や反動のようなものが特に心理面で現れることがあると語る。

情報源:Tadej Pogačar Opens up on the Grim Reality of His Tour de France Comedown

ツール後の心理面の反動:ポガチャル「ツール後は誰にも会いたくないことがある」

ポガチャルは母国スロベニアで開催された自身のイベント「Pogi Challenge」を前に、ツール終了後の生活について語った。

その言葉からうかがえるのは、レース中の強さとは対照的な、ツールを戦い終えた選手が日常生活へ戻ることの難しさだ。

ポガチャルは、ツール・ド・フランス終了後の特に最初の1週間は心身の変化が大きいと説明している。

時には部屋に閉じこもり、誰にも会いたくないと感じる一方で、人と交流することを楽しめるときもあるという。

まるで躁鬱みたいな感じだろうか。

こうした感情の上下はツール終了後の最初の1週間に特に起こりやすく、その後、徐々に通常の状態へ戻っていくと語る。

そしてポガチャルによれば、これは彼だけに起こる特殊な現象ではなく、他のツール出場選手も同じような体験を話しているようだ。

3週間にわたり世界最高レベルのレースを続けるグランツールでは、選手は毎日レースだけに集中した生活を送るわけだが、さらにツールの場合、レースそのものだけではなく、世界最大・最高の舞台であるがゆえにマスメディアなどの注目度も世界最大・最高である。

そのためマイヨ・ジョーヌを着用していたポガチャルには表彰式やインタビューなど数多くのメディア対応もあり、フィニッシュライン通過後もそれらに多くの時間を取られ続けた。レースの中でも外でも常にミスをしない集中力が要求され、また世界からの注目を集める生活が続いたわけだ。

今回のポガチャルの言葉からすれば、その反動・後遺症のようなものがツール後に心身に現れ、特に精神面での躁鬱のような状態につながるのだろう。

ポガチャル「ツール後は全てをリセットしなければならない」

ツール終了後にポガチャルが重視しているのは、すぐに次のトレーニングへ移ることではない。

むしろ一度、自転車競技中心の生活から距離を置くことだ。つまり、一度「リセット」する必要があると話す。そのためトレーニングや栄養についてあまり考えないで過ごす。

そして普通の生活へ戻るには、最低でも1週間程度が必要だという。

ツール後の高額クリテリウムには出場せず

ツール・ド・フランス終了後、ベルギーやフランスではトップ選手を招待したクリテリウムが数多く開催される。出場する人気選手にとってはその出場の対価として高額な報酬を得られる機会でもあり、ツール後の恒例行事となっている。

しかし2026年、ポガチャルはこうしたクリテリウムには参加しなかった。

情報源記事によると、ポガチャル側はツール後のクリテリウムについて10万ユーロ(約1800万円)の出場料を要求したと報じられている。これはレムコ・エヴェネプールの出場料とされる金額のおよそ2倍にあたるという。

ツール第21ステージを終えた際にポガチャルは早く自宅へ帰りたいという明確に述べていたが、この高額報酬の要求はおそらく主催者側が払えないことを前提として、さっさと自宅に戻りたいための口実だったのだろう。

そしてポガチャルはツール終了後は母国スロベニアへ戻り、上で述べたように自身の名を冠する地元のレースを楽しんだ。

ツールでの圧倒的強さと精神的疲労

ツール・ド・フランスで5度目の総合優勝を達成したタデイ・ポガチャル。

しかし今回の発言からは、その圧倒的なパフォーマンスの裏で、ツール後にはその反動・後遺症とも言うべき大きな精神的疲労を抱えていることがわかる。

約2カ月にわたってツール中心の生活を続け、3週間の本番では毎日限界に近い強度で戦う。

だからこそレースが終われば、トレーニングや栄養管理から一度距離を置き、普通の生活へ戻る時間が必要になるのだろう。

「最低1週間は必要」というポガチャルの言葉は、世界最高(史上最高?)の選手であっても、ツール・ド・フランスからの「完全な回復」には単なる身体的な休養だけでは済まず、精神面での休養も重要だとわかる。

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