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とんでもないレースとなった2026世界選手権ロードレースは、アメリカのブランドン・マクナルティが優勝し世界王者に!
昨夜の2026世界選手権男子エリートロードレースのレビュー・感想、結果、ハイライト動画を。

距離は273.2km、獲得標高は3803m。中盤からはGPモンレアルとほぼ同じような周回コースを12周する。
一昨年は4000m以上、昨年は5000m以上の獲得標高だったため今年はやや登りという意味での難易度は下がる。
ミラノ~サンレモに並ぶ長丁場のレース。そして序盤は平坦がメインというわけで逃げはサクッと決まるかと思われたが、スタート直後のファーストアタックの闘いに日本の橋川も参加。
手前の選手に追いつこうとしている選手の1人は橋川丈選手!
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) September 27, 2026
がんばれ!
Cycle*2026 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース#Montréal2026 #jspocycle pic.twitter.com/SmsUY3vVKh
残念ながらこの逃げは消滅してしまうが、その後すぐに逃げ集団が形成された。その逃げは16名の選手で構成された。そこにはUno-Xでおなじみの独走力の高いアンドレアス・レックネスンやNSNの少し登れるスプリンターのビニアム・ギルマイの姿も。
レースは平穏なまま100kmを走り、残り170kmとなるとついに周回コースに。
そしてこの周回コース突入直前で、スロバキア代表のマッサージ師なのに選手の代理としてただ一人の同国代表になってしまったウラジミール・コヴァーチクがレースからお別れ。世界最高のワンデイレースで100km強を走った。
→スロバキアはマッサージ師だけ出走!世界選手権にチームのマッサーが突然放り込まれる事態に。一体何があったのか?
突然スロバキアの選手代理となったマッサー、周回コース直前で集団から遅れて、ここでレース終了。おつかれ。約100km強走った。#Montreal2026 #jspocycle #ロードバイク #ロードレース pic.twitter.com/7Aauvruxr4
— 🚴バイクニュースマグ@ワイアードの豚🐷 (@BikeNewsMag) September 27, 2026
メイン集団も周回コースに突入し登りが始まるといきなりフランスが集団先頭でペースアップ。特にブルーノ・アルミライルが強力な牽きを見せる。絶対エースであるポール・セクサスのためにライバルたちの脚を削り、余計な選手たちをレースからふるい落とすべく攻撃に出る。
またスイスチームからシュテファン・ビッセガーも集団のペースアップに協力する(あるいはあまり速くなりすぎないようにフランスのペースを調整する役割か?)。
そのフランスの加速に耐えきれず、1周目で力のない選手やコンディションが良くない選手が多く脱落していく。
この展開は前日の女子エリートロードレースと同じだ。その女子レースではオランダが集団を完全支配していた。
このフランス主導のペースアップにより8分30秒近くあった逃げとのタイム差が一気に3分ほど縮小。メイン集団はその勢いのまま2周目に入る。
2周目では日本の橋川が集団から脱落。



モホリッチはこのメカトラのあとバイク交換で無事に集団に復帰するが、残り120kmあたりでヤン・トラトニクとともにリタイアしてしまう。本来ならトラトニクがログリッチを最後までアシストする可能性もあったのだが、これはスロベニアのゲームプラン崩壊か?
フランスは結局ブルーノ・アルミライルが70kmほども集団先頭を牽引し、逃げも全て吸収。そして残り100kmが近づいてお役御免。フランスはその後も弟パントル、シヴァコフ、ジェガットらが集団先頭を支配しようと動き続ける。
またスペインは今年のブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝のエンリク・マスが脱落。また同総合3位のフェリックス・ガル(オーストリア)も脱落。

残り90kmあたりになるとフランス支配のプロトンから何名かがアタック。それにマチュー・ファン・デル・プールが反応しフォロー。
早めに自分でレースを動かそうとしたのか、マチューは飛び出した集団を引き連れてプロトンからリードを築こうと動く。そのマチューの動きを危険視したのか、ワウト・ファン・アールトとプリモシュ・ログリッチがマチューを追従。
フランスはなんとかマチューのグループとの差をつめるが、そのタイミングで今度はワウトが一人飛び出す。それを追うのはもちろんマチューだ。そしてイギリスのオスカル・オンレー、後方から再びログリッチ、さらにアメリカのクイン・シモンズ、デンマークのアントン・チャームが合流。

マチュー&ワウトというワンデイクラシック最強コンビのヤバすぎる逃げ。これは確実にフランスの戦略を潰す動きだ。この二人がいるグループを追いかけるにはかなりの労力を使うことになる。つまりアシストを使い潰す必要がある。だが追いかけないとここでレースが終わる危険性もある。
ここで追走から動いたのがメキシコだ。最後のアシストを使ってデル・トロが自ら追走集団をペースアップ。それにポール・セクサスやレムコ・エヴェネプールも追従。
このデル・トロの動きでマチューたちの差が一気に30秒ほど縮小するが、それでも途中でデル・トロたちの追走集団はマチューのグループを追い詰めきれず、途中で牽制のようになって速度ダウン。
そんな追走の動きを知ってか知らずか、マチューがさらにペダルを踏みつけ加速!

ワウトがこれについていけない!反応できたのはオンレーとシモンズのみ。
オランダ、アメリカ、イギリス、ベルギー、スロベニア、ノルウェーが逃げる形になっているため、フランス、イタリア、スペインなどが積極的に追う必要がある。そしてレムコは落ち着いた感じで追走集団(第3集団)で待機。
その第2集団からログリッチが登りを利用してワウトとチャームを切り離し、マチューの先頭集団へ合流に成功。先頭集団が4名となる。
残り60kmあたりになるとレムコらの追走集団がベン・ヒーリーやトム・ピドコックのアタックにより活発化。
しかしこのあたりからレムコ・エヴェネプールが反応が遅い。周囲のペースアップについていけない姿が目につくようになる。
そんなレムコのために先頭から遅れたワウトがアシストし追走集団を牽引。
その前方では残り38kmでベン・ヒーリーが彼の十八番の粘りの力走で単独でマチュー集団に追いつくことに成功。
追走集団のワウトが力尽きるとこの日何度目になるか、デル・トロがペースアップ。それにポール・セクサスがついていく。
この日のセクサスはひたすらデル・トロの動きだけをマーク。マチューの動きもレムコの動きも全て無視。ただデル・トロが動けばその背後につくだけ。何時間もずっとそれを繰り返す。
一方そんな二人にレムコがついていけず遅れてしまい、おそらくもう優勝は狙える力がないと思われる。最強ベルギーチームはゲームオーバーか?
残り35kmあたりでデル・トロたちの追走集団はマチューたちを捉えて、この1つになった集団が優勝の可能性大となる。
この状況で最も有利になったのがアメリカだ。マチューといっしょに逃げていたクイン・シモンズ、追走から合流してきたマッテオ・ジョーゲンソンとブランドン・マクナルティの合計3名を先頭に揃えることに成功したからだ。

そして残り32kmでデル・トロとUAE Team Emirates – XRGでチームメイトのブランドン・マクナルティが単独アタック!追走を同じアメリカのジョーゲンソンが抑える!
マクナルティが独走する中、その後方ではトム・ピドコックが連続アタック、これにマチュー、デル・トロがついていけない場面、さらにはポール・セクサスが脚をつった(つってしまいそうになっている)場面も。みんな限界!

後方から追いついてきたレムコが、追いつきざまに今度はアタック!
🐷「お前死んだんとちゃうかったんか!」

マクナルティがラスト1周に突入したあと1分近い差でこの追走集団もゲートを通過。
誰もが限界に近い状況であるはずなのに追走ではピドコック、チッコーネ、ヒーリーらのアタックが頻発!

残り7.4kmで28秒差!

マチューが最後の力を振り絞ってアタックするも、ジョーゲンソンがチェック!

セクサス限界!もう脚が動かない!
そして……

タデイ・ポガチャルがいない世界選手権で、UAE Team Emirates – XRGのチームメイトのブランドン・マクナルティが新たな世界王者に!
今年の世界選手権ロードレースはまるでオセロゲームのような、白が黒に、黒が白に簡単にひっくり返る、そんなレースとなった。
なぜなら、ある集団(特に追走集団)から遅れていった選手があるタイミングでいきなり復活して追いついてきたり、レースの主導権がころころ入れ替わるような展開だったからだ。特に終盤の予測不能さは、最近のロードレース(強者が長距離独走する)には見られないような大興奮のものだった。
そんな複雑で混沌としたレースとなった要因は、コース設定の妙だった。そもそもミラノ~サンレモのような長距離だったこともあるが、周回コースの複数の登りがそれぞれ違う脚質に適したものだったからだ。
ある登りではマチュー・ファン・デル・プールのような選手が力を発揮できるが、その後の登りはクライマー系の選手のほうが力を発揮でき、また平坦では隙をみて飛び出すのが上手い選手だったりが力を発揮するなど、とにかくコースの各部ごとに主導権を握る選手や攻撃する選手が特に終盤では忙しく入れ替わるような展開となった。
そして優勝したのはアメリカのブランドン・マクナルティだったが、彼の終盤の独走劇をお膳立てした立役者はなんといってもマッテオ・ジョーゲンソンだ。ジョーゲンソンが長時間アタックをほぼ完璧に一人で封じ込めた。
まさにチームとしての勝利のために黒子に徹したわけで、彼の徹底的なプロ意識に脱帽である。
本当にこの男子ロードレースはいろいろなことがありすぎて、上のハイライトでは全く上手く書ききれていない。今回のレースのとんでもなさが少しでも伝わればいいが。ぜひJスポと契約してフルレース動画を見て欲しい。
| 順位 | 選手名 | チーム名 | タイム差 |
|---|---|---|---|
| 1 | Brandon McNulty | United States | ― |
| 2 | Michael Matthews | Australia | 0:13 |
| 3 | Mathieu van der Poel | Netherlands | ,, |
| 4 | Quinn Simmons | United States | ,, |
| 5 | Isaac del Toro | Mexico | 0:14 |
| 6 | Tom Pidcock | Denmark | ,, |
| 7 | Mads Pedersen | Great Britain | ,, |
| 8 | Matteo Jorgenson | United States | ,, |
| 9 | Giulio Ciccone | Italy | ,, |
| 10 | Ben Healy | Ireland | ,, |
2020年のジロでその名前を始めて聞いてから6年、ついに世界の頂点に立ちましたか……。
UAE黄金の98年組カルテット(ポガチャル・マクナルティ・ビョーグ・アルメイダ)健在!
しかし、改めて見ても色んな意味でポガチャルと同い年には見えない……。
たったひとつのチャンスを見抜く、見た目は50歳、体は28歳!その名はブランドン・マクナルティ!