コロナウイルスとプロチームの現状

情報源：Pro cycling teams await decision regarding Italian races and coronavirus

昨日「ミラノ～サンレモとジロが中止の恐れ」も伝えたように、イタリアでコロナウイルスが拡大しているせいで、ミラノ～サンレモとジロ・デ・イタリアの開催が危うくなっている。

イタリアでのコロナ拡大の様子はこの動画を参考に。

#COVID19 in #Italy: how did it spread so quickly?

more: https://t.co/tAE5WZHX7i pic.twitter.com/ifGFxU3G22

— CGTN (@CGTNOfficial) February 25, 2020

現段階ではストラーデ・ビアンケやティレーノ～アドリアティコが行われるあたりに感染拡大は見られないようなので、それら2つは開催予定といちおうなっていはいるものの予断は許されない状況。

仮に今後のレースがいろいろ中止になれば経済的損失は計り知れない。だが一方でできるかぎり早期にさっさと中止と判断することで、無駄な混乱は防げるし、経済的損失を最小限に食い止めることも可能。

主催者側としてはやりたいと思っているやろうけど、中止となった場合は「政府から要請があったから仕方ないね」という感じにしたい。ワシはそうやって生きてきた（呆れ）。そこで、主催者側も政府・行政に働きかけていると思う。

そんな中、各プロチームは今後のレース予定についてどの程度、主催者側から情報を得ているのか？

まずJumbo-Vismaはこう述べる。

“We have to think about alternative plan-Bs, but we’re not going to start making alternative race schedules or anything just yet. We still need confirmation.”

訳「プランB（代替案）を考えなアカン状況に置かれとるけど、レース予定の組み直しとか、まだ何も始められてないんよ。とにかくまだ確認せなアカンことがあるんや」

“We’re not hearing much from RCS because they don’t know what’s happening either,”

訳「ジロやミラノ～サンレモの主催者RCSから何も情報はない現状や、RCS側も今後どうなるかわかってない状況やからね」

Mitchelton-Scottも次のように述べる。

“We’re just going to hold tight at the moment and see how it plays out,”

訳「さしあたりできるのは警戒と事態の注視だけって感じや」

“The problem is we just don’t know anything at the moment,”

訳「問題は、ワシらが現状何にも情報を持ってないということや」

というわけで、プロチーム側には各レースの主催者側からなんの説明も情報も与えられていないもよう。でも主催者側も今後どうなるかなんて全くわからないわけで、チーム側も主催者側もお手上げって感じやね。

仮にレースが中止となればチームはレーススケジュールの変更や再調整を行うことになる。

しかし、すでにレーススケジュールはいったん確定し、それぞれの選手が各自の目標と仕事を与えられ、それに向けてトレーニングをしているのに、レース予定を組みかえればそんな選手らの既存の予定と衝突するし、選手らが今まで行ってきたトレーニングも無駄になる可能性がある。

さらに、選手の目標をも変更させ、あるいは「今年はあきらめてくれ」となるかもしれへん。それによりチームの士気が下がるという危険性もある。

また、物資の調達・輸送の面でも困難がつきまとう。各プロチームは主要なレースが開かれる地域の近くに装備や各種物資を保管する拠点をいくつか保有し、レース会場へスムーズに必要な物資を届けたりできるようにしている。

ところがレース中止となれば、その倉庫にある物資を他の倉庫へ移動させる必要がでてくる。そのためにはスタッフをそれ用に確保せなアカン。そのスタッフのスケジュール調整・編成も考える必要がある。

ストラーデ・ビアンケまで残り2週間を切っているけど、主催者側もチーム側も「動きたいけど動けない」し、「そもそもどうなるか誰もわからへん」という状況に陥ってるようやね。