レースでのコロナ対策の抜け穴・弱点とは?
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2020ジロ・デ・イタリア第10ステージ前に、チームの選手やスタッフを合わせて8名の新コロナ陽性が判明。ワールドツアーチームのミッチェルトン・スコットとユンボ・ヴィズマがジロから撤退することになった。
今年はツールでもジロでも厳格なコロナ対策を施している。それにも関わらず陽性が出たことは残念である。では、コロナ対策に抜け穴はなかったのか?感染しやすい場所が放置されているのではないか?すなわち、現状のコロナ対策のウィークポイントはどこにあるのか?
情報源:Team hotels could be the weak link in the Giro d’Italia’s defense against COVID-19
ウィークポイントその1
まずウィークポイントの1つ目は、選手らが宿泊するホテルである。
選手らが使うホテルは、一般の旅行客も普通に宿泊している。もちろんチーム側は一般客との接触を減らそうと努力はしているが、同じフロア、同じエレベーター、同じ階段、同じロビーを使う以上、完全に一般客と接触しないというのは不可能である。もしそれをするならば、ホテルを全てチームが一晩だけ借り上げるしかない。当然そんなことは費用の面でも不可能である。
さらに、コロナ対策として選手らへの接触の機会が制限されたマスメディアやファンたちが、ホテルのロビーで待ち受けていることも多い。UCIや主催者側はその支配下にあるレースのスタート地点やゴール地点での制限は行っているものの、ホテルに対してそのような制限を行うだけの権限は当然に持っていないので対処できていない。
このようにホテルがまず対コロナ対策の抜け穴、ウィークポイントの1つとなっているのが現状である。
ウィークポイントその2
ホテル以外でも一般人と接触する機会がある。特に選手以外のチームスタッフは、毎日の買い出し、ガソリン補充など、その他様々なチームのための日常業務を市街地で活動を行わなければならない。
そういった場面で、一般人との接触により感染する危険性もあるのだ。
またレースの場でも、選手以上に一般ファンと接触する機会が多いときもあろう。
このようにUCIや主催者側が管理できないレース以外の場で、外部の人間と接触する機会はかなり多いのである。いくらレースの場で感染対策を施そうが、どうしてもこれらの場面で感染の危険性は残存するのである。