鬼滅のアングリルをアウターで!?ピンクの「漢」が地獄のアタック!2020ブエルタ第12ステージ感想
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昨夜は2020ブエルタ第12ステージ。そしてついに登場した鬼滅の超超超級山岳アングリル。最大斜度23.5%!終盤はずっと20%以上が連続!
そんな第12ステージの感想を軽く。そして休息日あけ第13ステージの個人TTのコースの紹介と。
アングリルでギアをアウターにぶちこむピンクマン
そんな地獄の途中でギアをアウターにいれ、一気に加速した「漢」がいた。それがこの選手。
— Cycling out of context (@OutOfCycling) November 1, 2020
そう、チームEFのエースのヒュー・カーシー(Hugh Carthy)である。この日まで総合1位から58秒遅れ。だが、このアングリルの中でも最も地獄の区間で一気に加速。タイム差を削りにきた。
一方、ヒュー・カーシーのアタックの前には、イネオスのエースであるリカルド・カラパスもアタックをかけた。しかし仕掛けるタイミングが早すぎたのか、カラパスは途中で失速してしまう。まるでそれを計算していたかのようなヒュー・カーシーの攻撃。
この二人の攻撃にマイヨ・ロホを着るプリモシュ・ログリッチが反応できない。できないのか、あえてしないのか・・・
翌日が休息日で、その次はログリッチが圧倒的に得意とする個人TT(タイムトライアル)。多少タイムを失ってでも、TTで逆転可能であると考え、とにかく疲労を蓄え過ぎないように走ったのかもしれない。まだブエルタは続くのである。
ひょっとしたらログリッチはツール・ド・フランスで最後のTTで歴史的な逆転劇を許してしまったのがトラウマになっているのか?あるいはその失敗から学んだことを実践しているのか?あえて限界を超えようとしなかったのかもしれない。
このへんはたとえ本人が「限界でした」とのコメントを述べても、それが本音なのかはわからない。
ただ、ログリッチを最後の局面で引っ張りあげていたセプ・クス(Sepp Kuss)がやたら涼しい顔(いつもポーカーフェイスだが)で楽そうに23.5%とかを登っていたように見えた一方で、ログリッチはわりと必死に登っていたような感じがしたので、本当に限界だったのかもしれない。
またセプ・クスが頻繁にチームカーと無線でやりとりをしていたし、後ろのログリッチの様子を何度も何度も確認しながら走っていたので、チームの予想とは異なる事態が起こっていた可能性は高い。
第13ステージのコースプロフィール
なお休息日あけ第13ステージの個人TTのコースはこうなっている。
距離は33.7㎞と普通の距離だが、最後は登り(カテゴリー3)である。
その登りは距離1.8㎞で278m登る。平均斜度14.8%。まるで今年のツールのあのTTステージのようなコースとなっている。TTバイクからヒルクライムバイクへ乗り換える可能性は高いであろう。
第12ステージでマイヨ・ロホが移動したが、ログリッチがツール同様最後の坂で失速してタイムを大きく失うことになれば、逆転は難しくなる。
というのもこの第13ステージを終えると、山岳ステージはもう最終日前日の第17ステージだけである。大きなタイム差を縮められるチャンスがもう残されていないのである。