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AG2Rの予算とファンデンベルフなどの引退との関係

プロチームの予算増加がもたらす光と影

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AG2Rで走るステイン・ファンデンベルフが引退する。36歳のそのベルギー人はもう1シーズン、特に来春のパリ~ルーベまでは現役でいたいと思っていたが、それは叶わなかった。その背景には、来年からクラシックへ注力すべく舵を切るAG2Rの戦略の偏向とスポンサーの交代がある?

情報源:Ag2r-Citroën sponsor moves puts pinch on the unproven and unlucky

周知の通り来年からAg2r-La Mondialeは、Ag2r-Citroënへとチーム名が変わる。フランスの有名自動車メーカーのシトロエン(Citroën)がスポンサーとなるためである。

総合エースのロマン・バルデ(Romain Bardet)がSunwebへ移籍してしまうことを受けて、チームはグランツールの総合成績を捨て、ステージ優勝やクラシックでの結果を求める方向へ戦略を変更。同社のスポンサー就任により、AG2Rは予算が大きく増えたことで、クラシックに強いトップ選手を複数獲得することに成功。それが、グレッグ・ファン・アーベルマート(Greg Van Avermaet)、ボブ・ユンゲルス(Bob Jungels)、そしてミハエル・シェーアー(Michael Schär)たちである。

だが、予算が増えたといっても限度はある。それらトップ選手を獲得するために大金を使ってしまったがゆえに、結局はその他の選手に使える予算は減る。切り捨てざるを得ない選手も当然に出てきた。そのため、チームから契約の更新は無しと通告された選手も複数いる。

そのうちの1人が、ベテラン選手のステイン・ファンデンベルフである。他にもAG2Rから契約更新を拒否され引退となる選手は2名。クレメント・シェブリエ(Clément Chevrier)とアクセル・ドモン(Axel Domont)である。それぞれ28歳と30歳。引退するには早すぎる年齢である。ひょっとしたらどこかからまた声がかかるかもしれないが、現時点ではそのような情報はない。

このように引退を余儀なくされた選手もいれば、玉つきのようにAG2Rでの「椅子」を失った選手で移籍せざるを得なかった選手もいる。たとえそれがワールドツアーチームより下のカテゴリーのチームであったとしても。たとえば、イギリス人のハリー・タンフィールド(Harry Tanfield)がそうである。

タンフィールドはイギリスのコンチネンタルチームRibble-Weldtiteへ移籍する。

彼が言うには、他チームと移籍交渉を9月の終わりに始めたが、その時点でもう他のチームも選手との契約をほとんど終えていて、他チームからの移籍を受け入れる余裕はほぼなくなっていたらしい。

プロチームの予算が増えることそれ自体は喜ばしいように思われるが、だが世の中何ごとにも光と影があるように、予算増大の影響にも個々の選手レベルでは光と影があるもよう。

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