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昨年(というか今年の1月1日か)チームDSMからはマルク・ヒルシが突然の契約解除とチームUAEへの移籍となったわけだが、今年もチームDSMは複数人の契約途中解除(法廷闘争中も含めて)が話題となってきた。振り返れば同チームの前身となったサンウェブ時代はトム・デュムランも同じような経緯でユンボへの移籍となった。
選手とのチームとの溝が生まれやすい土壌がチームにあるのだろうか、選手に対するマネージメント能力がアレなのか、「契約途中解除といえばチームDSM」といった感がある。
そして有力選手も他チームへ移籍してしまう。今年のブエルタで活躍したマイケル・ストーラーはグルパマFDJへ、未来のグランツール優勝候補のジェイ・ヒンドレーはボーラへ。加えてティシュ・ベノートも契約の途中解除でユンボへ。同じくチームと揉めていた若き才能イラン・ファン・ワイルダーはクイックステップへ。
いくつもの才能が抜け出すチームにあってグランツールの大黒柱として活躍がこれまで以上に期待されるかもしれないのがフランスのトップクライマーのロマン・バルデ。
そんな事情のチームだが、バルデ本人は「チームの魂は今もそのままや!」と話す。
情報源:Romain Bardet says DSM team ‘spirit’ is still there despite series of rider departures
情報源記事でのインタビューでバルデは、現時点ではまだどのグランツールを狙うのかは決まっておらず、これからチームと話し合ってどの大会のコースが自分にあっているのかなどを分析し、狙うべき大会を決めるとのこと。
そしてチームとの関係は良好で、少なくとも彼にとっては、自分自身の成長を叶えてくれる正しいチームだと考えているようだ。たとえば、これまで彼はクライマーでグランツールエースであったために、スプリンターなどといっしょにレースをしてそのアシストをしたり、スプリンターとトレインを組んだりといった経験があまりなかった。しかしDSMではそうしたことも経験でき、とても楽しいと感じている。
さて、上述のような事情を抱えるチームDSMであるが、バルデはこう述べる。
The spirit is still there in the team
訳「(いろんな選手が抜けたりしても)チームの魂はいまもちゃんと残っている」
“I can’t make any other comment, except for me it is the right environment to perform at the highest level.”
訳「それ以上のコメントは特にないね。ただ1つ言えることは、自分にとってこのチームは最高のレベルで走れるちゃんとした場所やということやね」
これらの発言が本音か建前かはわからないが、どちらにしろグランツールでのチームの成功はやはりバルデ次第というのは来年も間違いないだろう。せめてもうひとりバルデと同じレベルでグランツールを戦えるエースがいればバルデの負担は減るだろう。クリス・ハミルトンたちの活躍に期待か?