2022ジロのヒンドレー優勝を支えた「新人」監督とは?
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2022ジロ・デ・イタリアでジャイ・ヒンドレー(Jai Hindley)の逆転劇とチームBora-hansgroheの強固なチーム力を支えた要素の1つとして、この冬にチームに加わったある一人の元プロ選手の存在がある。
監督として今年からBoraで働き、ジロでも監督をしていたのがイタリア人の元プロ選手、エンリコ・ガスパロット(Enrico Gasparotto)。その名前を覚えているロードレースファンは多いことだろう。
現役時代は、リクイガス、バルロワールド、ランプレ、アスタナ、ワンティ、バーレーン・メリダ、そしてディメンションデータとチームを渡り歩き活躍してきた選手。
2005年にはイタリアのロードレースチャンピオンに、そして2012年と2016年にはアムステル・ゴールド・レースで優勝を経験している。
2020年にディメンションデータで現役を引退した後はチームの監督業を開始。スイスの代表チームやコンチネンタルチームのNippo-Provence-PTSでチームのマネージメントや監督の研修を積み、学んできた。
上述のように、そんな彼が今年からBora-hansgroheで監督して加入。このジロ・デ・イタリアでも監督の一人としてチームカーから指揮を取っていた。
ガスパロット監督曰く、「ワールドツアーのレースで監督したのは、このジロが初めて」だったとのこと。そんな初体験の舞台で見事にヒンドレーが総合優勝とは、もってますねぇ!
このようにワールドツアレースでの監督という点では新人といってもいいだろう。
ただ実際には昨年のジロでその主催者であるRCS側のスタッフとして、監視や各所との調整にあたったりと運営の仕事をやっていたとのこと。それでレースを運営するというのがどんなに大変なことかわかったよう。その経験が今回の成功にもなんらかの形で役に立ったのかもしれない。
Bora-hansgroheは今回ガスパロットを含めて3人の監督をジロに派遣。その3人で仕事を共有したり、お互い助け合ったりしながらジロを乗り切った。
そしてガスパロット自身は初めてのワールドツアーの監督、しかもジロ・デ・イタリアという地元の最大の大会だったにもかかわらず、大会期間中はずっと冷静に仕事に集中できていたようだ。
それでもやはり最終週で自分の故郷に近づき、さらにヒンドレーの力走をみるとやはり感情的な高ぶりがあったようだ。しかし彼は全体として落ち着いて仕事を続けた。チームとしては総合優勝を狙うことだけに集中する戦略だったが、大会を通じてあまりプレッシャーは感じていなかったと話す。
ボーラはサガン頼みから脱却してステージレースの総合を狙うチームに上手いことスライドしてますね。
見事に戦略変更がうまくいったブヒね。
ここ数年少しずつ進めてきたものではあるけれど、このジロでは一気にそれが花開いたという感じブヒね。