ピドコック「ワウト・ファン・アールトはヤバすぎる」
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今年ツール・ド・フランスに初出場を果たしたイギリスの小柄な天才トム・ピドコック(Tom Pidcock)。身長170cm強の小さく細めの体に見えるが、東京五輪MTB金メダル、そしてシクロクロス世界王者でもある化け物だ。
だがそんな彼ですら舌を巻き、冗談を言うしかない強さを見せている選手がいる。シクロクロスでのライバル、ワウト・ファン・アールト(Wout van Aert)だ。
情報源:Tom Pidcock: Van Aert is playing with our balls at the Tour de France
昨日の第6ステージでは黄色の輝きをまとい、スタート直後の逃げ合戦に参加。途中から3人で逃げ続け、さらにその後は1人で逃げ続けた。結局終盤にプロトンに吸収されるまでずっと単独で爆走していた。
結果として(覚悟のうえで)マイヨ・ジョーヌを失ったわけだが、規格外の強さを見せつけたという点では驚きの走りだった。
そんなファン・アールトについてピドコックは次のように表現する。
“He’s playing with our balls, isn’t he? I don’t know what to say, really. He’s taking the piss, isn’t he?”
訳「彼はプロトンとじゃれあってるだけちゃう?彼が実際なんて言うか知らんけど、たぶんプロトンをからかってるだけちゃうの?」
ファン・アールトのあまりの強さに呆れて、ピドコックとしてはもう「ツールでの戦いも彼にとっては余裕のよっちゃんイカ」という冗談を言うしかない、そんな感じだろうか。
さて、トム・ピドコック自身は第5ステージのパリ~ルーベ石畳でしっかりとチームを守る働きをこなしていて、第6ステージでは最後の登りスプリントにも参加しステージ4位。それまでは割りとプロトン後方でひらひらしてるイメージがあったのだが、ここ2日間は前で走っていることが多くなったと思う。
ツール初体験ということで、チームの仕事をこなしつつも、グランツールの走り方、特に体力温存の方法・メリハリの付け方をいろいろ試行錯誤しているのかもしれない。
なお先日も書いたが、イネオスとしてはピドコックには「最小限の仕事だけしてくれればOK。あとは初めてのツールを楽しむことを最優先で」という方針で、彼には一切プレッシャーがないようだ。