SRAMがZippのホイール454 NSW特許紛争でプリンストン・カーボンワークスに敗訴
Share your love
数年前にSRAM傘下のホールブランドZippが発表した454 NSWは、のこぎりの刃のように波打っている独特の形状で世間を驚かせた。
そのZipp 454 NSWと同じような形状を採用し、そしてイネオスが使うホイールブランドがプリンストン・カーボンワークス(Princeton CarbonWorks)だ。
もう誰もが「そらそうよ」と予想していたことだろうが、まさにそのとおりに2年ほど前にSRAMがプリンストン・カーボンワークス側を訴え、両社の間で特許侵害の訴訟になっていた。
しかし、ついこの前に裁判所はプリンストン側はSRAMの特許を侵害していないと判断。SRAMが敗訴した。
情報源:Jury says Princeton Carbon Works wheels don’t infringe on SRAM’s patents
SRAMの同ホイールが使っているギザギザ?波状のデザインはDimitrios Katsanisが考案した2つの特許に基づくもので、1つは2017年に、もう1つが2020年に発表されたもののようだ。そしてKatsanisは英国のノッティンガムのMetron IP Limitedにその使用権を与え、さらにそのMetron IP LimitedがSRAMに使用権を与えたという経緯らしい。
そしてもともと、うねったデザインが横風など場合に空気抵抗を軽減するというアイデア自体(その一部?)は、1995年にJournal of Morphologyで発表された「Hydrodynamic Design of the Humpback Whale Flipper」という論文(?)から来ているようだ。
その訴訟は米国フロリダ州の地方裁判所で争われていたが、裁判所は結論として上述のようにプリンストン・カーボンワークスは、SRAMの特許を侵害していないと判断した(ただし厳密にいえば、SRAMの主張が一部認められた点もある)。