ユンボ・ヴィズマのタイヤ空気圧調整システムKAPS
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昨夜の2023ドワルス・ドール・フランデレン(Dwars door Vlaanderen)で、ユンボ・ヴィズマ(Jumbo-Visma)のエドアルド・アッフィニ(Edoardo Affini)が駆るサーヴェロ(Cervélo)S5のホイールに謎のパーツがついていたことが映像に捉えられた。
それはオランダのHubTech社が開発したKinetic Air Pressure System(KAPS)と呼ばれるタイヤ空気圧の管理・調整システムだ。
情報源:Team Jumbo-Visma trials KAPS adjustable tyre pressure system at Dwars Doors Vlaanderen
このKAPSは、ライド中にハンドルバーのボタンを押すと無線で信号が送られ、タイヤに自動的に空気を充填したり、逆に空気を抜くことが可能となるシステムで、ホイールの回転エネルギーを使ってパワーを得ているらしい。
一般的に、舗装状態のよい路面では空気圧は高めに、逆に石畳やグラベルでは少しタイヤの空気圧を低めにするのが定石。また雨の下りならばやはり空気圧は低めのほうが安全だ。そのようにF1でもそうだが、タイヤの空気圧は勝利に強く関係する要因となる。
いつぞやのパリ~ルーベでは、優勝したピーター・サガン(Peter Sagan)に負けた当時クイックステップのニキ・テルプストラがゴールしてすぐにサガンのバイクに近づき、そのタイヤを触って空気圧を確かめていたということがあった。あのときのテルプストラの表情は「ガチ」だった。
そこでレース中の路面状況にあわせて、自在に空気圧を調整できればかなりのアドバンテージを得られるだろう。それを実現するシステムがKAPSといえる。
この種のタイヤ空気圧管理・調整システムについては以前チームDSMについても、Scope Atmozというものを昨年の2022パリ~ルーベで投入するかもしれないと話題になっていた。覚えているだろうか?次の記事がそれだ。
ただDSMは実際にはそれを投入しなかったわけだが、今年ユンボ・ヴィズマは実際にパリ~ルーベでこのKAPSを投入するのだろうか?楽しみだ。
なお、エドアルド・アッフィニ(Edoardo Affini)は、まだ未発表のVittoria Corsaのチューレスタイヤを使っていたようだ。