ポガチャルはどうする？今夜の2023ツール・ド・フランス第20ステージのコースについて

ついに今年の2023ツール・ド・フランスも終わろうとしている。毎日同じこと表現を繰り返しているが、今年のツール・ド・フランスは初日からいつもの大会とは異なる異様なテンションで進んだ。もし今年のツール・ド・フランスを象徴する言葉を漢字一文字で表わせと言われれれば、それは「驚」だろう。

さてそんなツール今夜は最終日前日の第20ステージ。最後の山岳ステージだ。そのコースプロフィールは次のとおり。

超級山岳もなく距離も133.5kmと短いがぎっしりと山岳がつまっている。もちろん最大の要所は最後に連続する2つの1級山岳だ。その部分を拡大すると次のようになる。

登坂距離自体は2つともさほど長くはないが平均斜度がともに8％超えときつい。

総合優勝は99.99％ヨナス・ヴィンゲゴー（Jonas Vingegaard）で決まっているが、2位以下はこのステージで十分に変動があり得る。もう一度総合順位を確認してみよう。

2位ポガチャルと3位アダム・イエーツとの差は約3分、アダムと4位のカルロス・ロドリゲス（Carlos Rodríguez）との差は約1分半。

総合表彰台を狙う最後のチャンスとなる1日だが、やはり今日の鍵を握るのはタデイ・ポガチャル（Tadej Pogačar）だろう。彼はこの2日間でしっかり回復できているのかが最大の注目どころだ。もし今日も山で失速してしまうようならば、ポガチャルが表彰台から落ちることも十分あり得る。

そしてその場合はUAEはアダム・イエーツ（Adam Yates）の2位を狙うべく、彼にアシストを集中させるだろう。もちろんそこまでポガチャルの状態が酷くならなければ、二人の順位キープのために動くだろう。

そして昨日の段階で「明日はすごい1日になるだろう」みたいな予言？予告？めいたことを言っていたイネオスがどうUAEを攻撃するのか見ものだ。

さらにいえば、ヨナス・ヴィンゲゴー（Jonas Vingegaard）の動向も気になる。全く無理する必要はない現状だが、ポガチャルが攻撃をすればヴィンゲゴーもついていく可能性は大きいと思う。その場合今大会何度もみてきた二人だけのバトルとなるだろうが、そのときヴィンゲゴーはポガチャルに最後の勝利を譲るのか、それとも最後までガチで勝ちを狙いにいくのか。ライバルに敬意を払い一切手を抜かないままふたりでゴールを争う姿が見られるか期待したい。

優勝予想はポガチャルと言いたいところだが、第17ステージでも調子の良さをみせたサイモン・イエーツ（Simon Yates）！