トラマドール使用でAG2Rのアレックス・ボーダンがジロ失格処分へ
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鎮痛剤トラマドールについては、UCIが2019年3月から世界アンチ・ドーピング機構であるWADAとは独立して独自にその使用を禁止していた。
過去記事:UCIが3月1日から鎮痛剤トラマドールを禁止。トラマドールの効果とWADAとの対立。
そして昨年のツール・ド・フランス中にナイロ・キンタナ(Nairo Quintana)が使ったとして、キンタナはツールの成績を剥奪される処分を受けた。
過去記事:ナイロ・キンタナが禁止薬物使用でUCIからツール失格へ。総合6位も剥奪。トラマドールの使用が原因
だがWADAもその後方針を転換し、2024年からトラマドールを禁止薬物に指定する予定だ。
過去記事:WADAが方針転換か、トラマドールを禁止薬物リストに指定する予定?
そんなトラマドールについて、ナイロ・キンタナに続いて二人目となるグランツール失格処分が、AG2R Citroënのネオプロで22歳のフランス人アレックス・ボーダン(Alex Baudin) に課されることが発表された。
情報源:AG2R neo-pro Alex Baudin disqualified from Giro d’Italia after Tramadol positive
UCIからの発表によると、アレックス・ボーダンは今年の2023ジロ・デ・イタリア第17ステージの薬物検査で、トラマドールに陽性反応が出たようだ。
ただキンタナの場合と同様に、アンチ・ドーピングルールはWADAの基準に沿ったルールのため、アンチ・ドーピングルール違反というわけではない。今でも鎮痛剤としてトラマドールは使われていて、それは同ルールの違反とはならない。しかし上述のようにUCIはWADAとは独自にその使用を禁止しているため、たとえ鎮痛剤として使った場合でも、アンチ・ドーピングルール違反とならないが「UCI的には」アウトとなる。
そのため今回のアレックス・ボーダンについても、アンチ・ドーピングルール違反ではないが、UCI的にはアウトとなる。ただ、アンチ・ドーピング違反ではないこと、そして初犯であることの2点を踏まえて今後のレース出場禁止という処分にはなっていない。