【追記あり】ポガチャルも使用を否定から一転して肯定へ。ヴィズマやUAEは一酸化炭素リブリーザーを使っていたのか?
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昨日海外メディアEscape Collectiveから気になる記事が世界に公開された。それは、チーム・ヴィズマ・リースアバイクやUAEというトッププロチームが、選手のパフォーマンス向上のため高地トレーニングなどで一酸化炭素リブリーザーと呼ばれる機材を使っていたかもしれないというものだ。
情報源:Exclusive: Tour riders are inhaling carbon monoxide to optimise altitude training
一酸化炭素リブリーザーと言われても、正直「??」である。また一酸化炭素はその中毒でヤバいことになるというのは知っているが、一酸化炭素がなぜ選手のパフォーマンス向上につながるのか全くわからない。これは🐷の武勇伝だが、高校時代に文系で生物(選択)と化学(高1のときだけ強制)を授業で受けていたが、テストの点数は両科目ともに3年間一度も10点以上をとったことはなかった大天才である。そんな天才の🐷でもよくわからない。
一酸化炭素リブリーザーとは?
さて、そもそもリブリーザーというものはダイビングのときにつけるあの酸素ボンベやマスク?などの水中で呼吸するための機材を思い浮かべてもらうとイメージしやすい。
厳密に言えば閉鎖式(半閉鎖式)呼気循環装置というものらしい。口から吐き出された気体を上手いこと処理して再利用するための装置だ。それにより長い間潜水できる。
一酸化炭素リブリーザーは、おそらく一酸化炭素の処理に特化した(?)リブリーザーなのだろう。次の動画を参考にしてほしい。
使用したチームや選手
Escape Collectiveの取材によれば、少なくともチーム・ヴィズマ・リースアバイク、チームUAE、そしてイスラエル・プレミアテックの3チームがこの一酸化炭素リブリーザーを使っていたらしい。
ただその使い方は、高地トレーニングの効果を最大化させるために血中の物質データなどを測定することだけに使ったとのことだ。
ヨナス・ヴィンゲゴーも母国デンマークの新聞紙Plitikenによるインタビューで使っていたことを明らかにし、「何も疑わしいことはない」と述べている。
一方でポガチャルは、「なにそれ?車の排気ガスを吸うってこと?よくわかんない。自分が単に物を知らなすぎるだけかもね」と簡潔に使用を否定したもよう。使ったことに気づいていないのか、すっとぼけているだけなのか。
(追記:この記事を書いたあとにポガチャルはただのテスト目的で使ったと使用を肯定した。→‘It’s just a pretty simple test’ – Tour de France leader Tadej Pogačar confirms use of carbon monoxide rebreather)
なお他にどのような選手が使ったのかは明らかにされていない。
問題点
その効果と身体への悪影響は?
一酸化炭素リブリーザーを使う効果としては、一酸化炭素を吸い込むことで、Vo2maxや最大酸素摂取量の向上など有酸素能力が大きく向上する効果が見込めるという点にあるらしい。
一方で問題としては、やはりたとえ科学的に高度な機材を使っていたとしても一酸化炭素を吸い込むことは身体に悪影響が出る可能性がないとは言えないのではないかという点だ。一酸化炭素の毒性は誰もが知るところ。一歩使い方を誤れば重大な事態を招くかもしれない。
よって問題の本質は伝統的なドーピングと同じだろう。結局、選手の体にとって悪いのではないかということだ。
ルール違反なのか?
まずルール的にいえば世界アンチ・ドーピング機構WADAによって禁止されている機材にはあたらない。よってルール的には使用に問題はない。