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Rapha









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クリス・フルーム「まだ現役を続けたい」
かつてツール・ド・フランスで憎らしいほどの強さを誇ったと言ってもいいであろうチームSky、そしてそのエースでツールで総合優勝4勝をあげてきたクリス・フルーム。そんな彼もすでに40歳で、今年かぎりで所属チームのIsrael-PremierTechとの契約が切れる。
年齢的にも今年かぎりで引退かと囁かれている状況だったが、本人は今回正式にメディアに対して、現時点では現役続行の意向を示した。
クリス・フルームは2019年にクリテリウム・デュ・ドーフィネ参戦中に落車し大怪我を負って、その年と翌年のツールは出場できず、2020年のブエルタ・ア・エスパーニャでグランツールに復帰。そして2021年にIsrael-PremierTechへ移籍。2021年ツール・ド・フランスでは総合97位。
フルームが出場できなかった2019年ツールはチームメイトだったエガン・ベルナルが優勝、同じくゲラント・トーマスが準優勝でINEOS Grenadiers勢でワンツーフィニッシュを成し遂げた。
だが翌年の2020年からついにロードレース界が別次元の新時代に突入する。そうタデイ・ポガチャルたちの台頭だ。2020年ツールの覇者はタデイ・ポガチャル。プリモシュ・ログリッチを最後の個人TTで大逆転したあの年だ。そして2021年からタデイ・ポガチャルとヨナス・ヴィンゲゴーの二強時代が始まった。
クリス・フルームは先日まで開催されていたツール・ド・ポローニュに若手とともに出場。総合成績は68位で完走している。もはや過去の人と言うような存在になってしまったフルームだが、それでもそのポローニュで毎朝大勢のファンが彼を取り囲みサインや写真を求めていたらしい。勝負には全く絡めなくなった今でもフルームがレースに出場することの価値は今でも大きいようだ。
またフルームは、
“It’s not easy for me — the age difference is something I definitely feel — but so far I’ve enjoyed racing alongside the younger guys,”
訳「自分にとっては簡単なことちゃうけどね、年の差というものを明らかに感じることあるし。でも若手とレースをいっしょに走るのは楽しいよ」
と語り、レースでの勝利どうこうよりも若い才能とともにレースをすることに意義を見出しているようだ。
そんな彼が今年限りで引退するとの表明することを現時点ではしようとは思っていないとはいえ、契約してくれるチームが現れないと現役続行も難しい。現時点では新しい契約相手がどこそこだという情報もない。
そしてフルームは引退後はアフリカで自転車のアカデミーを開くという目標を持っている。マラソン界のようにアフリカ出身の優れた黒人選手を多く輩出していきたいようだ。フルーム自身がケニアのナイロビで育った経歴なので、やはりアフリカには特別な思いがある。
上述のように現時点ではまだ実際に現役続行できるかは不明だが、それでも簡単に引退する気はなさそうだ。