レビュー
Rapha






Enter your email address below and subscribe to our newsletter

2025ブエルタ・ア・エスパーニャ第20ステージはデモによるレース妨害が発生も、ヨナス・ヴィンゲゴーがステージ優勝し、総合優勝を実質的に確定
2025ブエルタ・ア・エスパーニャもついに昨夜の第20ステージが最終決戦。しかしそんな重要な日を混乱が襲った。後半にまたもや親パレスチナデモの集団がレースを妨害したのだ。
そんな混乱を乗り越え、その日最後の超級山岳で今大会の雌雄が決した。
目次
コースやレース展開のプレビューと優勝予想は「獲得標高4226 m!今夜の2025ブエルタ第20ステージのコースプレビューと優勝予想」で。


今日はいきなりスタート直後からINEOS Grenadiersのフィリッポ・ガンナとエガン・ベルナルが二人で飛び出すなど、昨日とはうってかわり大規模な逃げ集団が形成される。その数、約40名弱。
その逃げには、山岳賞3位のルイス・フェルヴァーケをはじめ、ブイトラゴ、ベルナル、ランダ、チッコーネなどなど予想通りのつよつよメンバーが揃う。
🏁- 112 km | Stage 2️⃣0️⃣ – Etapa 2️⃣0️⃣ | #LaVuelta25
— La Vuelta (@lavuelta) September 13, 2025
🚴♂️🚴♂️ The breakaway has an advantage of 1'40"! Here are our 36 escapees | Los 36 escapados del día, con 1'40" sobre el pelotón
🇨🇴 Santiago Buitrago
🇨🇴 Egan Bernal
🇫🇷 Bruno Armirail
🇮🇹 Giulio Ciccone
🇮🇪 Eddie Dunbar
🇪🇨 Harold… pic.twitter.com/C7aUK6mCJ9
そしてやはりこれも予想通りだがUAEは誰も逃げに乗せなかった。まさに総力をあげてアルメイダをアシストするつもりだ。同時にプロトンはそのUAEがコントールし、逃げとの差を必要以上にあけないよう支配。確実にステージ優勝をアルメイダで狙う方針が明らかとなった。


残り50kmで登場する1級山岳のPuerto de Navecerradaは逃げ集団がプロトンから1分差で通過。プロトンはやはりUAEがずっと先頭でコントロール。上述のように最後の超級山岳でアルメイダでステージ優勝を狙うためにペースを刻み続ける。
このあと最後の決戦の舞台超級山岳Bola del Mundoに向けて逃げ集団は次の5名に絞られる。




🐷「おおおおおおおおいいい!!!」
🐷「でもよくみたら、プロトンのための迂回路は確保したうえで道路封鎖しようとしている??」
🐷「あ、なんだそれならヨシ!・・・なわけないやろ!」

上の妨害地点を抜けたところで逃げ集団からミケル・ランダがアタックするが、超級Mundoに入るとチッコーネとベルナルが合流。

チッコーネがアタック!ランダとベルナルを引き離す。

だがそのランダも強い!ここから淡々と1人で差をつめてチッコーネを捕まえる。今日のランダは気合の入り方が違う。
そして残り7kmで、UAEはフェリックス・グロスシャートナーが牽引を終えて残るアシストは山岳賞1位のジェイ・ヴァインのみという状態に。しかしTeam Visma | Lease a Bikeは、ジョーゲンソン、クス、トゥレットらが残る。
だがここからのジェイ・ヴァインの引きが強力だった。そのペースについていけないジョーゲンソンをはじめ、何人かがメイン集団から遅れていく。

その中には、なんと新人賞1位のジュリオ・ペリツァーリが。これは非常にまずい。新人賞2位のマシュー・リッチテッロがメイン集団に残っているからだ。しかもペリツァーリはどんどん離れていき、なんと1分近くの差がついてしまう。最後の最後で新人賞を失うのか!?

残り3kmでランダとチッコーネはメイン集団に捕まり、同時にジェイ・ヴァインも仕事を終えて、ここから総合争いがスタート。

ジョアン・アルメイダが先頭で登っていくが、途中でジャイ・ヒンドレーが先頭にたちペースアップ。20%が断続的に登場する凶悪な区間で、しかもアスファルト舗装されていない路面。ところどころグラベルのような状況もあるまさに地獄の酷道だ。
総合4位のジャイ・ヒンドレーの動きは約40秒差で総合3位のトム・ピドコックを蹴落とそうとするためのものだ。ピドコックは何度も遅れそうになるが総合3位を守るため必死に集団最後尾にくらいつく。そんな彼の今日の走りはまさに「死守」という表現がふさわしいほど。

残り1km、ヴィンゲゴーいったああああああああああああああ!

ヴィンゲゴーがそのまま凶悪な激坂区間を征服しステージ優勝。やはり最後はヴィンゲゴーだった。これで優勝予想は的中。

残り3kmからの区間で遅れたリッチテロもフィニッシュ前ではきっちりヒンドレーたちに追いつき、なんと最後の最後で新人賞1位を奪い取り、しかも総合5位でフィニッシュ!
今年のブエルタでは2023ツール・ド・ラヴニールで総合上位に入った若手(リッチテロ、ペリツァーリ、ルセルフたち)が好走を見せ、その世代の才能の高さを示したと言える。23ラヴ(にー・さん・らぶ世代」と呼ぶことを提案したい。
リッチテロはアメリカ出身。つまりセップ・クスに続いて将来的にグランツールで総合優勝をとれる総合系の若き天才がこのブエルタで見事に羽ばたいたと言える。アメリカの時代がきてしまうのか?
| 順位 | 選手 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|---|
| 1 | Jonas Vingegaard | Team Visma | Lease a Bike | 1位との差 |
| 2 | Sepp Kuss | Team Visma | Lease a Bike | 0:11 |
| 3 | Jai Hindley | Red Bull – BORA – hansgrohe | 0:13 |
| 4 | Thomas Pidcock | Q36.5 Pro Cycling Team | 0:18 |
| 5 | João Almeida | UAE Team Emirates – XRG | 0:22 |
| 6 | Matthew Riccitello | Israel – Premier Tech | 0:24 |
| 7 | Jay Vine | UAE Team Emirates – XRG | 0:47 |
| 8 | Giulio Ciccone | Lidl – Trek | 1:11 |
| 9 | Junior Lecerf | Soudal ー QuickStep | 1:22 |
| 10 | Finlay Pickering | Bahrain Victorious | 1:30 |
| 順位 | 選手 | チーム | タイム差 |
|---|---|---|---|
| 1 | Jonas Vingegaard | Team Visma | Lease a Bike | 1位との差 |
| 2 | João Almeida | UAE Team Emirates – XRG | 1:16 |
| 3 | Thomas Pidcock | Q36.5 Pro Cycling Team | 3:11 |
| 4 | Jai Hindley | Red Bull – BORA – hansgrohe | 3:41 |
| 5 | Matthew Riccitello | Israel – Premier Tech | 5:55 |
| 6 | Giulio Pellizzari | Red Bull – BORA – hansgrohe | 7:23 |
| 7 | Sepp Kuss | Team Visma | Lease a Bike | 7:45 |
| 8 | Felix Gall | Decathlon AG2R La Mondiale Team | 7:50 |
| 9 | Torstein Træen | Bahrain – Victorious | 9:48 |
| 10 | Matteo Jorgenson | Team Visma | Lease a Bike | 12:16 |
| 総合1位 | Jonas Vingegaard(Team Visma | Lease a Bike) |
|---|---|
| ポイント賞1位 | Mads Pedersen(Lidl – Trek) |
| 山岳賞1位 | Jay Vine(UAE Team Emirates – XRG) |
| 新人賞1位 | Matthew Riccitello(Israel – PremierTech) |
前日のヴィンゲゴー「我々は守備的に戦う」
↓
本日のヴィンゲゴー「ヒャッハー!もう我慢できねえええええ!!!!!」
100%の状態ではなかったとはいえやはり決めるべきところはきっちり決めるヴィンゲゴーは流石ですし、最終週少し体調を崩してしまったようですがアルメイダも強かった(アルメイダがツールリタイアしていなかったらポガチャルは何分差をつけていたんだ…??)
ペリツァーリ残念…。リッチテッロも今年で契約が切れるようですし、情勢が情勢だけに移籍の可能性高そうですがどこに行くんですかねぇ……(イネオス、EF、リドルあたり?)
いやー昨日の激坂決戦は熱かったブヒね。ヴィンゲゴーはさすがというしかなく。
レース後にセップ・クスが「ヴィンゲゴーは体調不良で咳ばかりしていた」と明かし、総合1位と2位がそろって万全な体調ではなかったようブヒね。
もし100%状態だったらどうなっていたのか。
リッチテロはこの結果で契約金もあがりそうブヒね。アメリカの超新星だけにアメリカチームに行ってほしいけど、どうやらDecathlon AG2R La Mondialeが確実視されているようブヒね。
うーん。ピドコックがグランツールでここまで堅実に走れるなんて意外でしたね(笑)
ピドコック自身「キャリア史上最高の走りだった」と言ってて、ひょっとした本人自身もここまで粘って走れるとは思ってなかったかもしれないブヒね。
これは来年のツール・ド・フランスも楽しみになってきたブヒね