絶壁で完璧!!2023フレッシュ・ワロンヌの感想、ハイライト動画、結果
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アルデンヌ・クラシック第2戦、ユイの壁決戦のフレッシュ・ワロンヌ。最後のユイの壁が最初で最後の勝負どころで、周回コースの最後のユイの壁スプリントだけ見とけばいいみたいな空気感のレースではあるが、逃げ切り優勝が全くなかったということはない。20年前の2003年に逃げ切り勝利があった。
その時の動画がこちら。
そして今年も最後まで逃げを諦めない戦士たちがいた。
一方プロトンはUAEが完全支配という展開。もちろん最大の関心事はタデイ・ポガチャル(Tadej Pogačar)のアルデンヌ・クラシック2連勝なるかどうかだ。
そんな2023フレッシュ・ワロンヌはあまりにもパーフェクトなレースに絶句という結果になった。
目次
コース
コース、出場選手、2000年以降の優勝者リストなどは次の記事にまとめてあるので、見てもらいたい。
感想・ハイライト
1回目のユイの壁
残り75kmで登場する1回目のユイの壁だが、ここで前評判の高かったグルパマFDJのクライマー、ダヴィ・ゴデュ(David Gaudu)がプロトンから遅れてる映像が映る。そしてその後すぐにリタイアの情報が入った。おそらく体調が悪かったのだろう。
2回目のユイの壁
そして2回目のユイの壁では、その登りの後半でアスタナが動く。アスタナのサムエーレ・バティステッラ(Samuele Battistella)が加速し、プロトンから飛び出す。
いったんバティステッラは足を緩めプロトンを待つような感じを見せたが、その後再び加速。そしてその彼をフォローしたのはスーダル・クイックステップのルイス・フェルファーク(Louis Vervaeke)だけ。この二人が、先頭を逃げるセーアン・クラーウ・アナスン(Søren Kragh Andersen)とゲオルグ・ツィマーマン(Georg Zimmermann)をつかまえて逃げが4人となる。
20年ぶりの逃げ切り優勝なるか?残り10kmで40秒差!
逃げの4人からゲオルグ・ツィマーマンが脱落するが残りの3人が快調に逃げ続け、プロトンとの差がなかなか縮まらないまま残り10kmとなる。逃げとプロトンとの差は40秒。たしかに通常のロードレースならば10km1分の法則があるので、ユイの壁という勝負どころがまだ控えているとはいえ40秒差だと厳しいか?
ゲットしたボトルをすぐ捨てる!#ロードレース #ロードバイク #スポーツ #自転車 #ツール・ド・フランス #ジロ #ブエルタ #jspocycle pic.twitter.com/2gd08mVHil
— ワイアードの豚@ロードバイク (@BikeNewsMag) April 19, 2023
残り20km:集団落車!
メイン集団前方で落車が発生…
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) April 19, 2023
その隙にサム・オーメン(TJV)が速度をあげる!
Cycle*2023 ラ・フレーシュ・ワロンヌ🏹
【エルベ 〜 ユイ】
〜J SPORTSオンデマンドでLIVE配信中〜https://t.co/rTGObVbG4e#FlecheWallonne #jspocycle pic.twitter.com/m6Bpt19gfO
Mr.パーフェクト!最後のユイの壁!
残り10kmをきると、プロトンが急速に差をつめていく。同時に先頭の3人からはクイックステップのルイス・フェルファークが地元アタック!その後方ではプロトンが脱落した二人を吸収し、フェルファークを追う。
フェルファークはラスト1kmまで粘るが、ついにユイの壁のふもとでプロトンに捕まる。そしてそこから最初で最後の勝負がスタート!
その最後のユイの壁は次の動画でどうぞ。
⏮ Revivez le dernier kilomètre de la 🏹#FlecheWallonne 2023, remportée par @TamauPogi
— La Flèche Wallonne (@flechewallonne) April 19, 2023
⏮ Relive how Tornado @TamauPogi won the 2023 #FlecheWallonne 🏹 pic.twitter.com/CHa8B4zxYU
🐷「アカン、強すぎる(3日ぶり今年10回目ぐらい?)」
もうね、UAEによるプロトン管理、そしてユイの壁まで完璧にポガチャルをアシストするチーム力と手際、さらに絶対的エースであるポガチャルのスプリントのタイミングの完璧さ、ヘルメットからハミだしたポ毛の具合など、全てがパーフェクト。ポガチャルの強さと実績も含めて、ミスター・パーフェクト!
ポガチャルは昨年と2020年のフレッシュ・ワロンヌでは仕掛けるタイミングが早すぎて最後に失速していた。
しかし、今年は上の動画でわかるように、最後の最後まで、ゴールの手前200mあたりまで我慢。先に動いたロマン・バルデを利用するかのようなスマートさをも感じさせ、完璧なタイミングで完璧に爆発。教科書に載せてもいいほどの模範的ユイの壁スプリントを披露し、圧勝。これまでの反省点を完璧に修正してきた。
誰もがポガチャルを意識していたのか、多くの選手が早めにスプリントをかけあうようなカオスな状況にならなかったのもポガチャルに味方したかもしれない。カオスになれば選手同士の接触という危険性もあるし、ポガチャルも行き場を失うなどのおそれがあったからだ。そういった意味では運も味方していたのかもしれない。
以上のように今年のフレッシュ・ワロンヌはまるでポガチャルのためにあつらえられた、ポガチャルのための大会だったのかもしれない。結果論だが、勝つのは必然だったのではと思えるほどの完璧さだった。
さてこれでポガチャルはアルデンヌ・クラシック2連勝を達成。残るは最後の第3戦、モニュメントの1つ、リエージュ~バストーニュ~リエージュ(Liège-Bastogne-Liège:LBL)だけだ。そしてそこでは、クイックステップの至宝、現世界王者のレムコ・エヴェネプール(Remco Evenepoel)がポガチャルを迎え撃つ!エキサイティン!
昨年のリエージュはレムコが優勝、2021年はポガチャルが優勝。今年はどっちだ?はたまたダークホースが?
結果(トップ10)
1 | Tadej Pogačar | UAE Team Emirates | 1位との差 |
2 | Mattias Skjelmose | Trek – Segafredo | ,, |
3 | Mikel Landa | Bahrain – Victorious | ,, |
4 | Michael Woods | Israel – Premier Tech | 0:03 |
5 | Giulio Ciccone | Trek – Segafredo | ,, |
6 | Victor Lafay | Cofidis | ,, |
7 | Tiesj Benoot | Jumbo-Visma | ,, |
8 | Maxim van Gils | Lotto Dstny | ,, |
9 | Romain Bardet | Team DSM | ,, |
10 | Warren Barguil | Team Arkéa Samsic | ,, |