英国からコンチネンタルチームが完全消滅。Trinity Racingに続きSaint-Piranも消滅へ
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最近になって、コロナ禍やイネオスの低迷などによりイギリスのロードレース人気が低落トレンドにあると報道されてきた。そうした状況下で少し前に、トム・ピドコックやベン・ヒーリーを輩出してきたイギリスのコンチネンタルチームのTrinity Racingが今年限りでそのロードレースチームを畳むことが発表された。下の記事を再び見てほしい。
→【英国に衝撃】ピドコックやヒーリーのいたTrinity Racingロードチームが消滅
その記事でイギリスの最後のコンチネンタルチームとしてSaint Piran Pro Cyclingが残っていると書いたが、なんとそのSaint-Piranもまた今年限りで消滅する。同チームのインスタで次のように発表されたのだ。
チームSaint-Piranはイングランドのコーンウォールに拠点を置くチームで、チーム名は宗教上の守護聖人からつけられ、2021年からロードレースチームとして活動してきた。
このインスタで語られている言葉で注目したいのが次の2箇所だ。
With a tough season behind us, and more recently turbulent media coverage hitting sponsorship opportunities for next year
訳「今年はタフなシーズンで、さらに最近になってメディア放映権の問題が来年に向けたスポンサー獲得を難しくした」
Sadly the UK cycle industry is not strong enough as yet and the business is still in its infancy to be in a position to underpin the demands of UCI Continental racing as it stands today.
訳「悲しいことに英国の自転車産業はまだ弱いままで、ビジネスとしてもまだまだ幼児のような段階で、現在のとおりUCIコンチネンタルチームとしてレースをできるレベルでしかない」
このような言葉からすると、チーム閉鎖の理由は、1つにスポンサー獲得ができなかったこと、2つに英国の自転車産業界の低迷だ。
後者については、英国のEU脱退という事情と、コロナ禍の混乱が招いた大量の在庫(負債)という事情の2つが大きな影響を及ぼしていることだろう。
これで上述のように英国のコンチネンタルチームが完全になくなってしまった。これから自転車産業界とともに英国のロードレースシーンは低迷期に入っていくのだろうか。