レビュー
Rapha




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2025ジロ・デ・イタリア第14ステージはカスパー・アスグリーンが170kmの逃げ切りでステージ優勝。総合上位勢は集団落車での分断が明暗を分ける結果に。
昨夜の2025ジロ・デ・イタリア第14ステージはイタリアからタデイ・ポガチャルやプリモシュ・ログリッチの国スロベニアへ移動するステージ。若干の雨模様とはいえ、いつもどおりの平坦ステージとなると思われていたが、まさかのとんでもないステージとなった・・・
目次
コースプレビューと優勝予想は記事「本日ピナレロからポガチャルへ。2025ジロ第14ステージのコースプレビューと優勝予想」にて。

今日の逃げは結局終盤まで残ったのは3名で、EF Education-EasyPostのカスパー・アスグリーン、VF Group – Bardiani CSF – Faizanèのマルティン・マルチェルージ(Martin Marcellusi)、そしてTeam Polti VisitMaltaのミルコ・マエストリ(Mirco Maestri)の3名。
だがプロトンは平坦ステージであるがゆえに決して大きなタイム差を容認することなく、1~2分のタイム差をキープして追走を続ける。

逃げとの差が1分を切り、いよいよプロトンが逃げを完全吸収かと思われた残り22kmで悪夢がプロトンを襲った。市街地の路上で集団落車が発生したのだ。


この落車に有力選手が軒並み巻き込まれる事態に。まずLidl-Trekでこの日のステージ優勝候補筆頭のマッズ・ピーダスンがバイク交換でストップ。

さらにチームの総合エース、ジュリオ・チッコーネがひどく落車したのか立ち上がれない状況に!
🐷「アカン、これアカンやつや・・・チッコーネここで終わりか・・・」

その後チッコーネはなんとか立ち上がるもかなり痛そうな様子。それでもスタッフにヘルメットを被せてもらいレース復帰へ根性を見せる。チームメイトもそんな彼を待つ。

チッコーネなんとかレースに復帰!
🐷「うおおおお!チッコーネやれんのか!」
メディカルカーに捕まりながら冷却スプレーかなにかを太ももあたり?に噴射してもらう処置を受ける。だがレースに復帰しても6分以上の遅れを喫してしまった。残り距離、彼の負傷の状況からすればもう挽回は不可能。事実上彼の総合争いはこの瞬間に消滅。
正直🐷はもう立ち上がったときに今大会の総合表彰台は無理だと考えリタイアすると思っていた。だがイタリア人の魂がそれを許さなかったのか、なんとかこの日はフィニッシュをしようという意地が見える。しかしそれでも明日出走できるかは微妙と言わざるを得ない。明日は本格的な山岳ステージで今日よりもずっと厳しいステージとなるからだ。

この落車に巻き込まれなかったのが、Team Visma | Lease a Bike勢。ワウト・ファン・アールト、サイモン・イエーツ、オラフ・コーイたちが無事。他にもEF Education-EasyPostのリチャル・カラパス、アルペシン・ドゥクーニンクのカーデン・グローブス、Q36.5のトム・ピドコック、Team Picnic PostNLのロマン・バルデたち、Israel-PremierTechのデレク・ジーといった面々が無事だった。
これらはTeam Visma | Lease a Bikeが先頭で牽引して逃げの3名を追う。

そして「また落車に巻き込まれたのか・・・」と全世界が思ったであろう、プリモシュ・ログリッチが今日も落車に巻き込まれていた。ただ負傷しているような様子はなく、すぐにレース復帰していたようなので失うタイム的には最小限で済んだ。
このログリッチグルールの後方には、おなじく落車に巻き込まれたUAEのエースの一人フアン・アユソーも。UAEのアシストが彼を引き上げ、ログリッチグループとの合流を果たす。

🐷「チベリ・・・」
アントニオ・チベリも落車に巻き込まれ、Bahrain Victoriousが総力を挙げて彼を引き上げようとする。
この日までは総合首位のアイザック・デル・トロから1分18秒遅れで3位につけていたアントニオ・チベリだったが、結局この日だけで2分近くタイムを失ってしまう。ここまで非常に上手く走れているようだったのに、一瞬で絶望の谷に蹴り落とされてしまった。
協力して逃げていた3名から残り6kmでついにカスパー・アスグリーンがアタック!最後の力を振り絞り、2021ロンド・ファン・フランデレン優勝のTTスペシャリストが独走に持ち込む!

だが追走集団との差は15秒前後!Team Visma | Lease a Bikeもワウト・ファン・アールトが前に出てオラフ・コーイのために、同時に総合成績という観点でサイモン・イエーツのために協力に前を引く。
だがワウトの強力な牽引も残り4kmあたりで終了、ワウトは仕事を終え後方へ下がる。そこからは総合エースのサイモン・イエーツが追走集団を牽引。
だが相手はTTスペシャリスト。たしかにアスグリーンは170kmを逃げ集団で過ごしていたため疲れているのは確か。それでもTTスペシャリストのガチ踏みに対して、クライマーのサイモン・イエーツでは不利と言える。またほんのフィニッシュまで少しの下り基調だったことがアスグリーンに味方する。

残り4kmで追走集団がアスグリーンの背後に見える!ただ追走集団もTeam Visma | Lease a Bike以外のチームが協力する気配がない。
🐷「アスグリーンすげえええええええ!!!」
今回のアスグリーンの優勝には、やはりあの落車が大きく影響しただろう。あそこでプロトンが分断されなければ、そしてLidl-Trekが巻き込まれていなければ、アスグリーンの逃げも確実に潰されていただろう。
だが勝つときには運も必要。そして最後に独走へ持ち込むだけの実力も必要。レース前は誰もが逃げが勝つなんてミッション・インポッシブルだと思っていたに違いない。🐷もそうだった。
そんな不可能な任務を生き抜いたアスグリーンに、ただただ脱帽だ。
そして総合上位勢だが、ログリッチとアユソーは同じグループでフィニッシュ。ログリッチはアイザック・デル・トロに対して50秒弱を失い、アユソーはサイモン・イエーツに総合順位を逆転されてしまい3位に後退した。
そしてこの日まで総合3位だったアントニオ・チベリはアスグリーンから2分遅れでゴール。総合順位は上述のように3分02秒遅れの8位まで後退してしまった。
なおジュリオ・チッコーネは最下位グループで1位から16分14秒遅れでこの日の完走を果たした。総合成績で2分20秒差の7位だったが、この日の結果を受けて18分18秒差の27位まで落ちてしまった。
| 1 | Kasper Asgreen | EF Education – EasyPost | 1位との差 |
| 2 | Kaden Groves | Alpecin – Deceuninck | 0:16 |
| 3 | Olav Kooij | Team Visma | Lease a Bike | ,, |
| 4 | Orluis Aular | Movistar Team | ,, |
| 5 | Stefano Oldani | Cofidis | ,, |
| 6 | Mirco Maestri | Team Polti VisitMalta | ,, |
| 7 | Derek Gee | Israel – Premier Tech | ,, |
| 8 | Thomas Pidcock | Q36.5 Pro Cycling Team | ,, |
| 9 | Richard Carapaz | EF Education – EasyPost | ,, |
| 10 | Frølich honoré Mikkel | EF Education – EasyPost | ,, |
| 1 | Isaac del Toro | UAE Team Emirates – XRG | 1位との差 |
| 2 | Simon Yates | Team Visma | Lease a Bike | 1:20 |
| 3 | Juan Ayuso | UAE Team Emirates – XRG | 1:26 |
| 4 | Richard Carapaz | EF Education – EasyPost | 2:07 |
| 5 | Primož Roglič | Red Bull – BORA – hansgrohe | 2:23 |
| 6 | Derek Gee | Israel – Premier Tech | 2:54 |
| 7 | Damiano Caruso | Bahrain – Victorious | 2:55 |
| 8 | Antonio Tiberi | Bahrain – Victorious | 3:02 |
| 9 | Egan Bernal | INEOS Grenadiers | 3:38 |
| 10 | Thymen Arensman | INEOS Grenadiers | 3:45 |
| 総合1位 | Isaac Del Toro(UAE Team Emirates – XRG) |
|---|---|
| ポイント賞1位 | Mads Pedersen(Lidl – Trek ) |
| 山岳賞1位 | Lorenzo Fortunato(XDS Astana Team ) |
| 新人賞1位 | Isaac Del Toro(UAE Team Emirates – XRG) |