レビュー
Rapha


Enter your email address below and subscribe to our newsletter

秋になって勝ちまくるポール・マニエの強さの秘密とは?シーズン前半でのトレーニングの失敗とその改善について
昨日のツアー・オブ・グアンシーで3日連続のスプリント勝利を飾ったスーダル・クイックステップの新進気鋭のスプリンター、ポール・マニエ(Paul Magnier)。そんな昨日の第3ステージのラスト1kmからのシーンがこちら。
個人的にはマニエはについてはピュアスプリンターとは思っていないのだが、それでも並み居る強力なスプリンターたちを抑えて三連続勝利となっている。
そんな彼だがシーズン当初は間違ったトレーニングをしていてそれが結果に結びつかなかったと、彼のコーチが明らかにした。
昨日の勝利でポール・マニエは今シーズン17勝。
そんなマニエだが9月になってから勝ちまくっている。9月のレースのオコロ・スロベンスカ(ツール・ド・スロバキア)では第1ステージから第4ステージまで破竹の4連勝。
さらに9月30日~10月5日までのクロ・レース(クロアチアの6日間のステージレース)では、第1ステージから第3ステージで3連勝。そして第5ステージでも優勝、合計4勝。
勝ち星について秋になってから怒涛の積み上げを見せている。秋のスプリンター(オータム・スプリンター)?落ち葉のスプリンター?
こうした活躍により今彼は2025年度の年間勝利数ランキングで2位となった。彼の上はただ1人しかいない。そのトップはタデイ・ポガチャルで20勝。
秋になって覚醒したポール・マニエだが、シーズン前半でも強い走りを見せることはあったが、彼が最も欲しい結果がでなかった。
彼を見出したSoudalーQuickStepのマッサーのJohan Mollyは、その原因を語るにおいて、特に今年の春のクラシックの名物レース、ヘント~ウェヴェルヘムでマニエが失速したシーンを象徴的な例として挙げる。
そこではケンメルベルグの登りのあとすぐにマニエが失速したシーンについて指摘しながらマニエは昨冬のシーズンオフから間違ったトレーニングをしていたと説明し、次のように語る。
“Over the winter, Paul trained a lot on intensity, but not on endurance. That meant his energy tank was always empty too quickly. He looked like a bodybuilder. Tim (Merlier, ed.) was worried and told Paul not to overdo it.”
訳「冬の間、ポール・マニエは高強度トレーニングを中心にしていて、長時間の耐久力を挙げるトレーニングが不足してたんよ。それが原因でレースではいつも体力がすぐに尽きてしまっていたわけ。まるでボディビルダーのようになってたんやね。ティム・メルリールがそれはアカンと心配して、そういう偏りすぎるトレーニングはやめたほうがいいとマニエにアドバイスしたんや」
乱暴にいえば筋トレをしすぎて、体が重くなっていたということ。
最近はなんでもかんでもデータが可視化される時代になり、ロードバイクでもガーミンなどのサイコンや室内のスマートトレーナーでもZwiftなどを使ってすぐに自分のパワーがわかる。しかし明確にデータとしてわかりやすいパワーだけに目を取られ、それと比べるとやや数値化や可視化されにくい耐久力・エンデュランス能力を軽視すると長距離を走るときにすぐにエネルギー不足となってしまうわけだ。
ポール・マニエはまだ若いだけに、知識や経験がまだ足りずこうしたトレーニングの落とし穴にハマってしまっていたわけだ。だがそれを反省し改善をした結果が今の好調さにつながっているのだろう。