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ポガチャル不在で大混戦。2026年ロード世界選手権の優勝候補10人を展望
ブエルタ・ア・エスパーニャが終わり、次の大舞台は2026年UCIロード世界選手権だ。その男子エリート・ロードレースは、9月27日にカナダのモンレアル(モントリオール)で開催される。
今大会最大のポイントは、ブエルタ・ア・エスパーニャで負傷した絶対王者タデイ・ポガチャルが欠場することだ。
世界選手権を2年連続で制した絶対的な優勝候補が不在となり、レムコ・エヴェネプール、イサーク・デルトロ、ポール・セイシャス、ワウト・ファンアールト、マチュー・ファンデルプールらにアルカンシエル獲得の可能性が広がった。
モンレアルの起伏に富んだコースでは、登坂力だけでなく、終盤まで脚を残す持久力、アタックへの対応力、少人数スプリントの速さが問われる。展開次第では優勝候補を絞り切れない混戦となるだろう。
以下、優勝候補10人とそれぞれの特徴・注目点をまとめてみた。
| 選手名 | 国 | 注目点 |
|---|---|---|
| イサーク・デルトロ | メキシコ | GPモンレアル優勝。登坂での加速力とスプリント力 |
| エンリク・マス | スペイン | ブエルタ総合優勝。3週間を通じて示した安定した総合力。疲労の程度が懸念 |
| レムコ・エヴェネプール | ベルギー | 独走力と積極的なレース運び。ポガチャル不在の圧倒的優勝候補 |
| ワウト・ファン・アールト | ベルギー | ブエルタで区間2勝。スプリントと登坂の両方に対応 |
| ポール・セクサス | フランス | GPモンレアル2位。勝負を動かせる登坂力とアタック力 |
| プリモシュ・ログリッチ | スロベニア | ブエルタ総合2位。終盤に向けて調子を上げた経験豊富なエース。冷静な追い上げが真骨頂? |
| マチュー・ファン・デル・プール | オランダ | 2023年世界王者。少人数スプリントなら最大の脅威。登りが多い今年はやや不利か? |
| トム・ピドコック | イギリス | 消耗戦への強さと鋭いパンチ力。マークが薄い点が有利 |
| ベン・ヒーリー | アイルランド | 長距離攻撃を得意とする逃げ切り候補。🐷の大好きな選手 |
| マッズ・ピーダスン | デンマーク | スプリント力は十分だが、ブエルタをリタイアした体調と登坂対応力が不確定要素 |
このうち直近のGPケベックとGPモンレアルにおける状態という点では、レムコ・エヴェネプール、イサーク・デル・トロ、ポール・セクサスの3人が際立っていると思われる。
ただデル・トロが率いるメキシコチームは他の強豪国と比べるとチーム力が弱く、特に終盤でベルギーやフランスほどのサポートは期待できないため、他のライバルたちと比べると苦しい闘いとなるのではないか。
一方のセクサスやレムコはともに強力なチームから十分なサポートを受けながら終盤まで力を温存できるだろう。力をためてためて……最後の登りでライバルたちの首を刈り取る、という闘い方ができる。
最強軍団ベルギーは、レムコ・エヴェネプールとファン・アールトという脚質の異なる2人のダブルエース体制。
→世界選手権はレムコ&ワウト!ベルギー最強軍団発表。ポガチャル不在の世界選で圧倒的優勝候補
ベルギーはレムコのロングアタックとファン・アールトのスプリントを使い分けられるため、戦術面では最も選択肢の多いチームとなるだろうが、それでも二人の協調関係がどれだけ上手くいくのかという点がポイントとなるだろう。
またとれる戦術が増えるということは複雑な計算が必要ということでもあり、チーム無線が使えないカオスな世界選でどれだけそうした計算が上手くできるのかは未知数だ。
ブエルタに出場していた選手についていえば、エンリク・マスはブエルタで総合優勝を果たし、3週間を通じて最も安定したオールラウンド能力を発揮した。ブエルタの疲労を回復できれば、モンレアルの主要な登りでも有力選手と争える可能性がある。
彼とともにスペイン代表となるフアン・アユソとともに中心選手を務めるため、人数を生かした攻撃も可能だろう。
ポガチャルを欠くスロベニアではログリッチが事実上のエースとなる。ただし、前回王者を擁するチームとして集団を制御する必要がなくなったことで、ログリッチは比較的自由に動ける可能性が高い。そんなログリッチを最後までアシストするには盟友ヤン・トラトニクだろう。
ログリッチは8月にトレーニングを中断した影響はあったものの、ブエルタではレースが進むにつれて調子を上げて総合2位。世界選手権にコンディションのピークが重なれば、終盤の登りから十分勝負に加われるだろう。
2023年世界王者のマチュー・ファン・デル・プールは、ブエルタにもカナダのワンデーレースにも出場していないため、現在の状態を判断しにくい。しかし、世界選のコースは長い登りがずっと続くというものではなく、アップダウンの連続であり、上り基調のフィニッシュへ向かう構成は、マチューのパワーとスプリント力を生かせるのではないか。
厳しい登りで脱落せず縮小した集団に残れば最後のスプリントでは優勝候補筆頭になり得る。
MTB世界王者となったばかりのトム・ピドコックと、GPモンレアルで果敢に攻撃をしかけたベン・ヒーリーはともに消耗戦になったときに力を発揮するだろう。ベン・ヒーリーは特に昨年の厳しい登りの世界選でもレムコとともに最後までポガチャルを追いかけて3位に入っている。
トップ10以外にも、ジャイ・ヒンドレー、ベン・オコナー、フェリックス・ガル、リチャル・カラパス、ジュリオ・チッコーネら実績のある選手がそろう。
さらに、ロレンツォ・フィン、トビアス・ヨハネセン、クリスティアン・スカローニも展開次第ではメダル争いに加わり得る。
絶対的な本命が不在となった2026年大会では、こうしたダークホース?にも例年以上に大きなチャンスがある。
2026年ロード世界選手権は、ポガチャルの欠場によって優勝争いの構図が大きく変わった。
直前のGPモントリオールを制したデル・トロ、同大会で攻撃力を示したセクサス、独走力を持つレムコが有力候補となる。
一方、少人数スプリントならマチュー、ワウト、消耗戦ならピドコック、ヒーリーにも勝機がある。
一人の圧倒的な本命を中心に進んだ過去2大会とは異なり、2026年はチーム戦術と攻撃のタイミングが勝敗を左右する予測困難な世界選手権となりそうだ。