シーラント剤は環境に悪いのではないか?
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情報源:Is tubeless sealant bad for the environment? We asked 10 brands to find out
チューブレスタイヤを使う場合に必須ともいえるのがシーラント剤。小さな穴がタイヤに開いてもすぐにその液体が空気と反応して凝固、そして穴を埋めてくれる。
そんなシーラント剤だが、シーラント剤が道路上に垂れたり、道に流れたりすることで環境への悪影響があるのではないか?もし環境に悪いのなら、使わない方がいいのではないか?チューブレスタイヤをやめるべきではないのか?
その点を、メーカー10社に質問してみた、という記事をご紹介。果たして?
シーラント剤と環境について3つの視点
まず、シーラント剤が環境に与える影響につき、3つの視点から考える。1つはシーラント剤の主成分であるラテックス(ぶっちゃけ液状のゴム)は環境にとってどうなのか?2つ目は、ラテックス以外の成分(添加物)はどうなのか?最後に、普通のクリンチャータイヤのインナーチューブを使う場合と比べて、どっちが環境にいいのか?
まず1つめの視点でいうと、ほとんどのシーラント剤は合成ラテックスか天然ゴムを主要な成分としている。これらはだいたい半年から8か月ぐらいかけて、太陽光によってマイクロレベル、そしてナノレベルまで分解されるらしい。だが、それほどまでに分解されしまうと、環境にどのような影響を及ぼすのか、実際上もはや測定不可能。
次に2つ目の視点、添加物という点でいうと、それこそまさに企業秘密と類(レシピ)となるため、各社は積極的に何をどのように混ざているのかは教えてくれない。しかし、Stan’sは「シャンプーや歯磨き粉に入ってるようなものと同じようなもんや」と漠然と返答、そしてFinish Lineは「うちは水やプロピレングリコール使ってるから大丈夫」との返答。
最後に3つ目の視点、通常のインナーチューブを使う場合とどっちが環境に優しいのかという点。これについては誰もわからない。簡単に考えるならば、そもそもインナーチューブを使わない場合はインナーチューブを製造する工場を世界中で動かす必要もないので、シーラント剤のほうが環境に優しいとも思える。でも結局シーラント剤を製造する工場は動かすわけで・・・。
また、インナーチューブを使わないならばゴミが減らせるかもしれない。でも、インナーチューブは多少の穴が開いた程度では、パッチを張り付けて何度も再利用できる点が大きい。それは大きなメリットとも考えられる。
さて、以上のようなことを踏まえてメーカー10社の回答を簡単にまとめると、次のようになる。
メーカー側の考え
今回、情報源メディアの質問に答えたのは次の10社。
- Finish Line
- Halo
- Joe’s No Flats
- Muc-Off
- Oko
- Orange Seal
- Peaty’s
- Rene Herse
- Stan’s
- Weldtite
情報源記事はかなりの長文になっているから、結論だけサクっと書く。
結論としては、どのメーカーも「環境への影響は無視できるレベル」と考えているといって良い。
ただ、当然やけど企業が公式に「悪影響があるで」とかはっきり言うわけがないのであって、「そらちょっとはあるやろうけど」と予防線を張っておいて「でも問題ないレベルやで」とアピールするのは当たり前といえば当たり前。さて、実際はどうやろね?
ひょっとしたらこの取材を受けて、来年から成分がこっそりとちょっとだけ変わったりするかもね。
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