え?UCIレースなのにドーピング検査なし?「エトワール・ド・ベセージュ(Etoille de Bessèges)」
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UCIレースであっても、ドーピング検査が行われないレースがあるのか?
実際、昨日終わった今年のフランスのステージレース「エトワール・ド・ベセージュ(Etoille de Bessèges)」は、ワールドツアーチームが7つ参戦しているにも関わらず、ドーピング検査がなかったもよう。
その点を明らかにし、UCIに説明を求めるのはチームEFのマグナス・コルト・ニールセン(Magnus Cort Nielsen)。下の彼のInstagramを見てほしい。
UCIヨーロッパツアーとしてカテゴリー2.1のエトワール・ド・ベセージュには、7つのワールドツアーチーム、8つのプロチーム(Pro Teams。旧称プロコンチネンタルチーム)、そして5つのコンチネンタルチームが参戦していた。7つのワールドツアーチームとは、Trek-Segafredo、Cofidis、AG2R、NTT Pro Cycling、チームCCC、FDJ、そしてEF Education First Pro Cycling。
上Instgramでニールセンは次のように主張する。
“I don’t understand how it is even allowed to have a race on this level with seven WorldTour teams on the start line without doping control?
訳「ワールドツアーチームが7つも参戦するようなレベルのレースなのに、なんでドーピング検査なしで開催するのが許されとるんや?理解不能やわ」
しかし、そもそもUCIによるドーピング対策についていうと、UCIは対策のポリシーというか大きな戦略を作るだけであり、実際に現場でどのようにその戦略を実行するか、その権限はCycling Anti-Doping Foundation (CADF)へと委任されている。
派遣社員やアウトソーシングが隆盛している今のビジネス界と同じように、立案と運用が分離している。
UCI自身は、現場での運用についてほとんど関与させてもらえていないというのが現状。この結果、情報がUCI上層部に上がってこなくなり、UCI会長がそれに不満を持っているというのもわかる。でもそんなシステムにしたのはUCI自身ちゃうんかとも思うけど。
いちおうUCIとしては、CADFが全てのワールドツアーレースと、全てのプロシリーズ(ProSeries)のレース、そして一部の選ばれたその他の国際レースでドーピング対策を実行すべきだとしている。
そして今回の疑問を呈されたこのエトワール・ド・ベセージュは、ワールドツアーレースでもないし、実はプロシリーズでもない。残るは、一部の選ばれた国際レースに入るかどうかやけど、そこは不明。というかたぶん入ってないんやろね。だからこそCADFは検査をしなかった。
せやけど、たとえそこに含まれてなくても、ワールドツアーチームが7つも参加するレベルなんやからちゃんと検査しろやというのが、ニールセンの考えというわけやね。
全部のレースで検査するとなると当然にコストが上昇する。検査キット、各種資料を保管する倉庫代(賃料)、人件費、セキュリティコスト、交通費・・・などなど。その上昇するコストを誰がどう最終的に負担するのかという問題が生まれるわけやけど、んーどうやろね。