セラ・イタリアのX-TECHサドル
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サドルの定番のイタリアンブランドの1つ、セラ・イタリア(Selle Italia)。そんな同社が、X-TECHという新しい技術を新シリーズのサドルに導入しようているもよう。その目指すものは?
情報源:Selle Italia announces sustainable, made-in-Italy saddle line
X-TECHの目的:サステイナブル(持続可能)な経営と社会へ
このX-TECHが何か、そしてそれが使われる具体的な製品がどのようなものかなどの詳細はまだ一切公表されていない。
ただ、セラ・イタリア社が言うには、このX-TECH導入によって究極的には、最近流行りの「サステイナブル(持続可能)」な会社経営を目指すと言う。具体的には次のようなことを目指すもよう。
オフショアから国内回帰へ
最近はIT系ガジェットだろうがなんだろうがあらゆる工業分野で、海外の安い生産拠点に生産を委託する海外生産(オフショア生産)が主流である。かつての日本や、中国やインドはまさにそれで経済成長をしている。
しかし、これは自国の資本を海外に流し、自国の労働者の仕事を奪うものである。イタリアは政治も経済もすでに落ちぶれた国。オフショア生産ばかりやっていたのでは、そんなイタリアの企業としてイタリア社会に貢献していると言えるのか?あるいはイタリアの企業として持続可能な経営と言えるのか?という疑問が呈される。
そこで、同社はこのX-TECHを搭載するサドルについては、イタリア国内で全てを生産するもよう。そしてその工場ではロボットによる本格的な自動生産システムが導入されるらしい。
付加価値の創出
そのような「100%イタリア生産」という情報は、製品に付加価値を与えることになる。政治も経済もその地位が低下したイタリアだが、これまでに築き上げた「イタリア」というブランドイメージは、世界最強レベルである。ファッション、観光、グルメ、芸術などの分野を考えれば納得であろう。
このX-TECHシリーズのサドルは、最終的に全て分解されて、リサイクル可能となっている。すわなわち環境にとってエコである。これはサステイナブルな社会を目指そうという昨今のトレンドに沿うものである。
同社は、この純イタリア生産と環境への配慮という2つの付加価値が、競合他社との競争で優位に立たせてくれると考えているのである。