ベルギー

東京五輪の殴り合い再び!?2021世界選ロードレースの結果と感想

いよいよ今年の世界選手権も最終日。大会最高潮となる男子エリートロードレースだ。

昨夜は女子エリートロードレースだった。こちらも圧倒的優勝候補の最強国オランダ、そしてそのライバルのイタリア、イギリス、ベルギーなどがやはり最後までレースを支配。

そして個人的に、「イタリアの黄色いバイクの選手が後半あんまり動いてないな。これ息を潜めて狙っとるで」と思ってたら・・・

というわけで、オランダが最も恐れていたライバル、イタリアが勝利!

女子エリートロードレースのハイライト動画はこちら。

さて今夜の男子エリートロードレースも、モンスターことマチュー・ファン・デル・プール擁するオランダ、そのライバルのワウト・ファン・アールトのベルギーが二強と思われる。

そんな二強に他の国々はどう立ち向かうか?特にイタリアは女子の快挙を男子でも再現できたか?

なお、出場選手のリストはこちら→各国の2021世界選ロードレース出場選手リスト

前半でイタリアが絶体絶命!ベルギーにしてやられる!

2021世界選手権ロードレース男子エリート

最初のパレードランのスタートはこんな変な地下道に潜っていく。

そして地下道から出てしばらく走ってアクチュアルスタート。普段のレースならばアタック合戦となるのだが、なぜか今日は少し静かなスタートでアタック合戦もなく始まる。

しかし、その後は強豪国以外のチームで数人の逃げが出来上がる。

2021世界選手権ロードレース男子エリート

そんな逃げの中の一人がこのモンゴルの選手Jambaljamts Sainbayar。陽気にピース。目立った時点で勝ち。

そして自転車の聖地ベルギーはこの盛り上がり。コロナ禍でずっと見られなかった光景がついに蘇ったような感じ。来年のロードレースはこんな「日常」が戻ってくるだろうか。

ベルギーの世界選で日本国旗も!

さて、そんな世界選男子エリートロードレースだが、上述のように女子エリートロードレースはイタリアが優勝した。しかし、男子ロードレースでは前半からイタリアが絶体絶命の大ピンチに陥る。

前半の途中でゴールまでまだ残り160km以上もあるときに、逃げの数人を追走する集団ができたのだが、その集団は実力者だけ。強豪国のほぼ多くがその追走にメンバーを送り込んだのだが、イタリアがそこにメンバーを送り込めなかった。

そのイタリアの失敗をついて、ベルギーが登りでこんな動きをしかけた。

狭い登りでベルギーが4人最前列で道を塞いだのだ。イタリアチームは追走集団を追いかけたくてもこれでは無理。ベルギーは追走にメンバーを入れたので、イタリアにそれを追わせない作戦。さすが百戦錬磨のベルギー。実にいやらしい。

この結果、追走集団とこの集団との差が1分近く開いてしまう。追走集団は強豪国の選手だらけなので、下手したらイタリアのレースはこの時点で終わってしまう。

この登りのあとイタリアは必死に全力で前を追いかける。イタリアも選手枠が多いのだが、それでも前半からチームの力を無駄に使うことになった。これがイタリアの命運を決することになるのか?

チーム無線なし!東京五輪の殴り合い再び!

東京五輪と同様に世界選手権はチーム無線がないため、各国チームはレースの情報が選手らの目に見える範囲でしかわからない。

しかし200人近くの選手の動向を目で捉えるだけでは無理がある。誰がアタックして、誰が先頭にいるのかわかりにくい。下手すればチームメイトが先頭にいるのかすらわからない。そんな混沌と混乱が各国の作戦に影響を強く及ぼす。

そんな中、優勝の期待を背負う地元ベルギーチームが、暴走特急レムコ・エヴェネプールを飛び道具にしてレースを支配し続ける。

だがそんなベルギーの思惑をつぶそうと、フランスが積極的に幾度もしかける展開。イタリアも上述の前半の失敗を繰り返すまいと誰かが逃げれば必ずそれをチェックする。いわば、ベルギー、フランス、イタリアの殴り合いと言ってもいいだろう。もちろんその他の国もそんな殴り合いの漁夫の利を狙う。

マチュー・ファン・デル・プールに異変!?

ベルギー、フランス、イタリアのそんな殴り合いに最も燃えるであろう男がオランダのマチュー・ファン・デル・プール。

だが今日のマチューは何か変。自ら積極的に動こうとは一切しないまま。今までそんなことはあり得なかった。だがずっとチームメイトに守られるか、プロトンの影に隠れたまま。

やはり背中・腰の容態が万全じゃないのか?

終盤、野生の本能覚醒?ついにあの男が動く!

残り60kmを切ってから最も積極的に動いたのがこの男。

そう、フランスのエースにして現世界王者。そして連覇を狙うジュリアン・アラフィリップだ。

まず上の動画のように残り58kmの坂でアタック。これは不発に終わるが、続けて残り50kmをきったところの坂でまたアタック!

これには先日ヨーロッパチャンピオンになったばかりのイタリアのエース、ソンニ・コルブレッリが反応。

このまま二人で後続を突き放すかと思われたが、イケイケのアラフィリップに対してコルブレッリはやる気を見せない。そして二人は後続に吸収。またアラフィリップのアタックは失敗となった。

今回の世界選はアラフィリップの得意な坂が短いのでなかなかアタックで後続と差をつけにくい。かといって、スプリント力がかなり高いファン・アールトやコルブレッリらといっしょにゴールまで行くのは避けたい。アラフィリップとしては何がなんでも登りアタックにこだわらざるを得ない。

残り21kmとなった登りでアラフィリップ3回目の連続攻撃!

(‘A`)「これはいったか!?」

と思ったが、これも決定的な差をつけられず不発・・・

4回連続アタックキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

ついに、ついに決まった!アラフィリップの執念が他の選手を圧倒!

4回目にして決定的な差をつけることに成功!アラフィリップ独走へ!

優勝候補の筆頭、ファン・アールトの反応が鈍い!

2021世界選手権ロードレース男子エリート

アラフィリップを追うのは、4人。

  • デンマークのヴァルグレン(EF Education–Nippo)
  • ベルギーのストゥイヴェン(Trek-Segafredo)
  • オランダのファン・バールレ(INEOS Grenadiers)
  • アメリカのポーレス(EF Education–Nippo)。

ただこの4人が牽制状態になることが多く、上手くアラフィリップを追うことができず逆にアラフィリップとの差が少しずつ広がっていく。

一方、その4人の後方にはコルブレッリ、ワウト・ファン・アールト、マチュー・ファン・デル・プール、トム・ピドコックといった絶対エースのいる集団。そしてこの集団もまた牽制状態に入ってしまう・・・

マチューが本調子ではないとみんな感じていたとは思うが、だからといってマチューをマークしなくていいとは思っていなかったのだろうか。一方マチュー自身は途中で「自分が囮になってファン・バールレで優勝を狙う」という考えになっていたのかもしれない。

仮にそうだったならば、シクロクロスやMTBでマチューのライバルのファン・アールトとピドコッックは、見事にマチューの思惑にハマってしまったことになる。このへんは、レース後のコメントを待つ必要がある。

2021世界選手権ロードレース男子エリート

独走のアラフィリップ vs 追走4人だが、残り5kmで30秒ほどの差。アラフィリップの優勝が濃厚。この時点でもう、ファン・アールトやマチューらの優勝の可能性は消滅していた。

そして・・・

アラフィリップ、二連覇達成!

現役選手だと二連覇(または世界選ロードレースで2勝)したのは、ピーター・サガンと今回のジュリアン・アラフィリップだけ。サガンは2015~2017の三連覇。来年はオーストラリアのウロンゴン(Wollongong)での開催。

そのコースはまだ詳細がわからないが、ひょっとしたらオーストラリア人選手、特にカレブ・ユアン、マイケル・マシューズ、リッチー・ポートが優勝できそうなコースになるかも?

ただその場合でも、アラフィリップに勝機がないとは言えないので、もしかしたらアラフィリップがピーター・サガンに並ぶ三連覇もなくはない??

さて、アラフィリップの後の表彰台争いだが、こうなった。

ベルギーのストゥイヴェンが4位!ベルギーまさかの表彰台も逃す!

アラフィリップのゴールでは大歓声が沸いていたが、このベルギー勢の結果に会場は静まりかえったような状態に・・・まるでお通夜状態になったかのよう。

レース後のベルギーチームの様子がこちら。

(´;ω;`)ウッ…どうして….

全選手の結果はこちらのPDFファイルをどうぞ。PDF直リン。

2021世界選公式サイト(Flanders2021):男子エリートロードレース順位表

そして昨夜の2021世界選手権ロードレース男子エリートのハイライト動画はこちら。


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