フランスのヴォクレール監督が語ったフランスチームの作戦。アラフィリップのアタックは台本にはなかった。2021世界選手権ロードレース

今年の2021UCI世界選手権ロードレース男子エリートが終わった。チーム無線が使えないという点では東京五輪と同じで、各国チームが現場の判断で手探りで行動を起こしながら展開を見定め、作戦を修正・更新していく必要があった。

そしてその結果は、開催国でもあり絶対的優勝候補だったベルギーが、まさかのメダルなしという衝撃的な結果となった。結果と感想を書いた記事がこちら。

感想記事:東京五輪の殴り合い再び!?2021世界選ロードレースの結果と感想

そして昨夜の2021世界選手権ロードレース男子エリートのハイライト動画はこちら。

見事優勝したのは、二連覇を達成したジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe:フランス)。

フランスの代表監督は、かつて新城幸也と長年チームメイトで「社長(フランスのアイドル?)」だったトマ・ヴォクレール。

見事にベルギーや他国の思惑を崩すことに成功したフランスチームだが、その作戦をヴォクレール監督がレース後に次のように述べている。

情報源:ALAPHILIPPE AND VOECKLER EXPLAIN HOW IT ALL WENT RIGHT FOR THE FRENCH TEAM

“Belgium was an adversary like the others and the biggest mistake we could have made would have been to mount an anti-Van Aert or anti-Belgium plan,”

訳「ベルギーはフランスにとっても魔王のような存在だっただけに、フランスチームとして一番やったらアカンかったことは、各国の対ファン・アールトと対ベルギー包囲網に乗っかってしまうことだったんよ」

昨夜のレースを見ていた人はわかるだろうが、フランスは1日中通して積極的に動いていた。「まだその場面でそんなに動く必要ないんちゃう?」と思ったりしたこともあったが、そのフランスの動きによってレースの速度があがり、過酷さが増すことになった。

フランスは、ライバルたちの脚を削り、他国の作戦を崩す思惑があるのだろうとみんな考えていただろうが、まさにそのとおりにフランスチームは事前に台本を作っていたということ。

他国も対ベルギー作戦を練っていたはずだが、おそらくそれはベルギー選手の脚をけずらせ、後半のできるだけ早い段階でファン・アールトを単騎にさせることだったのではないだろうか。

それはベルギーにプロトンのコントロールをまかせ、ベルギーに集団を引かせることを強いる展開と言える。つまり、逃げに積極的に選手を乗せること。できれば複数名。

フランスチームもそれが基本だったと思うが、自軍の選手を逃げにのせられなければ、その時点でレースが終わってしまう可能性もある。実際、前半でイタリアはその危機に陥った

他国に主導権を握られるよりは、自分たちで主導権を握る。それがフランスチームの台本だったのだろう。それが最後のジュリアン・アラフィリップの4連続アタックにつながったのだろう。

だがそのアラフィリップのアタックについて、ヴォクレールは次のように述べる。

“What was not planned, however, was for him to do 17 km solo!”

訳「せやけどアラフィリップの最後のアタックは台本にはなかったことよ。まさか17kmも独走するなんて思ってへんかったわ」

レース中にアラフィリップはヴォクレール監督に「フロリアン・セネシャルの発射台になったほうがええか?」と聞いてきたらしい。

そのときヴォクレールは「いやかまへん。お前は誰かのアタックについていって、その後にカウンターアタックを決めろ。そのタイミングは自分の直感で決めろ」と返答したとのこと。

結果的にアラフィリップは、誰かの攻撃を待つのではなくまさに「直感」にしたがって、自ら波状攻撃をしかけた。連続した4回目の攻撃で攻撃で全員を振り切ることに成功。そして独走勝利。かっこよすぎる勝利だ。

昨夜の2021世界選手権ロードレース男子エリートのハイライト動画はこちら。


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