車会社フォードの特許が自転車の変速システムを根本的に変える?
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アメリカの自動車会社フォード(Ford)といえば、ベルトコンベアーを利用した自動車製造の大量生産システムと生産管理の科学的マネージメントとを導入した20世紀の産業史に残る大企業。20世紀の産業革命と言っても良いだろう。
そんなフォードが、なんと自転車の変速システムの特許を申請していることがわかった。しかもその変速システムが全く見たことがないような感じだ。次のインスタグラムを見て欲しい。
これは自転車に関連する特許情報を専門に扱うWheelBasedというWEBサイトの公式インスタだが、フォードの申請特許としてこのような画像が示されている。
1枚目のフロントディレイラーの構造からして、見たことない感じだ。
そのフォードの特許についての詳細は次のアメリカ特許商標庁のページをどうぞ。
United States Patent and Trademark Office(アメリカ特許商標庁):US patent 11,124,269, “Bicycle Derailleur Apparatus for Controlling Bicycle Speed”
主要なパーツは、2本のワイヤーのようなものとチェーンガイド。
既存のフロントディレイラー周りと比べてかなりシンプルなシステムに見える。2本のワイヤーは、Nitinol(ニチノール)と呼ばれるニッケル-チタン合金のワイヤーのようだ。
このワイヤーに予め設定しておいた電気が流れ、チェーンガイドが動いて変速する。そういう意味では電動変速の1種と言える。
なぜその2本のワイヤーに電流を流すとチェーンガイドが動くのかといえば、ニチノール製のワイヤーは形状記憶の性質があり、変形したとしても元の形に戻ろうとする性質を持つ。
ワイヤーに電流が流れると熱が発生する。その熱がワイヤーを変形させる。しかしもとの形状に戻ろうとする。この「熱による変形(チェーンガイドが移動する) ⇔ 元に戻るという変形(元に位置にチェーンガイドが戻る)」という相互の変形を利用し、ギアを重くしたり軽くしたりといった機能を実現しようとするものらしい。
(‘A`)「文系のブタにはもう限界や。頭痛くなってきたから横になるわ」