ナセル・ブアニ「自分はちょっと個性的なだけで、普通の人間」
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ナイロ・キンタナを擁するアルケア・サムシックのエーススプリンターにしてパンチャー(意味深)のナセル・ブアニ(Nacer Bouhanni)。今年は未勝利のままシーズンを終えた。
未勝利という結果の間接的な原因となったのが、3月のレース、GP Cholet-Pays De Loireにおけるゴール前スプリントでの危険行為による謹慎処分だ。ブアニ曰く、「そのUCIからの制裁で、今年の予定が壊れた」。
そのGP Cholet-Pays De Loireでの危険行為とはどのようなものだったか覚えているだろうか?そのときのレース動画を見てほしい。
ゴール前で、FDJの新人スプリンターのジェイク・スチュワート(Jake Stewart)をフェンス際におしやる行動をしてしまっているのがわかる。
そのとき書いた記事が下のものだ。
過去記事:【ブアニ日報】ブアニ危険走行で一発退場
これによりUCIから2ヶ月のレース禁止処分を言い渡された。またスチュワートは手の骨折が判明。
この件ついて、「今さらあれこれ言うつもりはないが、あのときはレースに勝とうとしただけで、スチュワートを危険にさらそうとか思っていたわけじゃない」と述べる。
この件でも世間からの批判を浴びたブアニだが、これまでも世間から彼に対する批判は多かった。まぁこれまでいろいろ騒動があったのも確かだが。
ただ、ブアニとしては「他の選手なら同様の行為で謹慎処分とはならないのではないか。なぜ自分だけ」という想いが強いようだ。そして、UCIの処分はほんと受け入れがたいものだったと言う。
これまでの自身にまつわる騒動と世間からの批判について、「自分はちょっと個性的なだけで、ほとんどの場面ではごく普通の人間」と自分自身を評しており、どうやらちょっとした1つの行動だけが切り取られ、それがブアニという人間の全てだと思われてしまっていると考えているもよう。つまり、世間が自分を誤解していると。
一方今年の7月には、チームからブアニの契約延長が発表された。
過去記事:ナセル・ブアニがチームとの契約を延長
2023年までの2年契約となった。なんといっても重要なのは来年度のツール・ド・フランスとなるだろう。というのも、先日も書いたがアルケア・サムシックは来年度のツール・ド・フランスにワイルドカード枠で招待されることが確実だ。
関連記事:なぜクベカ・ネクストハッシュの消滅でアルケア・サムシックが得をするのか
なぜならば、くべか・ネクトハッシュが少なくとも来年はワールドツアーチームでなくなるため、その分出場チームに空きが出たからだ。それを埋める形で、アルペシン・フェニックスと同様に自動的にグランツールを含む全ワールドツアーに参加できる資格を得た。
そのため来年のツールに出場し、ぜひとも勝利を得たいところ。今年のツール・ド・フランスでは惜しい場面がいくつかあり、好調さと実力は示している。来年のツールでは悲願のツール初優勝を手にしたいところだ。