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ロードバイクとロードレースの2022ヘント~ウェヘルベム

歴史が動いた!2022ヘント~ウェヴェルヘムの感想と結果

先日のE3に続き、またユンボ勢が席巻するのか?2022ヘント~ウェヴェルヘムの感想と結果

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今日の2022ヘント~ウェヴェルヘム(Gent-Wevelgem)は、昔はスプリンター向け感が強かったが、2010年からの改革(?)で坂が増えてクラシックスペシャリスト、登れるスプリンター、スプリント力のあるパンチャーたちに有利になった。

さて先日のE3ではJumbo-Vismaが圧倒的なレース支配力を見せつけて快勝したわけだが、今日のヘントもクリストフ・ラポルト(Christophe Laporte)とワウト・ファン・アールト(Wout van Aert)が出場。

はたしてE3と同じく「またこいつらか!」という展開になったのか?

今年のコース

今日も残り50kmでまたもユンボ・ヴィズマが動く!

中盤まで3グループに別れたりしていたのだが、ゴールまで残り50kmとなるまでにそれらも結局1つにまとまってしまっていた。

しかし、ゴールまで残り49kmとなった地点で今日もユンボ・ヴィズマが動く。注目はもちろんワウト・ファン・アールト(Wout van Aert)だが、今日はその彼は動かず、単独でクリストフ・ラポルト(Christophe Laporte)が動いた。

ロードバイクとロードレースの2022ヘント~ウェヘルベム

これは一体どういう作戦なのだろうか。ラプルトで先手をとって有利な展開しておき、最後はワウト・ファン・アールトで決めるという感じか。

あるいはロンド・ファン・フランデレンに向けてファン・アールトは温存。今回はラポルトに自由な裁量を与えていた?

このラポルトの動きについていったのはたった3人。合計で次の4人。

  • Trek-Segafredoのヤスパー・ストゥイフェン(Jasper Stuyven)
  • Jumbo-Vismaのクリストフ・ラポルト(Christophe Laporte)
  • Intermarché-Wanty-Gobert Matériauxのビニアム・ギルマイ(Biniam Girmay Hail)
  • TotalEnergiesのドリス・ファン・ゲステル(Dries Van Gestel)

クイックステップがいないのが気になる。クラシック系レースで無双してたときは必ず先頭にクイックステップが1人か2人を送り込むというのが多かったのだが・・・

ワールドツアー史上初の快挙!

結局その4人が残り10kmになっても逃げ続ける。しかしプロトンとの差は32秒。普通の平坦基調のレースならば10kmで1分差以内ならばプロトンは追いつけるということがほとんど。そして残り10kmには坂らしいものはない。

ならば余裕で追いつくだろう。しかし個人的にはギルマイを応援していた。今シーズンはずっと調子が良い21歳のエリトリア人だ。ミラノ~サンレモは12位、先日のE3では5位。いい感じで乗れている。

ところで注目のワウト・ファン・アールトだが、残り4kmを切っても集団の後方。

ロードバイクとロードレースの2022ヘント~ウェヘルベム

彼の周りにチームメイトもいないので、もはや今日は完全にラポルトに任せたという感じ。もともとそういう作戦だったのかは不明。

逃げの4人とプロトンは残り2kmで20秒差。逃げの4人は牽制が始まり速度が落ちていることを考えれば、プロトンが本気で追えばギリギリ追いつけるか?

その4人の後方では、しびれを切らしたDSMのセーアン・クラーウ・アナスン(Søren Kragh Andersen)がプロトンから1人飛び出して4人を追走している。

そしてゴール前数百メートル・・・

ロードバイクとロードレースの2022ヘント~ウェヘルベム

集団が迫る!

ここからゴールまでは次の動画でどうぞ。

うおおおおおおおおおおおおおおおお!!

たしかにずっと調子良かったが、まさかこのメンツを相手に本当に勝つとは。しかも最初に仕掛けてそのまま誰も寄せ付けなかった。強い!

ギルマイはエリトリア人選手として初のワールドツアーレースでの優勝!史上初の快挙だ。まさに歴史が動いた瞬間だろう。

アフリカの自転車熱がさらに高まるきっかけとなるか?

なおよく似た名前の選手がBikeExchange-Jaycoにいる。スガブ・グルマイ(Tsgabu Grmay)だ。今回優勝したのはビニアム・ギルマイ(Biniam Girmay Hail)。GrmayとGirmay。難しい。

またエリトリア人選手といえばかつてMTNクベカ(MTN-Qhubeka)に所属していたダニエル・テクレハイマノ(Daniel Teklehaimanot)を覚えている人もいるだろう。

トップ10

1ビニアム・ギルマイ(Biniam Girmay Hail)Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux
2クリストフ・ラポルト(Christophe Laporte)Jumbo-Visma
3ドリス・ファン・ゲステル(Dries Van Gestel)TotalEnergies
4ヤスパー・ストゥイフェン(Jasper Stuyven)Trek – Segafredo
5セーアン・クラーウ・アナスン(Søren Kragh Andersen)Team DSM
6ティム・メルリール(Tim Merlier)Alpecin-Fenix
7マッズ・ピーダースン(Mads Pedersen)Trek – Segafredo
8イヴァン・ガルシア・コルティナ(Iván García Cortina)Movistar Team
9マテイ・モホリッチ(Matej Mohoric )Bahrain – Victorious
10アルノー・デマール(Arnaud Démare)Groupama – FDJ

エリトリアとロードレース

ワールドツアーレースで勝利した経歴があるわけではないが、2015年と2016年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネでは山岳賞ジャージを着用したことがある。

また、2015年のツール・ド・フランスには、同じくMTNクベカのチームメイトでエリトリア人のメルハウィ・クドゥス(Merhawi Kudus、現在はEF Education-EasyPost)とともにアフリカ出身の黒人選手として史上初のツール参戦を果たした。その2015年ツールでは山岳賞ジャージを途中で着用したこともある。

そして今日優勝したビニアム・ギルマイは、そんなエリトリアの自転車の歴史に新たな1ページを刻んだ。なんといってもワールドツアーレースでエリトリア人として初優勝。また石畳系のセミクラシックレースの優勝もエリトリア人としては初だろう。

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