ヨーロッパ最強はどこか？2024ヨーロッパ選手権ロードレースのレビュー、結果、ハイライト

今年のヨーロッパ選手権ロードレース（男子エリート）は、ピュアスプリンターでも生き残れるコースがポイント。最強ベルギー vs 最強オランダ、そして連覇を狙うフランスなどが世界選手権を前にして覇権を争った。その結果を。

2024ヨーロッパ選手権のコース

距離は222.9km、1日の獲得標高は1273mなので上述のようにピュアスプリンターでもチャンスがあるコースだ。ただ石畳がいくつも登場するコースでもある。つまり春のセミクラシックのいくつかに近い感じ。

感想・ハイライト

残り100km。マチュー動く

レースが半分ほど消化する頃に、世界王者マチュー・ファン・デル・プールを含む強力な追走集団ができあがる。メンバーはマチュー、マイク・テウニッセン、マッズ・ピーダースン、ジョルディ・メーウス、マッテオ・トレンティン、セーアン・クラーウ・アナスンなどの超強力メンバーだ。オランダ、ベルギー、イタリア、デンマークと強豪国が揃っている。

これが追走集団としてプロトンから20秒ほどの差で走り続けるが、やがて後方のプロトンに吸収される。

残り40km。またマチュー動く

そして残り40kmとなった時点で再びマチューを含む集団ができあがっていて、これが先頭集団となっていた。そのメンバーは、マチュー、クリストフ・ラポルト、ダニー・ファン・ポッペル、ピーダースンなどの6名。これまた超強力なメンバーだ。オランダはファン・ポッペルとマチューの2名。マチューの逃げアタックからの独走優勝が第一の狙いか？

注目すべき点では上述の最初のマチューグループにはフランスがいなかったのに、この集団にはフランスのラポルトがいること、そしてベルギーとイタリアがいないことだ。

そのためプロトンは当然この動きを警戒し、まだ残り40km以上あるがあまり差がつかないよう10秒～20秒の差で追い続ける（泳がせる？）。プロトンはこの集団にメンバーを送り込めなかったベルギー、イタリアが牽引する。ここでタイム差をつけてしまうと不味い展開となる。

途中でチェコの新星21歳のパヴェル・ビットネルがプロトンから飛び出す場面もあったが、マチューグループには追いつけずプロトンに戻る。ビットネルは今年のブエルタの第5ステージで優勝して注目のスプリンターだ。

この後、マチューのグループもプロトンに吸収されてしまい、プロトン一丸のまま最終周回に突入し残り14kmとなる。最後はピュアスプリンターたちのゴールスプリント合戦となるのか？

最後はイタリアの強力トレイン炸裂からの・・・

残り10kmとなるとデンマークが連続攻撃をしかけて、単純なゴール前スプリントになだれ込む展開を阻止しようと動く。まず最初にTTスペシャリストのカスパー・アスグリーンがプロトンから飛び出す。これが第一の矢。

イタリアはつい先日ヨーロッパ選手権個人TTで優勝し、新しいユーロ個人TT王者となったエドアルド・アッフィニがイタリアのトレインの先頭にたちこれを追いかける。

アスグリーンが残り6km弱で捕まると、今度はデンマークの第二の矢としてセーアン・クラーウ・アナスンがアタック！

🐷「デンマークさんｗｗｗｗ」

しかしアナスンのこの動きもイタリア陣営によってすぐに捕らえられる。

プロトンはやはり一団となってゴール前へ向かうが、ここで完璧なトレインを形成し集団のトップにいたのがイタリアントレイン。アッフィニ、カッタネオ、トレンティンらがエースのジョナサン・ミランのために強力な牽引。ミランの最終発射台はシモーネ・コンソンニという構成だ。このイタリアントレインが先頭をキープして優位にたったまま残り1kmへ。

しかしここからベルギーとオランダがイタリアのトレインを崩そうと動き出し、さらにそこまで息を潜めていたノルウェーも先頭へ！ついにイタリアントレインが埋もれてしまう！ミラン窮地！

そして最後の結末がこちら。

ベルギーのティム・メルリールだああああああああああああ！

レース全体のハイライト動画

YouTube: EUROPEAN CONTINENTAL CHAMPIONSHIPS MEN ELITE – ROAD RACE 2024 FULL RACE

結果（トップ10）

1	Tim Merlier	Belgium	1位とのタイム差
2	Olav Kooij	Netherlands	0
3	Madis Mihkels	Estonia	,,
4	Jasper Philipsen	Belgium	,,
5	Alexander Kristoff	Norway	,,
6	Mads Pedersen	Denmark	,,
7	Pavel Bittner	Czech Republic	,,
8	Stanisław Aniołkowski	Poland	,,
9	Christophe Laporte	France	,,
10	Alex Kirsch	Luxembourg	,,